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自主休校を決めた家族が取り組んできた自宅学習の環境構築ノウハウ

2020年4月6日から、青森県では学校再開されました。その中、私たちは自主休校という決断を。なぜそう考えたのか、そのために何をしてきたのか。同じ葛藤を持っている方に少しでもヒントがあればとまとめてみました。

※この記事は2020年4月7日に執筆をスタートしました

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はじめに

新型コロナウィルスの脅威が日本中に広がっていく中、それまで家族で「もしかしたら・・・」と最悪のシナリオを話し合って行動してきました。

家族で気をつけようねと1月末から意識したものの、2月いっぱいは例年とそう変わらない過ごし方をしてきました。

ただ、外出制限や運輸停止など最悪の事態が起きたらどうしよう?と、東日本大震災の頃を振り返りつつ、今との違いやできることを話し合ってはいました。

本格的に切り替えをスタートしたのは、学校の一斉臨時休業が始まったタイミングです。我が家では3月1日から、自宅学習のチャレンジがスタートしました。

約1ヶ月ほどで自宅学習が習慣化したところ、4月6日に学校再開というタイミングが訪れました。

自分たちの近くでコロナウィルス感染が出たり、自治体によって判断が異なったりする中、このまま学校に行かせていいものか悩んでいました。

家族会議の結果、何より命を最優先しようという考えが一致しました。結果、自主休校という決断に。1ヶ月間、積み上げてきたことは大きかったと思います。

時系列は逆になりますが、まず直近の自主休校について経緯をまとめています。その後、自主休校に踏み切る根拠となった自宅学習の環境構築で気づいたこと、実践したことをまとめています。

どうして自主休校に決めたのか?

「いのちだいじに作戦」として、外出の自粛は、家族全員で学校休業から取り組んでいました。決定打となったのは、自分たちが住む近隣でコロナウィルス感染者が出てしまったためです。

大館市の報道発表
https://www.city.odate.lg.jp/uploads/public/emergency_0000005186_00/%E4%BB%A4%E5%92%8C%EF%BC%92%E5%B9%B4%EF%BC%94%E6%9C%88%EF%BC%92%E6%97%A5_%E5%A0%B1%E9%81%93%E7%99%BA%E8%A1%A8%E8%B3%87%E6%96%99.pdf

弘前大学の報道発表
https://www.hirosaki-u.ac.jp/wordpress2014/wp-content/uploads/2020/04/20200403_covid.pdf

それまで外出を自粛する中、義母は地元で居酒屋を経営しておりました。県内外から世代を問わず愛されるお店で、正直どういったお客様が来るかはわかりません。まして営業期間内かつ近場のできごとで、私たちも生活範囲が重複していますし、義母との接触はありました。誰も感染していないと証明することはできませんので、もし自分が感染者になっているとしたら・・・?

この件で不安が高まる中、家族で話し合って、義母の店は休業の決断をしました。

またみんなで集まって楽しい時間を過ごせる日を心待ちに。

ウィルスを肉眼で見ることはできません。物と金があったとしても、人が動かなければ生活が成り立たない業態も多数です。

どこからが過剰で、どこまでが適切なのか。それは誰も答えを持ち合わせていません。自分たちの外からの決定を待つより、自分たちで考え、判断して、行動しよう。文字通り家族一丸となって生き抜くことを優先としました。

教育委員会は配慮すると言ってくれていた

4月6日に始業式。学校再開が迫る中、休校期間を伸ばす自治体もあり、緊急事態宣言が出るかというタイミング、この先も展開が読めない日々が続くだろうと思っていました。

教育委員会からは、臨時休業に入る直前に、休校する場合でも相談してくれれば、学校の判断で配慮すると知らされていました。

青森県の教育委員会
https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kyoiku/e-seisaku/files/kyouiku_message.pdf

