9-号外_バラ

「オトナの研究」3本(2017年6月のnote記事より)

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今回は、2017年6月note記事から、「オトナの研究」3本をまとめてお届けします。

01 「オトナの研究」とは何か。
02 まず Google Scholar で先人の研究を探す。
03 ラボノートを用意しよう。

01 「オトナの研究」とは何か。

フツウの大人が「研究」のようなことを始めると、大人の人生は楽しく、意味のあるものになるだろうな。そしてそういう人たちが増えていくと、社会は全体としてより良くなっていくんじゃないかな。

と、このような予感がするのです。

私は自分の仕事として、いろいろなところで講演やワークショップをします。そこでは専門家や研究者として、さまざまな質問をもらい、それに答えます。私は質問に対して自分の知っている範囲で答えるわけですが、知らないこともあるし、現在の段階の研究としては明らかになっていないこともたくさんあります。つまり、専門家や研究者は絶対の存在ではないし、たかだか現状で知られている範囲のものでしかないのです。

その一方で、インターネットの恩恵で、普通の人が入手できるデータやエビデンスはそれこそたくさん溢れています。ですからその範囲においては、インターネットを使える普通の人も専門家もまったく同じ立場なのですね。そうなると、データの読み取り方やそこからロジカルに議論と主張を展開する方法といった技能やリテラシーを、少しの努力で身につけるかどうかの違いだけなのです。

とはいっても、こうしたリテラシーを身につけようと、なんでもドリルにしてしまうことにも反対です。修行僧ではないのです。そうではなく、大人は必ず自分の「現場」を持っています。現場のリアリティから離れたところで研究を語ってみてもそれは長続きしないものになります。現場のリアリティ(Reality)と、現場との関連性(Relevance)が「オトナの研究」には必要なのです。

そんなところから連載を始めてみようかなと思っています。おつきあいいただければ幸いです。

02 まず Google Scholar で先人の研究を探す。

前回は、フツウの大人が「研究」のようなことを始めると、大人の人生は楽しく、意味のあるものになるだろうということからスタートして、現場のリアリティ(Reality)と、現場との関連性(Relavance)が「オトナの研究」のキーになるということを書きました。

つまるところ、現場で「この現象は何なんだろう」とか、「いったいどうしてこのようになるんだろう」と疑問に思ったことはすべて研究のトピックになります。そこから「オトナの研究」がスタートします。

なんでも研究のトピックになるのですが、面白そうなトピックについては、先人たちが研究を積み重ねているはずです。まったく新しい研究トピックというものはほとんど存在しません。あなたが「おや?」と思った研究トピックは、必ず誰かが同じように「おや?」と思っているはずなのです。

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