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ちはるのファーストコンタクト

ファーストコンタクトは相互理解への第一歩。このマガジンでは、私が考えていることの第一歩をできるだけそのままの形で公開していきたいと思います。話題は、アドラー心理学、教える技術、研… もっと読む
毎週月曜と金曜にブログを書いています。それ以外の曜日では、過去記事の切り抜き、質問受け付け、本の紹… もっと詳しく
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2016年12月の記事一覧

反転授業の設計と実践(Part 5 完結)

2016年12月31日 ■質疑応答司会 それでは、向後先生、あと、ご参加いただいた先生方、ありがとうございました。これから10分ほど質疑応答があります。せっかくの機会ですし、このような、まさに発表、プレゼン、われわれが学生に促しているものを体験してみて、そこから活用できないかと考える機会ですので、先生のほうから、まずフロアのほうに、何かご質問など、何かあれば投げかけていただいても結構ですし、フリーでも結構かと思いますが、どちらがよろしいでしょうか。 向後 では、フリーでお

反転授業の設計と実践(Part 4)

2016年12月31日 ■グループワーク「グループワーク形式を使うとしたら」 ではここで、2回めのグループワークにいきたいと思います。「もし、皆さんが自分の授業の中でグループワークの形式を使うとしたら、どのようなものにしたいですか」ということを考えていただいて、先ほどと同じように、シェアしていきたいと思います。次は、ブルーのポストイットです。では、2分間で考えをまとめていただいて、書いてください。 向後 はい、どうもありがとうございました。それでは、またサイコロを振ってい

反転授業の設計と実践(Part 3)

2016年12月31日 ■グループワークの設計 以上のように、eラーニングは非常に可能性があります。そうすると、eラーニングに任せることができる部分がどんどん増えてくると思います。その一方で、では教室の中でどのようにするのかという話になってくると思います。  次はグループワークです。実習系の授業やパソコンの実習はもともとグループワークを使っていると思いますが、そうではない座学として設定されたような授業でも、グループワークを作っていくことを考えたいと思います。ポイントは、グ

反転授業の設計と実践(Part 1)

2016年12月29日 反転授業の設計と実践  ……学習効果を高める授業設計の工夫……向後 皆さん、こんにちは。早稲田大学の向後です。よろしくお願いします。今日は反転授業のお話をしていきたいと思います。 ■反転授業とはどんな授業か 「反転授業」というのはどのようなことかという話ですが、今までは対面授業をやってから宿題を出すという形でした。皆さんも宿題を出されるかもしれません。しかし、大抵の学生は、宿題をやりません。それならば宿題はやめよう、と。  そうでなく、あらかじめ

【本】結城浩『数学文章作法基礎編』:分かりやすい文章を書くための基本

結城浩『数学文章作法基礎編』(ちくま学芸文庫, 2013) 【要約】理系の文章に限らず、分かりやすい文章を書くための技術が書かれている。 その一例。 1. 変化させる  ・抽象的な話をしたら、具体例を挙げる。  ・具体的な話をしたら、まとめる。  ・文章が続いたら、図・グラフ・表を出す。 2. 短文化する  ・……が、〜〜     →   ……。しかし、〜〜  ・……であり、〜〜   →   ……。また、〜〜  ・……だから、〜〜   →   ……。よって、〜〜  ・

文章を読んでもらうのに、お金を払っていただくということを始めてみると、これは良いシステムだなということに気づきました。

このマガジンを買っていただいた人が10人となりました。うれしいですね。このうれしさは、本を書いて、出版して、それを買ってもらうというのとはまた別のうれしさです。 読者と直接つながっている感覚が新鮮なのです。たとえば、講演会やワークショップをやると、何千円かを払っていただいて、聴きに来てくれる方々がいるわけですが、そういう人と会場で直接顔を会わせて話しているという感覚に近いものがあります。 文章を読んでもらうのに、お金を払っていただくということが、最初はちょっと抵抗がありま

