成猫の味わい深さ
迷い猫のミケさんと暮らし始めて5年目の夏。
相変わらず二階の部屋でひっそりと1日の大半を過ごしている。気が向くと下に降りてきて外を眺めたりピッタリ人に寄り添ってみたり付かず離れず。ここまではウチに来た当初から変わらない生活。
元々飼い猫だったので人との暮らし方もよく分かっていて悪戯もせず大人しく適度に甘えてきて穏やかに日々過ごしていた。
が、ここ半年ほど何となく変わって来た。そうミケちゃんは己の要求をキチンと伝えるようになった。先程も適当に寛いでいたけれど私は席を立って台所仕事を始めた。
するとタッタッタッとやって来て真っ直ぐに顔を見てずっと何かを訴えてる。明らかに要求してる。
「どうしてそっちに急に行くの?二階から降りて来てまったりしたらブラシでシュッシュッしなくちゃダメでしょう!スマホ見ながらじゃなくてキチンと力入れてやって!」
おそらく(いや絶対)こんな内容のことを訴えている。
「はいはい。これでシュッシュッですね?」
とブラシを持ちゼスチャーすると「ニャオニャオ(そうそう)」と言いながらソファーで待機。
ブラッシングされながら毛繕いをしつつ、ブラシして欲しいところを自分から寄せてくるのが最近のスタイル。
一通り満足するとプイッと素早く二階に上がってしまう。良きにはからえって調子。
やれやれと思いながらもやっと4年かけて信頼を得たのだなぁと感慨深い。
抱っこなども以前は渋々されてる感はあった。今は絶対嫌!それでもされちゃうとものすごい速さで「嫌だっていってるでしょうーー!」と全身で訴えながら二階へ猛ダッシュ。
単にわがままになったのではない。怒っているのでもない。気持ちを解放してるという感じかな。相変わらず爪は立てないし悪戯もしない。
なんら問題なくウチに慣れて順調に暮らしていたと思っていたけれど遠慮や警戒感はどこか奥深いところに秘めていたのかも。
きょうもミケちゃんは好きな場所で好きなだけで寝て甘えてご飯食べている。去年までは夏に体調を壊してお医者さんのお世話になっていたけれど今年はすこぶる元気。今までで1番元気なミケちゃんの気がする。
4年かかったけれど
お互いの信頼関係が徐々に構築される喜び。
生まれたての可愛い仔猫から飼うのも勿論素晴らしく魅力的だけれど、訳ありの(笑)中年の猫ちゃんと暮らし始めるのもとても楽しく味わい深い。
次のステップにはどんなミケちゃんの一面が見られるか新たな楽しみに向け、私は今日もせっせとブラッシングに励んでいる。
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