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【アドラー心理学の原点】(17) 最終回:「人生の意味の心理学」を現代の社会に当てはめる

この連載も最終回となりました。連載の第1回目を次のような文章で始めました。


私は野田俊作先生からアドラー心理学を学びました。本格的に学び始めたのは2000年頃でした。野田先生との出会いはそれよりももっとさかのぼることになりますが、その期間を含めて野田先生からさまざまなことを学んだことはとても幸せなことであったと思います。

2000年頃から、ひとりの「学徒」としてアドラー心理学の勉強を進めて14年後に、2014年4月の早稲田大学エクステンションセンター中野校で、「アドラー心理学入門講座」を開講しました。その内容をまとめたものが、2014年12月に出版された私の初めての本である『アドラー実践講義』(技術評論社, 2014)でした。

2000年頃から2013年までは学徒としてアドラー心理学を野田先生から学んでいた期間でした。


アドラー心理学を学びつつ、アドラー心理学研究会を立ち上げて、有志とアドラー心理学の研究をスタートさせました。そして、2012年の日本教育心理学会総会でアドラー心理学のポスター発表をしました。このことが私が自分自身に勇気を与えてくれたと思っています。「アドラー心理学を堂々と研究していこう」と。

下記はそのときのブログです。

教育心理学会総会@琉球大学でアドラー心理学の発表をしてきました

「教育心理学におけるアドラー心理学の適用に関する考察」というタイトルでポスター発表をしてきました。データのない、いわばPR発表でしたが、たくさんの人に話を聞いてもらい、うれしかったです。

傾向としては、ベテランの人は「アドラーね。昔聞いたことがある」と言い、若い人は(会場校の琉球大生も含んで)「アドラーって、なんとなく興味があります」と言ってきます。私も説明しながら、現代にアドラーの思想を活かしていくためのいろいろなアイデアが浮かんできました。

まずはアドラーが提案した「人生の意味の心理学」を現代の社会に当てはめること(人間はそう変わりませんが、社会はずいぶん変わりました)。そうした上で、よく生きること(well-being)ひいては、しあわせに生きる方法を提案し、実践によって広めていくこと。それと並行して科学的なデータも積み重ねていくことです。

2012年の日本教育心理学会総会でのポスター

(2012-11-26)


これが私のアドラー心理学研究のスタート地点となりました。

【完】

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