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(132) 「やさしい心理統計学」の面接授業から考える実習授業の工夫とそのオンライン化

2021年4月27日(火)

放送大学高知学習センターの面接授業で「やさしい心理統計学」を開きました。2日間で90分8コマの授業です。15人が授業に参加して、14人が修了しました。コロナ感染者が拡大する中で、開催することができてよかったです。この授業は、昨年2020年度はコロナのため中止になったものです。

統計学は、心理学をはじめとして、さまざまな学問領域で必要なスキルです。最近ブームになっているデータサイエンスの土台でもあります。その重要さの一方で、学習過程でつまづいて、苦手意識を持ってしまう人も多い科目です。ですが、ひとたび統計学的なものの見方を身に付けておけば、これほど役に立つ学問もそうそうありません。ですので、統計学者になるのではなくて、自分の専門を極めていくためのツールとして身につけたいのです。私はそんなふうに思っています。

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授業は、向後・冨永『身につく入門統計学』(技術評論社, 2016)をテキストにして、最後の章をのぞいてすべての章を、Excelで実習しながら進めました。90分8コマの2日間の授業でこの本の内容をほぼマスターすることができることを確認しました。その過程で考えたことをメモしておこうと思います。

・具体的で切実なデータから実習をスタートする

この授業では、最初に参加者自身のデータをGoogle Formsのアンケートでとってから、そのデータを使いながら進めました。こうすることでよりリアルなデータを操作することになります。テキストでは架空のデータ、たとえば売り上げデータなど、を使って説明が進んでいきます。それに対して、自分の目の前にあって実際に分析をしなくてはならないデータを材料として使うことによって、より身につきやすくなることを狙っています。

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