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2. “個人”とは何か

今回のポイント
・アドラーは自分の心理学に「個人心理学(individual psychology)」という名前をつけた
・そこに、個人(individual)というのは分割できない(in-dividual)ものだという主張を込めた
・行動、認知、感情はそれぞれに協力しあって「個人」を構成している

2.1 “個人”とは何か

今回は「”個人”とは何か」というトピックです。

個人(individual)というのはアドラー心理学にとって特別な用語です。アドラーは自分の心理学に「個人心理学(individual psychology)」という名前をつけました。ですから、アドラー心理学(Adlerian psychology)というのは通称名であって、正式には「個人心理学」と呼んだ方がいいのです。

なぜ個人心理学という名前をつけたかというと「個人(individual)というのは分割できない(in-dividual)ものだ」という主張を込めたからです。分割できないというのはどういうことかということを説明するために、比較としてフロイトの心のモデルを参照してみましょう。

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この図のようにフロイトのモデルでは心が「超自我/自我/エス(イド)」という部品(あるいは要素)から構成されています。そしてこれらのそれぞれが特定の役割を担っています。イドは心のエネルギーのようなものを供給する役割です。常に欲望を充足しようとして働いています。一方、超自我はその欲望を抑圧しようとしています。そして自我はエスと超自我の働きを調停しようとしています。このように心は3つの部品からなっており、それぞれが特定の機能を果たしながらバランスを取っているとフロイトは説明するのです。

これに対してアドラーの心のモデルは次のようです。

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