どういう結果になるかはわからないけど、まずは相談してみようと思えたのも、この選択肢を提示しておいてくれたからだと思います。

かといって、ただ休ませてくださいとだけ言うより、自宅でも学習には取り組んでいるという事実があれば、相談された側も対応しやすいでしょう。

臨時休業に入る時点で、記録を残しつつ学習に取り組む環境を作っていくという前提にした理由はここにもあります。

娘の選択と両親の選択が一致した

4月5日に家族会議を開きました。翌日から学校が始まります。初日なので約1時間程度と短時間です。ですが、かなりの人数が集まることは容易に想像できます。

この日まで、娘には何回か学校が始まったら行きたい?と聞いてきました。「行きたい!クラス替えあるし、担任の先生もかわるし、どうなるか楽しみ!」という回答でした。

最初に同じ質問をしたところ、同じ回答でした。両親の意見は反対です。かといって「ダメなものはダメ。危ない。」で強制することは避けたいと考えています。

私たちは古川家という家族ユニットとして活動してきており、様々な取り組みに娘も参加してきています。なぜこういう考え方で、生き方で、どういう取り組み方をしているのか。

すべて理解は難しいかもしれないですが、すべて説明してきています。それこそ、ことあるごとに何度も何度も。

娘の意見を尊重したい。けれども自分たちは命を優先したい。ママ(義母のこと)が店を休むことにした理由、学校に集まれば感染が広がるリスク、自分たちが感染を広げる側に回る可能性、誰にでも起こりうること、洗いざらいを話しました。

その上で、娘には今日1日で考えてもらって、結論を聞かせて欲しいと伝えました。

娘が出した結論は「みんなが辛い思いするようなことにしたくないから、学校には行かないことにする。」でした。自分なりに考えて、耐えて、思いやって出してくれた結論に親としては驚きました。尊い・・・

やっぱり学校には行きたい!明日だけでも!と言うと思っていたのです。娘が生まれて10年になろうかという月日です。自分たちなりに、どういう思考で、どういう感情を持つか理解できているつもりでした。

親が思うより、娘はもっと成長していました。嬉しい反面、切なくもありました。

どうやって学校から承諾を得たのか?

登校日の前日に、日曜日なのでどうかなと思いつつ電話してみると、教頭が応じてくれました。

事情と経緯を伝えたところ、自主休校はまったく問題ないとの回答。こういったケースもすでに想定して動いているようでした。

配布物などがあることを確認し、当日に新担任から電話をもらって、そこで今後の調整ということで一旦終了。

当日、新担任から連絡をいただいて、父1名で学校へ伺って教科書をはじめとした配布物の受け取りということに。

学校では、校長・教頭・新担任と4名で面談。ここも三密といえばそうなのですが、できるだけ手短に。

1ヶ月間の学習状況を持参しての面談

自宅学習で、娘の学習状況はすべてiPad上に記録してあります。自分で立てた毎日のスケジュール、休業前に学校から出ていた宿題など。

家の中ではおとぼけキャラなのですが、学校では「しっかりもの」という評価に、親ながらも「え・・・?」と思いつつ、どういう取り組みをしたか共有しました。

休校はもちろん大丈夫です。と全面的に支援してもらえる回答をいただきました。学習状況はすばらしい!すごい!という感じで、むしろ内容について興味津々らしく、すべては無理でしたが伝えられる範囲と分かっている課題について共有を。

現場の人間である教師も人の親です。同じく不安を抱えながらも、どうやって学習環境を作るかについても心配だし、知りたいことだらけだと。

後述しますが、うちはスタディサプリにしましたと伝えました。CMで見ていたりと存在を知っているようですが、選択肢も様々です。なぜスタディサプリにしたか簡易的に説明はしましたが全部は無理でした。

定期的に親だけ報告と教材の受け渡しに

まず健康で元気に暮らせている様子の共有も大事ですし、まだ紙ベースである部分ばかりです。なので、週1回程度で父が学校へ様子を知らせるのと、配布物などのやりとりを行うことにしました。

学校のPCは教育委員会から配布されているもので、自由にカスタマイズできません。なので、すぐにオンラインでなんでもとはできませんし、長時間滞在してあれこれ対策するのも本末転倒です。

短い時間ですが、訪問のたびに少しずつ改善策を取り入れていければと考えています。

事前に必要なものは?

