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6. 自分の現場の問題を社会に還元できる研究にする

前回は、自分の現場の中で、問題だと感じているこの問題は、一体どういう問題なのかということを考え、観察していくことによって「What型の研究」を始めることができるということを書きました。

さて、このように現場の中で問題だと感じたことに目をつけることで研究がスタートします。そうすると、「え? 自分の現場の問題を取り上げることで、それを "研究" と呼んでいいのですか?」と考える人がいるでしょう。つまり、自分の現場の問題は、そこそこ特殊なものであって、それを研究したとしても、それを他の現場に「一般化」することはすぐにはできないのではないかということです。そして、それを研究と呼べるのかどうかということです。

研究の目的は、問題が起こっている現場を改善することがまず第一です。さらに、問題とその解決策がわかったら、それを研究の成果を知識として社会に還元することも研究の目的のひとつです。ですから、まず自分の現場の問題に限定して研究をスタートすることができます

ではその成果を一般化するのはどうかということになります。研究成果を社会に還元するためには、特定の現場だけに通用する解決法だけではなく、それを一般化した知識にする必要があります。まさに、それが、その現場に限定された工夫にとどまるか、あるいは社会に還元できる研究になるかどうかの分岐点となります。現場で行われた研究を、一般化した知識にする作業が、論文を書くということです

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普通の大人が「研究」のようなことを始めると、大人の人生は楽しく、意味のあるものになるかもしれない。そういう人たちが増えていくと、社会は全体…

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