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ちはるのファーストコンタクト(2017年1〜3月)

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ファーストコンタクトは相互理解への第一歩。このマガジンでは、私が考えていることの第一歩をできるだけそのままの形で公開していきたいと思います。話題は、アドラー心理学、教える技術、研…
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#読んだ本

【本】C. ファデル、M. ビアリック、B. トリリング『21世紀の学習者と教育の4つの次元』→これから何がどう教えられるべきかのビジョンを与えてくれる

2017年3月30日 木曜日はお勧めの本を紹介しています。 ■要約21世紀の子どもたちが学ぶべきものは次の4つである。 ・知識 (knowledge):何を知り、何を理解しているか ・スキル (skills):知識をどのように使うか【創造性、批判的思考、コミュニケーション、協働】 ・人間性 (character):どのようにふるまい、世界とどのように関わるか【動機づけ、レジリエンス、社会・情動的知性、シチズンシップ】 ・メタ学習 (meta-learning):どのよう

【本】ジョナサン・ハイト『社会はなぜ左と右にわかれるのか 対立を超えるための道徳心理学』→道徳心理学の進展から社会と政治と宗教を見る本としてお勧め

2017年2月23日 (木曜日はお勧めの本を紹介しています) ■要約道徳心理学(Moral Psychology)を知ることで、人間の営為の中でもっとも重要であり論争の対象となる、政治と宗教について新しい見方ができるようになるだろう。 (1) 道徳心理学の第一原理「まず直観、それから戦略的思考」。道徳的な直観はすばやく自動的に起こる。そのあとに起こる道徳的な思考は、戦略的にでっちあげられた正当化であることが多い。自分の意見に賛成しない人は愚かで、偏見に満ち、非合理である

【本】サウル・カーライナー『研修プログラム開発の基本』 :人の前に立って何かを伝える機会がある人すべてにお勧め

(木曜日はお勧めの本を紹介しています) サウル・カーライナー『研修プログラム開発の基本』(ヒューマンバリュー, 2013) ■要約人々のパフォーマンスを高めるためのトレーニングをデザインするための基本的な考え方と方法を伝授する。研修プログラムや授業を計画・担当している人はまずこの本の内容をマスターすべきスタンダードである。教えるのが仕事でなくても、人の前に立って何かを伝える機会がある人はこの本を読んでおくといいだろう。 ■ポイント成人が学習をうまく進めていくためには、次

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【本】リッチ・カールガード『グレートカンパニー』

2017年1月20日 (木曜日はお勧めの本を紹介しています) リッチ・カールガード『グレートカンパニー』(ダイヤモンド社, 2015) ■要約会社が存続し続けるためには、戦略とハードエッジとソフトエッジの3側面で優位に立つ必要がある。システムとプロセスであるハードエッジは『イノベーションのジレンマ』で示されたように、優位性は長くは続かない。人間らしい価値としなやかさであるソフトエッジが鍵である。ソフトエッジとは、信頼、知性、チーム、テイスト、ストーリーである。 ■ポイ

【本】唐木元『新しい文章力の教室』

■要約いきなり書き始めてはいけないよ。何について書くか、どれくらい書くか、どの順番で書くかの見当をつけてから書こう。あとは言葉づかいのクオリティをあげるためのコツを教えます。 ■感想私自身も、文章を書くための本として『200字の法則 伝わる文章を書く技術』(永岡書店, 2014)を出しています。この本は文章の構造パターンを習得して、わかりやすい文章を書けるようにします。それに対して、唐木さんの本はアイデア出しと表現技法を習得して、伝わる文章が書けるようになります。 という

【本】ちきりん『マーケット感覚を身につけよう』

2017年1月6日 ■要約論理的思考とマーケット感覚の両者を身につけることがこれから大切だよ! ■ポイントマーケット感覚とは、「価値とは何か」ということを見抜くこと。マネタイズは後から付いてくる。たとえば、書店は、本を売るということが価値なのではなくて、その人向けの本を選べる場所になっているということが価値だ。だから、その価値を伸ばしていけば、生き残る。 プライシングは、相場ではなく、自分の価値基準を作ること。マーケットの中の誰に売れば高く売れるかということを考える。

【本】ちきりん『自分のアタマで考えよう』

2017年1月5日 ■要約考えるとは、要素に分解して、その組み合わせを考えること、そして比較すること。 ■個人的な展開個人的には「仕事の4分類」が面白かった。同じ部門や職種であっても、この4つの仕事があって、お互いに全く違っているということ。 1. 成長の仕事 (典型例)ベンチャー立ち上げ 2. 支援の仕事 (典型例)会計士、コンサルティング 3. 維持運営の仕事 (典型例)公務員、大企業 4. 再生の仕事 (典型例)事業再生、買収 このアイデアは、ちきりんオリジナル

【本】松丘啓司『人事評価はもういらない 成果主義人事の限界』 (+教育への示唆)

2017年1月3日 ■要約No rating(ABCで評価しない)が広まるよ。年度単位の評価ではなく、リアルタイム評価でコラボレーションを促進することで会社全体のパフォーマンスを上げるんだ。 ■核心部分社員のパフォーマンスは正規分布(2:6:2)しない。それはABCで評価するからそうなるだけ。実際は、大部分のローパフォーマーとわずかなハイパフォーマーが8:2(パレート分布)でいるだけだ。それを業績評価で切り分ければ、大部分の社員はやる気を失うだけだ。 そうではなく、ロー

【本】リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット『ライフ・シフト』

2017年1月2日 リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット『ライフ・シフト 100年時代の人生戦略』(東洋経済, 2016) ■要約寿命が延び続けるため、「教育→仕事→引退」の3ステージモデルは過去のものとなる。そこで、新しい生き方のモデルを考えたよ。 ■核心部分見えない資産に注目しよう。それは次の三つ。  1. 生産性資産:仕事の生産性を高めて所得を増やすもの。    ・スキルと知識:教育は投資である。    ・仲間:自分のまわりにどんな人がいるかが重要。同じ志

【本】結城浩『数学文章作法基礎編』:分かりやすい文章を書くための基本

結城浩『数学文章作法基礎編』(ちくま学芸文庫, 2013) 【要約】理系の文章に限らず、分かりやすい文章を書くための技術が書かれている。 その一例。 1. 変化させる  ・抽象的な話をしたら、具体例を挙げる。  ・具体的な話をしたら、まとめる。  ・文章が続いたら、図・グラフ・表を出す。 2. 短文化する  ・……が、〜〜     →   ……。しかし、〜〜  ・……であり、〜〜   →   ……。また、〜〜  ・……だから、〜〜   →   ……。よって、〜〜  ・

【本】ちきりん『自分の時間を取り戻そう』

ちきりん『自分の時間を取り戻そう』(ダイヤモンド社, 2016) 【要約】生産性を上げよう! これからは生産性が物差しになる。生産性とは、成果を投入資源(人員、土地、時間)で割ったもの。学校もテレビも、かけた時間に対して成果が小さすぎるので生産性が低い。その意味では、動画よりもテキストの方が生産性が高い。 チームプロジェクトの生産性はまだこれからの課題だ。 ポイントは、  ・過度に民主的にしないで、意思決定プロセスを決める  ・こまめにアウトプットして、やる気を維持する