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(009) おとなの研究コースをふりかえる:研究のコアスキルとその先

2017年から「ちはる塾おとな学部」という試みを続けています。生涯学習の時代に対応した大人のための学び場を作ろうとしているものです。その中で、おとなの研究コースというオンラインコースを開いています。オンラインコースですので、ビデオの視聴と課題のやりとりで進めていきます。シーズンが終わるたびに研究発表会を開催して、そこまでの研究成果を発表する機会を設けています。

先日、研究発表会である「おとなの研究会」を開催しました。今回で6回目となります。研究発表が終わったあとで、私の方から「おとなの研究コースのこれまでとこれから」と題して話題提供をしました。その内容は「(005) 卒業研究はスキルの総合力がなければ完成しない:9つのコアスキル」の記事で書いた「研究のための9つのコアスキル」を中心としたものでした。

そのあと、発表者と参加者全員で簡単なグループワークをしました。話し合いのトピックは「研究でどこが大変だったか。それをどのように乗り越えたか」ということです。

【ポイント】
・仲間ができると続けられる。
・研究や論文のゴールとしての具体的な形が提示されるといい。
・正解がないところで進んでいくのでファシリテーションが難しい。

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ホワイトボードに各人の意見をメモしたものが下の画像です。区分けしてあるのは全部の意見が出てから暫定的に分類してみたものです。ここから研究を続けていくためにキーとなるようなことが見出せそうです。

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仲間ができると続けられる。

1つ目は仲間ができると続けられるということです。参加者の一人一人は離れたところにいて、オンラインでコースを進めていきます。ですので、基本的には孤独です。しかし、Facebookのクローズドグループなどで交流を深めていくことが続ける力になるようです。おとなの研究コースで使っているシステムはGoogle Classroomです。そこでも交流はできますけれども、気軽な交流にはFacebookのようなSNSの方がいいようです。

研究や論文のゴールとしての具体的な形が提示されるといい。

コースでは2週間ごとに課題が出されます。1シーズンが終わると、コンパクトな研究報告の形でまとめることが要求されます。その報告は各人でテーマが違いますので、それによりバリエーションがあります。そこでゴールとしての具体的な例示があればやりやすいという声がありました。

とはいえ、これも諸刃の剣です。例示の研究報告を出すと、それに引きずられるリスクもあるでしょう。しかし、あくまでも例示ということで使ってもらうのであれば問題はなさそうです。

正解がないところで進んでいくのでファシリテーションが難しい。

研究には正解がありません。ですので、練習問題も作りづらいのです。いつでも本番であり、正解がないところで進めて行かなくてはなりません。そのときにファシリテーターがアドバイスが助けになりますので、それは素直に聞いてほしいと思います。しかし、ファシリテーターも正解を知っているわけでありません。そういう関係の中で、どのように研究を進めていけばいいのかということを共同で考えていこうとする姿勢が大切かなと考えています。

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次は7期生を募集するというところまで続けてきました。参加する方も苦難の道ですけれども、このサービスを提供するこちらとしても考えるところ大です。それだけにやりがいがあるものとも言えます。さらによいサービスにしていきたいと考えています。

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