欠点よりも美徳を探す

「相手のできていないところではなく、できているところを探そう」 「相手の欠点ではなく、長所を見つけよう」 「相手の弱点ではなく、強みを探そう」 というようなワークはいろいろなところで行われているわけですが、わざわざこういうワークをしなければならないのは、「私たちは、どういうわけか、他人の欠点や弱点に敏感である」ということなのだと思います。 ですから「他人の長所や強みに敏感になる」という訓練をしなければならないわけですね。その訓練が実れば、相手を尊敬し、信頼し、協力関係を作

メッセージとコンテンツという区分が大切な理由

「相手を怒らせてしまうメール」というWeb記事を読んだのだけど、確かにそういうメールを書く人はいますね。 で、そういう怒りを買うメールを書かないようにするには、どうすればいいのかという話になるわけですが、それは簡単です。短いメールを書けばいいのですね。 メールでは議論をしない。これはメッセージでも、Facebookなどのコメント欄でもそう。そういうところでは議論をしない。なぜならば、そういうツールは議論のために作られていないからです。もし議論を始めると、泥沼化するか、両者

【本】ちきりん『自分の時間を取り戻そう』

ちきりん『自分の時間を取り戻そう』(ダイヤモンド社, 2016) 【要約】生産性を上げよう! これからは生産性が物差しになる。生産性とは、成果を投入資源(人員、土地、時間)で割ったもの。学校もテレビも、かけた時間に対して成果が小さすぎるので生産性が低い。その意味では、動画よりもテキストの方が生産性が高い。 チームプロジェクトの生産性はまだこれからの課題だ。 ポイントは、  ・過度に民主的にしないで、意思決定プロセスを決める  ・こまめにアウトプットして、やる気を維持する

早期回想を自分で読み解けば、自分を勇気づける力になります。

先週の12月23日(金・祝)に産業カウンセラー協会神奈川支部で「アドラー心理学発展講座:早期回想と私的感覚」を6時間のプログラムとして開きました。このプログラムとしては、初公開でしたので、手探りするところもありましたが、受講生からは好評を得ました。 その翌日に、受講生の一人からメールが来ました。自分の早期回想を3つ書いてみて、講座のときにはよくわからなかったけれども、その夜、布団の中でぼんやり考えていたら、「ああ、そういうことだったのか」ということに気づいたのだそうです。

ラップにハマる

最近ラップにハマっていて、iTunesでいいものを見つけては聞いている。こんな感じのP.O.P。 これから、SALUもすごくいい。 私は本当に集中するとき以外は、BGM鳴らしっぱなしのスタイルなんですが、ラップは言葉が入るので(当たり前)、なかなかBGMとしては使いづらい。ところが、上にあげた二人はBGMでいけるんですね。 私のラップ体験の原型は、Eminemですね。映画「エイト・マイル」は衝撃でした。 でも、暗くて、力入りすぎていて、何回も聴けない。 その次は、映

庭園で大切なのは静寂

庭園で大切なのは静寂なのだそうだ。 いくら素晴らしい庭園であっても、人がたくさんいて、ざわざわしていては、台無しである。 静寂は庭園に必要だが、静寂のある庭園はなかなか少ない。 静寂のある庭園なら、一日中でも過ごせそうな気がする。

【動画あり】リサーチクエスチョンをどのように立てればいいかという話をしました。

日本教育工学会の研究会が、福井県の仁愛女子短期大学にて開かれました。 SIG-ID(インストラクショナルデザイン)からはワークショップを提供しました。私は最初の15分で「より良い実践研究のために」と題して、リサーチクエスチョンをどのように立てればいいかという話をしました。 そのときのビデオは下記のYoutubeから視聴できます。限定公開ですので、どうぞ。

大学に「おとな学部」を作りたい。

妄想ではあるけれども、大学に「おとな学部」を作りたい。「こども学部」はもうすでにいくつかの大学にできているので、名前としてはおかしくないだろう。 おとな学部に入学できる人は、30歳以上。働いた経験がある人、あるいは現在働いている人が対象だ。だから「おとな学部」。働きながら勉強や研究ができるように、単位はすべてeラーニングで取れる、早稲田のeスクール形式だ。必要に応じてスクーリングで集まることもできる。 なんでも学ぶことのできる総合的なものにする。eラーニングなので、教授は