4-お勧めの本19

【本】マーク・マンソン『その「決断」がすべてを解決する』:いくつもの点でアドラー心理学に合致する

木曜日はお勧めの本を紹介しています。

今回は、マーク・マンソン『その「決断」がすべてを解決する』(三笠書房, 2018)を取り上げます。

■要約

人生の問題は、悩むべき重要な問題を持っていないために起こる。人はいつも何を気にするかを選んでいる。人生に重要で意味のあることを見つけるのが、時間とエネルギーのもっとも生産的な使い方だ。そうすればそれ以外のことがうんざりするほど起きても気にならなくなる。これはトラウマもネガティブもパワーに変えてしまう方法だ。ポジティブな経験を求めることはそれ自体がネガティブな経験であり、ネガティブな経験を受け入れることはそれ自体がポジティブな経験である。

■ポイント

問題のない人生はないし、それは望めない。であれば、よい問題でいっぱいの人生を望もう。そういう問題を解決していくと幸せな人生になる。

感情は生存と繁殖を助ける目的で進化してきた。ネガティブな感情は「解決されていない問題がありますよ」と発信する、行動への呼びかけだ。

自分の問題が解決できないかもしれないと思うと、私たちは無意識に「特権意識」を持つようになる。それは次の2つ。

1 僕はすごい。そしてほかのみんなはダメ人間。だから、僕は特別な待遇を受けて当然。
2 僕はダメ人間。そしてほかのみんなはすごい。だから、僕は特別な待遇を受けて当然。

本当は個人的な問題というのはない。あなたの抱えている問題は、ほかのみんなが抱えている。ただ「自分は特別な人間じゃない」ということ。それは反・特権意識である。人が何かで優秀になれるのは、まだ優秀でないことを自覚しているからだ。

僕ら人間というのは、実は着飾った類人猿でしかない。そして類人猿であるがために、本能的に自分を他人と比べ、地位を奪い合う。自分を他人との比較で評価するのでははなく、何を基準にして自分を計るかが問題なのに。ポイントはよい価値観を優先させることだ。そして、よりよいことを選んで、それを気にすること。

たちの悪い価値観には次の4つがある。

1 快楽:人生に対する満足感において快楽はもっとも表面的な感覚である。
2 物質的な成功:多くの人が自分の値打ちを「いくら稼ぐか」で計るけど、物質的な成功と幸福の関係は相対的なものにとどまる。
3 いつも正しいこと:「自分は正しいから値打ちがある」と考える人は、間違いをしてもそこから学べない。
4 ポジティブであり続けること:たえずポジティブであることは「問題からの逃げ」の一形態であり、人生の問題に対する最適な解決策ではない。

よい価値観
1 現実に基づいている
2 社会に対して建設的である
3 自分と直接の関わりがあり、コントロール可能である

逆に、悪い価値観
1 迷信に基づいている
2 社会に対して破壊的である
3 自分と直接の関わりがなく、コントロール不可能である

インターネットとSNSによって、他人に問題の責任を押し付けることが以前より簡単になった。ちっぽけな違反行為に対して「自分は被害者だ」と公言する人が増えると、本当に被害を受けている人が誰なのか見えなくなってしまう。自分が気分を害しているとハイになれる。道徳的に優位にいられるからだ。

人はそれぞれ自分の価値観があり、それを守ろうとする。自分自身を知ることは危険でもある。その役回りに自分を固定し、不要な期待を自分に課することになるかもしれないからだ。特別でいるのはやめよう。ユニークでいるのもやめる。自分をもっとありふれた人間として計ることを選ぼう。

とにかく何かやれ。行動はモチベーションの結果でもあり、また次のモチベーションの原因にもなる。そうして行動とモチベーションは連鎖する。

絶対的な自由には何の意味もない。最終的に人生に意味と重要性を見いだすのは、ほかの選択肢を拒否できるようになってからできる。自由を狭め、ひとつの場所、ひとつの信念、1人の人に身を入れること。自分の価値観を選ぶには、そのほかの価値観を拒否する必要がある。僕らは何を否定するかによって定義される。正直に生きるということはノーと言えることであり、ノーと言われても苦にならないということだ。

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