メランポスの涙

森をかけめぐる
枝がからみつく
日の分だけ傷が増えてく

それでも あなたに会いたい

まるではじめて来たような森の恐怖
ぼくは仲間とさがし続ける

いつだってあなたがいたから
生きてこられた
指示のない森は、獲物なんて存在しない

幾日、幾日がたった

霞んだ目で獲物を発見した
何故か微動だにしないそれに向かって
仲間たちは襲いかかる

ああ、何故ぼくは気づけなかった

その獲物の瞳は、あなたのものだったのに

止めの一声がかすんで届かない

それなのに
なぜあなたは


そらを見上げると冬の大三角
そのひとつに僕がいる
あなたを救えなかった証がある

ゴメイサ、僕の涙の名前

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