インターネット回線(できれば光回線で容量無制限)

オンライン学習を始めるにあたって、とにもかくにもインターネット回線が必要です。

一戸建てか、アパート・マンションのような集合住宅なのか、建物の形状によって月額の費用や回線速度への影響が変わってきます。

なぜ光回線を推奨するかというと、オンライン学習サービスは基本的に動画など高速なインターネット回線を用意できている前提で構築されています。

Youtubeなどで動画視聴をすることは、おそらく多くの方にとって日常になっているでしょう。一般家庭でもっとも通信容量を消費する行為は動画のはずです。

ストレスなく動画を視聴するには、それなりにインターネット回線の速度、容量による制限がない状態が望ましいのです。

携帯電話回線はすぐに限界がきてしまう

主要キャリアでスマートフォンを購入しており、固定のインターネット回線は持っていないという方も多いと思います。

ざっと確認すると、最大で50〜60GB/月という容量が主流。

動画は大きな容量を使います。動画の品質によって変わっては来るのですが、おおよそ1時間で1GB〜2GBが目安です。

授業の動画が1本1時間とすると、学習以外にも使っている通信量を考えれば、大した容量が残っていないことはわかります。

また、短時間で大きな容量を使うと通信制限がかかってしまうことも。何かトラブルや急に通信環境が必要となった場合、制限のせいで対応が遅れたりしては大変なことです。

携帯電話回線は温存して、住宅の固定回線利用がメインなのはそういう面も考慮しています。

Wi-Fi

住宅構造や大きさは家庭によって様々です。場所を自由にできるという点で、やはり無線接続できる環境は便利です。

特に現在のPC・タブレット・スマートフォンは無線接続が前提となっています。

無線だと電波の発信元からの距離が重要だったりと、いくつかの課題はあるのですが圧倒的に便利です。

うちの場合は、PCとタブレット併用かつ無線ですが、特に問題ありません。

クレジットカード

インターネットを通じて継続的に利用されるサービスは、月額制が主流です。毎月の自動引き落としをしつつ、すぐに契約スタートできるのはクレジットカード決済です。

その他には、ドコモ・au・ソフトバンクの契約者であればキャリア結成を利用できます。支払いを現金で行う場合はコンビニ決済となります。

外出時のケアを考えると、クレジットカード決済が万能ではあります。

導入した機材・サービス・アプリ

Macbook(ノートPCのこと。タブレットがなければ必須)

古川家はApple製品を中心に利用していますが、Windowsの環境も問題ありません。

ノートPCかタブレット(スマートフォン)のどちらかがあれば、オンライン授業を受けることができます。

後に具体的な学習環境は説明しますが、授業のメモはタブレットで行っているため、動画の閲覧用にノートPCを使用しています。

iPad(タブレットのこと。PCがなければ必須)

ノートPC、スマートフォンがない場合は、タブレットで授業を見ることになります。古川家の場合は、授業のメモをタブレット用のアプリで行っています。

メモは紙のノートでも、もちろん大丈夫です。

タッチペン(必須ではない)

今回、1番トラブルが多かった機材の一つです。古川家ではiPad Proを使っているのですが、純正タッチペンが故障して正常に動作しなくなっていました。

iPadは発売年によって性能が大きく異なるため、純正であっても対応しているモデルの範囲が異なります。いわゆるサードパーティーと呼ばれる別会社の商品を使用する場合は、持っているモデルに対応しているかが重要です。

iPad Proが古め(といっても3年前)なのと、新しいモデルが販売されて各メーカー新モデル対応で既存商品を刷新したため、なかなかフィットするものが見つかりませんでした。

最終的にはこれというものが見つかりましたが、妥協すべき点も多々あります。

iCloud Drive(必須ではない)

クラウドストレージと呼ばれる類のサービスです。インターネットを通じて、複数の端末間でデータを同期する仕組みです。

例えば、iPhoneで書いたメモや撮影した写真が、自宅に置いてあるiPadに同期されてすぐ利用できる状態になったりします。

iCloud DriveはApple製品専用のクラウドストレージです。古川家では思い出の写真や動画は、すべて複数バックアップを取っていて、iCloud Driveにも保存しています。

Apple製品の購入者は無料で利用できます。AndroidだとGoogleドライブ、WindowsだとOne Driveなどが同類です。

ただ、無料枠だと使える容量に限度があります。大きい容量は月額費用を払っての利用となります。

iCloud Driveは無料ですと5GBまで利用できます。

今回のオンライン授業で使用しているテキストは、サービス元が提供している電子版のデータです。4年生から6年生までの全データを保存しても300MB程度と、制限には程遠い容量でした。

