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(035) オンライン授業は不十分な対面授業ではない。

匿名でメッセージや質問を送れる「マシュマロ」というシステムを利用しています。

先日、コロナの状況下でのオンライン授業についての質問が2つ届きました。こんな質問です。

[Q1] 今般の新型コロナ対策による教育機関の休校状況について、教育工学の蓄積から先行研究を踏まえてこれからの展望を自分たちで考えていくのに、参考になりそうな文献はありますでしょうか?もし心当たりがあればご教示ください。

マシュマロはデフォルトでは回答文が100字に限定されていますので、回答を短くするのに苦労します(せめて200字あればうれしいのですけど)。そして、こんな回答を書きました。

[A1] 「オンラインコースの設計と実践」というトピックでの研究はたくさんあります。これからは対面授業の補完や拡張という文脈ではなくオンライン学習がメインになっていくでしょう。

もうひとつの質問はこれです。

[Q2] 先生が現時点で、オンライン授業の課題点と感じる部分はありますか?

その回答。

[A2] オンライン授業の問題点として、対面授業の問題以上のものはありません。オンラインでは、教員が提供した学習リソース、学習者の学習活動、それへのフィードバックがすべて可視化されますので、改善しかありません。

100字の回答文では、端的すぎて伝わりにくいと思います(私としては端的な回答は気に入っています)ので、ちょっと補足したいと思います。

・これからオンライン学習は対面授業の補完や拡張ではなく、そのものがメインになっていく

2000年代に入ってから、インターネットが当たり前になり、その中で、教育の中にオンライン学習が入っていくという方向は確実なものとなりました。しかし、その進展はゆっくりとしたものでした。それでも、教育が対面授業からオンライン学習中心になるためのきっかけになったかもしれないブームはありました。

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