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ちはるのファーストコンタクト(2019年)

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2019年に書かれた(書かれる)「ちはるのファーストコンタクト」のすべての記事が読めます。300本以上あります。月額購読するよりも割安になっています。
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#研究すること

【研究】13 個性記述的アプローチはその人にとっての「意味」を明らかにする

水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。 前回は、ひとつのケースを細かく調べて記述していくという「個性記述的アプローチ (idiographic approach) 」について説明しました。それに対して、たくさんのケースを調べて一般的な法則を明らかにしようとする「法則定立的アプローチ (nomothetic approach) 」があります。 ■ 個性記述的アプローチと法則定立的アプローチの違いを、口調理論に当てはめて説明してくれませんか。 □ 口調理論というの

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【研究】12 ひとつのケースを詳しく調べる個性記述的アプローチ

水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。 前回は、ひとつのケースで因果関係がありそうだとわかったら、それを拡張して他の多くのケースでも因果関係がありそうかどうかを調べることに進むことを説明しました。そうすると理論を一般化することができます。 ■ ひとつのケースでの研究は、拡張して、全体としてどうかを調べるという研究に必ず進むことになるのですか。 □ いいえ、必ずしもそうではありません。ひとつのケースを細かく調べて記述していくという研究の方向はあります。これを「個

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【研究】11 ひとつのケースを拡張して全体としてどうかを調べる

水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。 前回は、便利な理論を作り出すことが研究のゴールだということをいいました。便利な理論というのは、次に起こることを予測できる理論だということです。こういう状況で、こういうことをすると、こういうことが起こるということがわかれば、それは便利な知識として共有することができます。このような知識を作り出すことが研究のゴールです。 ■ そうすると「命令口調」で子どもに言うよりも、「信頼口調」で言った方がやるべきことをしてくれるかもしれま

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【研究】10 便利な理論を作り出すのが研究の目標

水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。 前回は、変数を抽象化してみるということについて考えました。子どもへの声がけを考えると「早くしたくして」の方は「急かす口調」です。反対に「待っててあげるから」は「任せる口調」です。このように声がけの口調を変数とすれば、それは急かす口調と任せる口調の値をとるということです。 ■ 「早くしたくして」の方は「急かす口調」、反対に「待っててあげるから」は「任せる口調」なんですね。 □ そうです。それが抽象化です。 ■ 待ってくださ

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【研究】09 変数を抽象化する

水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。 前回は、データを取ったらまずグラフ化して、一目みて違いがあるかどうかを判断してみるといいことを言いました。もしその違いが微妙であるときは統計学の力を借りる必要があります。少ないデータから何かを引き出したいときに統計学を道具として使うといいのです。 今回は、変数を抽象化してみるということについて考えてみます。 ■ 「早く宿題やって」といういつもの声がけを「待っててあげるから」に変えてみて、もし宿題をやる回数が多くなれば、

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【2018年まとめ記事】研究すること

水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。 2018年も「ちはるのファーストコンタクト」をご愛読いただき、ありがとうございました。年末年始特集として2018年のまとめ記事を載せていきます。 今回お届けするのは「研究すること」として2018年9〜10月に連載したものです。 01 研究のプロセスにあなた自身が表現される 02 リサーチ・クエスチョン。その前のクリニカル・クエスチョン。 03 良いリサーチ・クエスチョンの要件 “FINER” 04 おもしろい研究とは何

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