6-注目記事2

【注目記事】コモンズの視点/英語による高等教育/外国語副作用/大学400万円の価値

土曜日は「注目記事とヒント」を書いています。Facebookでシェアした記事を取り上げて感想やコメントを書きます。

154 アメフト問題の中に無形のコモンズを巡る葛藤を見る
155 英語の講義増加でオランダ語が消滅? 国内の大学に危機感
156 英語を使うとき、あなたは頭が悪くなる〜「外国語副作用」という難題
157 大学400万円の価値

154 アメフト問題の中に無形のコモンズを巡る葛藤を見る

コモンズが平等にみんなのものであるという「幻想」に執着し、コモンズの隙間をかいくぐり個別のネゴシエーションに引きずり落とすことができる「大人」になろうとしない世代が生まれつつあるのを感じて、その代表として宮川選手を「脱皮」させようとした。/これは「老害」と呼ばれる問題に多く見られる象徴的な構図だと私には思える。
http://d.hatena.ne.jp/essa/20180601/p1

コモンズが閉ざされていれば、その中でのネゴシエーションも可能になる。しかし、それはそもそもコモンズではない。コモンズは開かれている共有地だからこそコモンズだからだ。

インターネットの時代では、コモンズの中で起きていることはすべて公開されるようになった。今までは、中の人だけのネゴシエーションにおいて、それをどううまくやるかが「大人」の基準だった。しかし、もはやそれは適切ではない。「大人」の基準は、どのようにしてコモンズを守り、育てていくかという視点を持つことに変わった。

その視点を持てる人と過去の基準しかない人との差が明示された。

155 英語の講義増加でオランダ語が消滅? 国内の大学に危機感

アムステルダム大学(University of Amsterdam)の哲学教授でもあるフェルブルッヘ氏はAFPの取材に「オランダの大学は欧州各国との留学生争奪戦で生き残るため、英語での講義を設けざるを得ない状況だ」と述べ、そうした状況を民族を滅ぼす大量殺害を意味する「ジェノサイド」に例え、「われわれは『ランギサイド(languicide、言語の大量殺害)』を目の当たりにしている」と語った。また、オランダ語という「少数言語が消し去られようとしている」と訴えた上で、「われわれは欧州の全ての言語や文化を守っていかねばならない。だが、オランダの学生はもはや自身の母語を使いこなせていない状況だ」と嘆いた。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180603-00000031-jij_afp-int

母語人口の多い言語を見てみる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ネイティブスピーカーの数が多い言語の一覧

1. 中国語(13.7億人)
2. 英語(5.3億人)
3. ヒンディー語(4.9億人)
4. スペイン語(4.2億人)
5. アラビア語(2.3億人)
……
9. 日本語(1.3億人)
……
47. オランダ語(1700万人)

この数字を見ると、オランダ語が消えるという危機感もわかる。高等教育レベルの授業を母語でできる国というのはそんなに多くない。それをコモンズとして守り、自分たちの言語を鍛えていくという考え方を持つ必要がある。

156 英語を使うとき、あなたは頭が悪くなる〜「外国語副作用」という難題

外国語副作用は、「外国語が難しい」ということではない。その難しい外国語を使っている最中には、いわば、そのしわ寄せで、「思考力が低下した状態になる」という現象なのである。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55679

ここから先は

643字
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

ご愛読ありがとうございます。もしお気に召しましたらマガジン「ちはるのファーストコンタクト」をご購読ください(月500円)。また、メンバーシップではマガジン購読に加え、掲示板に短い記事を投稿していますのでお得です(月300円)。記事は一週間は全文無料公開しています。