このiCloud Driveに必要なものを全部置いておけば、後述のノートアプリ(Good Notes)から閲覧・書き込みができます。

タブレットでアプリを起動して、ノートPCで授業の動画を見ながら、タブレットではテキストのデータを出しておきます。

タッチペンでテキストに書きこみながら授業を受けるスタイルとしました。冒頭の画像ですね。

こうすることで、父が使用しているデスクトップPCからもタブレットで書き込んだ内容をみることができます。

異なる端末間でファイルの受け渡しとデータの共有という一挙両得を実現することができます。

スタディサプリ(必須)

オンライン学習サービスは選択肢がとても多く、どれにするべきか決めることは難しいと感じました。

学習方式も様々なのですが、大まかに3つの視点で比較していました。

1. 専用端末が必要かどうか
2. 受けられる授業の範囲はどうなっているか
3. 契約プランはどうなっているか

古川家ではスタディサプリに決定しました。理由は後述します。

GoodNotes(必須ではない)

メモ帳・ノートアプリと呼ばれるジャンルで、これまた選択肢が多数あります。

一時期、父が自分で使っていたのもあって使用感は知っていました。その当時も片っ端から購入して比較して、GoodNotesに落ち着いた経緯があります。

1. PDFを取り込めること
2. iCloud Driveに対応していること
3. 手書きの操作性が高いこと

こちらも理由は後述しますが、比較検討の視点は上記の3つです。特に2つめ、iCloud Driveに対応していることは重要でした。

GoodNotesはMac版も提供されています。MacからテキストのPDFなどをiCloud Driveを通じて送ることができるだけでなく、娘がGoodNotesで書いた内容をすぐに確認することができます。

例えば、メールで届く学習状況のレポートから気づいたことがあったり、今はどんな状況なのかな?と気になれば、自分が作業している環境から確認できます。

確認のためだけに、わざわざiPadを持ってきてもらう必要もありません。

初期投資はどのぐらい必要?

動画を閲覧できる環境は、PC・タブレット・スマートフォンいずれかが主流と思います。スマートフォンはすでに持っているというケースが多いでしょう。タブレットかPCであれば、大きな画面で視聴することができます。

購入時の参考費用は以下の通りです。

iPad Pro 12.9インチ(タブレット) 5〜10万
新品ですと、10万〜とかなり高額です。純正のタッチペンやキーボードも一緒に買うと15万は必要になってきます。
整備済製品というものがあって、Apple認定の整備プロセスを経て品質が保証された新品同様の製品です。1年間の製品保証が付いています。こちらだと、古いモデルであれば値段がぐっと下がります。個人が販売する中古品より品質においても確実です。
https://www.apple.com/jp/shop/product/FQDC2J/A/129%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%81ipad-pro-wi-fi-64gb-%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%BC-%E7%AC%AC2%E4%B8%96%E4%BB%A3-%E6%95%B4%E5%82%99%E6%B8%88%E8%A3%BD%E5%93%81

ノートPC 10万〜
iPad Proと同じく、整備済製品という手段はあります。ですが、一般的にはWindowsが主流と思います。
WordやExcelといったOffice製品が付属しつつ、動画閲覧なども耐えられる新しいもの・・・10万ぐらい投資できれば、長く使えるし性能もかなり高くなります。
すでにノートPCをお持ちで、動画閲覧して特に問題なさそうであれば、そのままで良いと思います。

GoodNotes 960円
アプリは基本的に買い切りが多いです。アップグレードの場合に料金が発生する場合もあります。

維持費はどのぐらい?

