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016 [おとなの学び] 上手な教わり方をする人は上達が速い

「上手な教わり方」ってあるのでしょうか。おそらくあるでしょう。同じ先生についてグループで学んでいる人たちにも、上達の速い人とそうでない人がいます。それは、元々の能力の違いというよりも、先生について何かを学ぼうとするときのその人の「姿勢」の違いによるところが大きいように見えます。

学ぶときのどんな姿勢が「上手な教わり方」になるのでしょうか。それについて考えてみたいと思います。もし上手な教わり方があるのだとすれば、それを若いときから身につけておくことで生涯を通して役に立つでしょうし、すでに若くない人たちもそれを学ぶことでそれ以降の自分の人生をより豊かにできるでしょう。

■上手に教わるための2つの姿勢

私は、よく「上手な教え方」について話しています。あるとき「上手な教え方というものがあるのなら、上手な教わり方というものもあるのではないか」という質問がありました。この質問者の言う通り、教える仕事をしていると、教えやすい人と教えにくい人がいることを感じます。

教えやすい人とは、教えていてこちらが楽しくなり、教えがいを感じるような相手です。反対に、教えにくい人とは、教えていて楽しくない相手です。その場合は、相手も上達しませんし、その原因が自分の教え方にあるのではないかと考えて教え手が意気消沈することもあります。

もちろん、教え手としては、ベストを尽くして良い教え方をしようとしています。しかし、相手によって、うまくいく場合と、うまくいかない場合があります。そうすると、教え手の教え方だけの問題ではなくて、教え手と学び手の組み合わせの問題であるということになります。

ここでは学び手に注目してみましょう。教わり方のうまい、へたがあるとすれば、それはどういうことなのでしょうか。

教わり方のうまい人というのは、次のような特徴を持っています。まず1つ目は次のことです。

(1) 何かを教えてもらうことについて素直である

教えてくれる人に対して素直じゃない人がいます。「こうしてみてください、こう考えてみてください」という指示に対して、そうしない人がいるのですね。不思議です。できない、というわけではなくて、そうしたくないというのです。もしそうなら、その人から教わるのはやめた方がいいと思います。でも、そうはしないのですね。これは教え手からみると困ってしまうケースです。

逆に言えば、教え手に対して素直にその指示に従うことができるという資質は上手な学び手として重要です。やってみて、やはりこれはだめだ、自分には合わないというのであれば、教え手にそう言えばいいと思います。でも、そのためには一通り受け入れて自分でやってみなくてはなりません。言われたことを素直に受け入れるということは、上手な学び手の第一の資質と言えるでしょう。

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