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「みんなの前で話す技術」3本(2017年4月のnote記事より)

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今回は、2017年4月のnote記事から、「みんなの前で話す技術」3本をまとめてお届けします。

07 聞き手の目線で話す
08 質問は直接受けずに質問カードを使う
09 話の最小構造は「問題設定-主張-データ-結論」

07 聞き手の目線で話す

前回は「プロットを作り、原稿なしで話す」ということを言いました。今回は「聞き手の目線で話す」ということを言いたいと思います。

この連載では「話す技術」について書いていますが、本当は文章を書くことが私の仕事の中心です。ですから本心としては私の書いた書籍やWeb上の記事を読んでほしいのです。たぶん、皆さんが知りたいことはほとんどそこに書いてあるんじゃないかなと思います。また、そう思うからこそ時間を割いて文章を書くのです。

それにもかかわらず講演やワークショップをやるのはなぜかというと、書かれた文章以上のダイナミックなものがそこにあるからだと言えます。書いてきた原稿を読むだけではそれは起こりません。ですので前回「原稿なしで話す」ということを言ったのです。

ダイナミックなものは、聞き手と話し手の間で何か化学変化のようなものが起こって生じるものです。しかし、これはいつでも生じるものではありません。話し手が懸命に話しているのに聞き手は白けているということもよくあります。その一方で、聞き手と話し手が一体となって良い雰囲気が会場を満たすこともあります。

聞き手と話し手の一体感を作るためにどうしたらいいのでしょうか。それが「聞き手の目線で話す」ということです。これは比喩的なものではなく、とても具体的なことです。

もし演台があったら演台を外します。演台は話し手と聞き手を隔てる壁です。これを外すだけで、話し手と聞き手の距離が近くなります。演台を外すと原稿や資料を置く場所もなくなり、あなたは手ぶらで話さなくてはなりません。それは話し手にとっては不安なことかもしれませんが、それ以上に聞き手があなたを近くに感じるという良い効果があります。

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