もう動物は飼わないと決めていたけれど④
相変わらず庭ではボス猫ゴンと隣のコミケが仲睦まじくゴロゴロしている。
うちの子になったミケちゃんは気にする風でもなく特に外にも出たがらない。
それにしてもボロボロだったミケちゃん。きちんと躾がされていて人間の言葉も理解する。絶対根っからの野良ではない。だからこそストレスによる瞬膜の症状も出てたのだから。
おっとりとしたその佇まいから「おばあちゃんと静かに暮らしてたのかもね〜」なんて半分冗談半分本気で言っていた。
うちに馴染みつつあるのは嬉しいけど飼い主さんもしかして心配してるのでは?と言う気持ちが時々よぎる。
飼い主さん探してたらどうしよう‥。
そんな時、偶然に本当に偶然に事の経緯がわかる出来事があった。
お隣のIさんと町内の用事でご近所をまわった時に後ろからIさんを呼び止める声がする。
Iさんは猫好きでよく知られている。私も迷い猫のミケちゃんのことも話してある。
Iさんにその方は「聞きたいことがあるんだけど。この辺りで大きな雌の三毛猫を見なかったかい?」
「あ。ミケちゃんのことだ」瞬間察した私とIさん。
聞けばその人のお隣のおばあさんの飼い猫だったミケちゃん。数年前おばあさんは亡くなりその後、その人が餌を与えていたと言うこと。ただご家族の入院、本人の入院と長く家が留守になってしまったとのこと。
ミケちゃんはおばあさん亡き後ももとの家を離れなかった。その家も取り壊され餌をくれた人たちも留守が続きまさしく露頭に迷ってしまったんだな。
でも探してると言うことは引き取るということだろうか。
もううちに置いとくわけにはいかないということだろうか。と頭の中がグルグル混乱。
でもそこでIさんが
「その猫だったら大丈夫!いまちゃんと暮らしてるから心配いらない」と言ってくれた。
「だったら良かった。また留守にしなくてはならないから」と安心したように少し寂しそうにその人はつぶやいた。
やっぱりミケちゃん、そういう経緯だったんだ。育った環境がよくわかる雰囲気を纏っているものね。それは大事に大事におばあさんは飼っていたそう。ハーネスをつけてお話ししながらお散歩もしていたそう。
なんだからホッとしたと同時にそんな箱入りのミケちゃんの波乱の猫生?を思うとますますちゃんとお世話しなくてはと思ったのだった。
続きます。
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