6-注目記事2

【注目記事】スマホ依存は自制心の発達に影響しない/学習スタイルの合致は問題ではない/イライラを抑える5つの方法

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130 スマホ依存は自制心の発達に影響しない

韓国の10代若者2,064人に対する2010年から2016年にかけての調査によると、「スマホを持たないで出かけると不安を感じる」「スマホなしでは生きられない」というような質問で測定されるスマホへの依存度は、同時点での自制心と低いレベルでの相関があった。しかし、1年後の自制心を低めるような効果はなく、さらに3年後の自制心の発達にも影響しないことがわかった。
http://www.psypost.org/2018/04/study-smartphones-dont-cause-long-term-harm-levels-self-control-teens-51016

このように同一の調査対象者に対して、期間を置いて何度か同じ調査をすることをパネル調査と呼びます。パネル調査でわかることは、長期的な変化であることはもちろんですが、もっと重要なことは、因果関係の方向が特定できることです。

この調査のケースでは、「スマホ依存によって自制心が低くなる」のか、あるいは「自制心が低い人がスマホ依存になるのか」のどちらが確からしいのかという判定ができます。この2つは同じように見えますが、因果の方向が逆です。今回の研究で「スマホ依存によって自制心が低くなる」わけではないということが明らかになったので、「自制心を高めるためには若者のスマホの使用を制限しよう」という方針や施策は根拠の乏しいものとなります。

この調査を行なった研究者は、この調査は自制心という点に焦点化しているので、スマホの過剰な使用が、健康や攻撃性にどのような影響を与えるかまでは言及できないとしています。また韓国での調査という制約もあります。こういった制約や条件が明示されることも、科学的研究の条件です。

131 学習スタイルの合致は問題ではない

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