スタディサプリ 1,980円/月
月額制で、これの他にテキスト冊子が別途で1,200円(税別、送料込)となっています。

インターネット回線 約5,000円前後/月
固定回線か携帯電話回線かによりますが、おそらく回線利用料の大体はこのぐらいと思います。

元々インターネット回線を利用されている場合は、スタディサプリの利用料しか発生しないはずです。

スタディサプリに決めた理由

繰り返しになりますが、オンライン学習サービスを決定するにあたって、3つの視点で比較しました。

1. 専用端末が必要かどうか
2. 受けられる授業の範囲はどうなっているか
3. 契約プランはどうなっているか

それぞれについて、どのように判断したかをまとめていきます。

専用端末が不要だとすぐに開始できる

クレジットカード決済を勧めた理由でも触れましたが、契約してすぐに利用開始できるものと考えていました。

専用端末(主にタブレット)を貸し出すタイプだと、確かに学習者も楽しみつつ利用できそうで、魅力的に見えます。

ですが、契約前に資料請求が必要だったり、契約しても端末が届くまでに期間を要しました。

その点、スタディサプリは動画視聴タイプでPCやタブレットといった端末にあまり左右されない方式で、すぐに利用開始できます。

幸い、学校の一斉臨時休業で各社無料お試しなど積極的にチャレンジできる状態だったのも助かりました。

機材を新規で買うというのは大変なので、元々あるものを生かせる方が良いですね。

受けられる授業の範囲を学習者が選べる

学校での授業は指導要領や年間計画に沿って行われるため、学習スピードの個別調整が困難です。

古川家としては、前の学年の復習だろうと、次の学年の先取りだろうと、自分でペースコントロールできることが重要だと考えていました。

各サービスを比較すると、基本的に学習者の年齢や学年で利用できる授業の範囲が決まります。言い換えれば「契約した学年の授業以外は利用できない」という方式でもありました。

スタディサプリは、現在の学年に合わせた授業を「おすすめ」として表示します。ですが、一度契約してしまえばすべての授業にアクセスすることが可能です。

小学生でありながら、大学受験や公務員対策なども見ようと思えば見られます。

学習範囲が自由である、という点が決め手となりました。その後も比較検討はしましたが、この時点でもう父の中ではスタディアプリ一択でしたね。

シンプルな料金体系とボリュームのバランスが大事

年齢や学年で学習範囲を決められる方式ですと、他の教科や学年も並行して利用したい場合に、その単位で追加料金となっていきます。

あれよあれよというまに月額1万円近い価格となります。この辺は学習塾と似ていますね。

スタディサプリは月額が約2,000円で、すべての授業にアクセスできます。

料金は格安だと思います。その上で圧倒的ボリューム。コストパフォーマンスが良すぎて目を疑うレベルです。ただ、安かろう良かろうではなく、学習者との相性もあります。

スタディサプリは、黒板を使った授業を見せるという方式です。担当の先生が黒板に書きながら説明すること約15分。

1本の動画が15分ほどに収まるよう作られています。そして、各教科ごとに「入門編」が用意してあります。

そこでは、学習の進め方、テキストの使い方、授業への取り組み方などが説明されます。

最初に選択したのは理科だったのですが、寝っ転がってもなんでも、どんな体勢でもいいから、何回も動画を見てね!と先生が説明してくれます。強制感を減らしつつ、学習意欲を大切にしようという意図がとても伝わりました。

娘は学校の授業でそれほど苦労していない状況だったのと、年長の頃から学研に通っていて、座学や宿題に抵抗がありません。

そういった習慣づくりが前提にあるので、今までと劇的に違う学習スタイルより、普段の学校と近い方が良いのではと考えました。

いざ元に戻ったとして、これまでとあまりに差があると「あっちが良かった」と不満を持ってしまうかもしれません。今までに近く、これからにも戻りやすいという点は重要でした。

スタディアプリにして良かったこと

テキストが紙・データ・冊子と選べる

授業の動画を見ようとすると、テキストのダウンロードができます。各教科ごとに1冊で、PDF形式になっています。

ダウンロードしてしまえば印刷もできますが、数百ページなので家庭用プリンターでは大変かもしれません。

古川家では、PDFのままアプリと併用して利用という形式にしました。

冊子版は有料で購入となります。1冊あたり、税抜き・送料込みで1,200円です。この辺が格安のサービス料を回収するポイントにもなっているのでしょうね。

学習状況をメールで知らせてくれる

例えば小学生5年の算数(基礎)だと、全部で30章以上というボリュームです。1章あたり2〜4本の動画で構成されています。

一通りの動画を終えると、練習問題にチャレンジできます。理解度の確認ですね。

どの授業を受けて、視聴時間がどのぐらいで、確認テストはどのぐらい正答できたかが、毎日メールで届きます。

確認問題は間違っても、その場で直して正解にすることができます。お知らせで届くのは、最初に回答した時の正答率なので「直す前にどのぐらいできたか」を知ることができます。

