5-話す技術

【連載】みんなの前で話す技術(第8回):質問は直接受けずに質問カードを使う。

金曜日は「みんなの前で話す技術」講座を連載しています。

自分の話が一通り終わると、たいていは聴衆からの質問を受ける時間があります。初めから質疑応答のための時間がとってあることもありますし、自分の話を短めに切り上げて残りの時間を質疑に当てる場合もあります。いずれにしても質疑応答の機会はあります。

まれに質疑応答がない場合もありますが、話し手と聞き手が直接やりとりできる機会ですので、できるだけその時間を取ったほうがいいでしょう。

とはいうものの、質問の時間は話す方にとっては、非常にリスキーです。まず、1つも質問が出てこない場合があります。これは焦る。自分の話が面白くなかったのか、難しすぎたのか、的はずれだったのかと色々な思いが頭を巡ります。さらにこの沈黙の時間が会場全体を支配します。

機転のきく司会者がいれば、その人が質問をしてくれる場合もありますが、そうでない場合は、自分一人でなんとかしなければなりません。その場合は、自分で話を補足したりするわけですが、気まずさはぬぐいきれません。

2つ目のリスクは、質問した人が長々と持論を述べ立てる場合です。もともと手を挙げて質問するという行動はかなり勇気のいることです。それを率先してやる人は、自分に何かしゃべりたいことを持っている人が多いのです。その場合は、質問をするというよりも、自分で主張したいことがあるのです。それを長々と話されてしまうと、こちらは止めようがありません。かなり時間が経ってから「あの、それで質問は何でしょうか?」と聞いたりしますが、すでに時間は食いつぶされてしまっています。

このような質問時間のリスクを避けるために、私は「質問カード」と呼ぶものを使っています。A4判の紙を四つ切りにしたものを講演の前に資料の1つとして配付しておきます。「質問カード」というタイトルをつけて印刷しておいてもいいでしょう。

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