それと1週間のレポートも届きます。今のところ、1日に3コマ(3つの教科)を学ぶペースにしています。

利用開始した時点では4年生だったので、操作練習がてら4年生の授業を受けていました。

1週間ほどすると5年生の授業が増え始め、2週間たつと5年生の授業だけになっていました。その間、学習ペースについてはこちらから何も指示していません。

レポートから状況だけは知っていて、なるほどねーと思っていました。

どの教科を選んでいたかは知っているので、最近は算数どう?なんて聞いてみると「今さー・・・」という感じで色々と教えてくれます。

それにしても。この時の成績はずいぶんと優秀ですね・・・

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GoodNotesに決めた理由

こちらも3つの視点で判断しました。

1. PDFを取り込めること
2. iCloud Driveに対応していること
3. 手書きの操作性が高いこと

どの条件も満たしているアプリは他にもあります。決め手となったのは、比較検討を始める時には考えていなかった「デスクトップ版がある」という点です。

この条件が追加されるとほぼ選択肢がなくなります。父がデスクワーカーなのと、よく使っていた頃になかったものなので、早速GoodNotesのデスクトップ版を試してみました。

過去にGoodNotesで作っていたデータも移行できて、同期もできて、すぐ閲覧・編集ができてと申し分ありませんでした。

すぐにGoodNotesを組み込んだ環境構築へと着手。

やはり元々ある資産を流用できる点は強いと思います。ただ、これは職業柄といいますか、手書きだったものをデータ化したりする仕事に日頃から携わっているからできるし、気になるのだと思います。

元から管理してきたデータがあるのか?そのデータはどういう形式なのか?流用できる余地はあるのか?変換が必要なのか?これらはすべて利用される人によって背景が異なります。

お仕事にするなら、家庭それぞれの環境をヒアリングして・・・という段取りになるのですが、すぐには無理でしょう。

紙のノートを使わない理由

紙のノートが一般的だと思います。どちらかというと、今後の練習も兼ねてという側面があります。

タブレット学習が主流になっていくだろうことから、デジタル特有の操作感やメリット・デメリットを体験しておいてもらいたいと考えました。

最終的には自分と同じくPCをメインにできるようになってもらえればと願っていますが、指による直感的な操作性はタブレットほどに今はなりません。

さらに言えば、紙のような自由度もタブレットは劣ります。

強みはやはり、何度でもやりなおせる手軽さ、スペースをとらないことでしょう。

紙であれば、一度でも書き込んでしまえば、鉛筆なら消しゴムが必要ですし、途中からの編集などが難しい。

まして数百ページのテキストを数冊保持となれば、重さもスペースもそれなりです。充電しなくてはいけないという点はありますが、現在のタブレットはどれも稼働時間がとても長く、丸一日の学習に耐えられます。

動画を見るとなると、稼働時間が短くなるので充電しながらになると思います。

家庭では電源の位置で学習場所を左右される面もありますので、延長ケーブルなどが必要かもしれません。

配線が生活導線の邪魔にならないようにとかはまた別の工夫なので、ここでは省略します。

自宅学習中のトラブルは?

最初は操作そのものが楽しかったり、普段と違う先生の授業で新鮮味があって楽しそうです。

ただ、難しいのは以下の点を実施できるかどうかです。

  • ・毎日の習慣に組み込まれていく意識づけ
    ・学習スタイルの見直し、アップデート
    ・成果や疑問について話し合う時間をとる

自分で毎日のスケジュールを立ててもらう

気をつけたのは、なるべく自分で考えて決めていくことです。最初だけ一緒に取り組んで、大体の方針や作り方を提示します。

あとは自分で試して見てもらって、チェックの頻度を調整していきました。

GoodNotesに書いてもらったスケジュールとその変化です。日付もあるので、観察日記みたいで意外とおもしろいですね。

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1日目は決まり事や進め方、道具の扱いについてレクチャー

新しい環境になるので、触っているだけで楽しいものです。ですが、充電したり、アプリ操作で気をつけることなどを教えていると結構な時間がかかります。

初日から学習スタートは難しいと思うので、1〜2日は保護者も一緒に使って、授業の動画も1つぐらい一緒に見たりが良いと思います。

自分が習った授業と変わったこと、変わらないことなど発見がたくさんあって意外と楽しめます。あと、自分の知識って結構うろ覚えだなと(笑)

また、今後の進め方を話す時に必ず伝えたほうがよいこととして「途中で方法が変わるかもしれない」「相談しながら進めよう」の2点があります。

保護者が先生の立場になりますが、誰しもミスや見通しの甘さはあります。だから間違うことは悪くない、途中で変えていい方法を探していこうという姿勢の共有が大事です。決まり事のように捉えれば「なんで!?」みたいな不満も出にくくなるでしょう。

相談しながら進めようというのは「主役はあなたです」と伝える意味です。もちろん保護者のサポートは欠かせないのですが、思い通りに進めること、成果を出させることが目的ではありません。

学習は暮らしの一部で、自分から取り組むことという意識づけが必要です。学習は自分のことだと自覚があるとないとでは大違いだと思います。

自覚がないと「授業がおもしろくないから」「いつも同じで飽きるから」と、自分ではなく外部に責任転嫁してしまいます。

勉強しなくても死にはしません。なぜ学ぶことが必要なのか、なぜ自分で考えて行動することが大事なのか。

気をつけなければならないのは、保護者がこれらについて自分なりの結論を持った上で学習者と向き合うことです。

その結論に正解はありません。

私が思う結論、相手が思う結論、それぞれを出しあって確認しあって成長しあう関係づくりのきっかけになれば、十分すぎるものです。

最初の1週間は操作の壁を越える時期

アプリ側でペンの種類や色を変更したり、やり直しなどの基本操作を伝えると、最初はその通りに試してから、すぐに自己流を始めると思います。

合間に観察したりすると、非効率的な方法をとっていることもありますが、それ自体を楽しんでいる場合があるので「こうすればいいのに」と口を挟みすぎないことです。ただ、非効率な方法が悪影響を出していると思ったら、なるべく合理的な方法を教えてあげて「それでしばらく試してみて」と伝えます。

あとは紙と同じ感覚で「こういうことができるはずなのに、できない」と言ってくることがあります。自分で解決方法がわかる場合は、教えればいいだけですが、自分でもわからない場合は解決方法を一緒に探すと良いです。

Google検索、Youtube検索でほぼ解決することが多いのですが、探す過程を共有すると「ついでの学習」が発生します。また、同じ解決法を見て試すと、解釈や気づきが違ったりして、それも互いに発見となります。

ずっと最初から最後まで一緒に過ごすのではなく、こういったイベント的な体験や試行の共有が効果的です。

最初のうちは1日の終わりに「使ってみて、どうだった?」と感想を求めてみて、楽しそうに色々としゃべってくれたら、まずはOKだと思います。

操作の疑問、明日はどう試してみるかなど本人の口から話してもらえれば、保護者側も明日はどう動こうかイメージしやすくなります。

2週目に慣れてサボり出したら軌道修正

タッチペンの手配に時間がかかってしまったので、最初の1週間は指でスケジュールを書いてもらっていました。

指でも困らない操作性ですが、狭いスペースに多くの文字を書くことは困難です。

GoodNotesは拡大鏡ツールがあって、ノートを拡大して狭いスペースに書き込むことが難しくありません。その使い方と利便性はわかっているんでしょうけど、めんどくさくなったんでしょうね(笑)

iPad Proの12.9インチはA4ノートなみのサイズなので、まだスペースに余裕があるほうです。画面が小さいモデルになる程、書き込めるスペースも少なく見えます。

3月16日の内容をみると、めんどくさいのピークですねこれは(笑)

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学習スタイルの見直し、アップデートのタイミングが来たということでしょう。ここで雷が落ちます。

直して、変えて、と指示するだけでは本人のやる気をなくさせてしまいます。

まずは経緯と基準の確認から。ここで日々の記録が役に立ちます。このあたり(3月16日)から、あまり良いと思えない使い方になっているけど、自分でこの方法が良いと思っているからなの?と。否定的な意図はさすがに察します。

「指だと細かく書けないからこっちが良い」と回答してきました。

タッチペンがまだ届かないこと、届くまでは指でという約束だったこと、タッチペンなしの対策があったことを確認してから中身へ。

狭いところに書く方法は拡大鏡があって、こっちが便利だし自分も使いやすいと言ってたよね?ペンも太くしてるから、書きづらいのはなおさら。途中で太さを変えて戻さなかったのは自分がしたことだし。本当のところは、そういうのが重なったし、慣れてきたしで、めんどうになってきたからじゃないの?と。

すると、本人もそうだと。慣れてくるし、わかっていたことではあります。じゃあ、自分で気付けるなら自分次第だよねと精神論の展開も可能です。

自分を律する精神は大事だと思います。ただ、使いづらさがめんどくさい感覚を強くしてしまうんだと、父の経験を伝えました。この考え方は職業柄なのかもしれません。

ペンの太さを細くする、拡大鏡を使えば小さく書ける。あと、初日に行を揃える重要さも伝えていたので、それも確認。ドット方眼がなぜ便利かも教えたけど覚えてる?と。(父はドット方眼のノートを好んで使います。手書きが壊滅的に下手くそなので・・・)

本人いわく、その説明は覚えているとのこと。

ここで初めて精神面を踏まえた話をスタートします。誰だって、めんどくさいと思う気持ちはある。その気持ちに負けにくくするために、道具や環境を整えていくんだ、と。スケジュールの記録を残してきたのは、おかしいなと思った時にすぐ確認できるようにするため。

初めてのことができないのは問題ない。がんばって覚えるしかない。でも、最初にできてたことができなくなっていく、自分で直そうという意識が明らかに減っているのは良くない、と。

失敗なんてない。失敗のままにしておくから失敗で終わるんだ。自分から変わろうと直せば、失敗は経験と思い出に変わる。これはもう何度も聞いてるでしょ?と。この話は4歳あたりから、ずっとですね・・・。

本当はできる能力があるんだから、もう1回チャレンジしてみて。できたら持ってきてね、と戻しました。あっさり直してきました。ですよねー。

行が揃ってなかったけど、まぁ今じゃなくてもいいから、明日はもうちょっと自分で工夫してみて、で話は終了。マイナスをゼロに戻しただけなので、あんまり褒めません。ね、やっぱりできるでしょう?と。

1日の最後に翌日のスケジュールを立てるサイクルなのですが、直線を引く方法を見つけたんでしょうね。揃えるし区切るし、お願い以上の工夫をしてきてくれました。尊い・・・デレデレに褒めて、このスタイルが今のところスタンダードになっています。

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精度より工夫と持続力を評価する

確認テストの正答率などはレポートで見ています。正答率が悪い日もあります。結果だけ見ればそうなのですが、原因がわからないものを追及することは無責任です。

動画試聴時間を見ると、その時間が少なかった科目は正答率が下がります。自分ではわかっているからと、確認テストを先に行ったりしていたためでした。

順番は自由ですが、本人に正答率が低かった理由を考えてもらってもピンとこないようだったので、授業の動画を見ることを大切にしてと伝えました。

確認テストは、間違いを直して再回答すれば正解になります。それで全問正解の状態にできたことで、本人としては達成感と満足感があったようなのです。

ただ、どういうこと勉強したの?とふいに聞いてみると、えーーーっと・・・と説明に詰まっていたので、それは身についていない状態だよと。

見て、聞いて、書いて、説明できたら身についたと考えています。この辺も職業柄なところですけども。

動画試聴時間がのびて、正答率が明らかに上がりました。それまで60%台もザラだったのですが、80〜90%が多くなり、100%もよく出るように。レポート見たよ、すごいね。というと「でしょー!?」とドヤ顔。

自分で思いついた、人にアドバイスをもらったに関係なく、最終的に工夫を実践するのは本人です。行動として現れたことは喜ばしいですし、続けていることを何より評価するよう気をつけています。結果が伴うには時間がかかることもありますし。

結果より過程を重視すると、見守る側も平穏に感じます。娘はピアノコンクール参加など、何かしら優劣をつけなくてはいけない機会も経験しています。そういった経験は、誰しもあるのではないでしょうか?結果だけで見るのは、残酷な部分と明確な部分があります。

努力したから、工夫したから、必ず報われるとは限りません。ですが、報われた人には相応の努力が伴っています。保護者として、その努力という過程に気づける人間でいたいと思って、見守るよう努めています。

追加した新たな取り組みは?

自主休校を決めて学校と話し合ってきた結果をもとに、今はどういう状況なのか、学校ではどういう風に考えてくれているかを家族全員で改めて共有しました。

特殊な状況だけど、これがずっと続くわけではないこと(願い)、いつでも戻れる意識と工夫で暮らしていこうと。

学校からの配布物をみんなで確認して、色々とアイディアが出てきました。

今後も様々な気づきを取り入れながらアップデートしていきます。

今回掲載した内容のうち、具体的な操作方法など細かいところは、有料マガジンという形で公開するか検討しています。

申し遅れましたが、私はフリーランス・プログラマーとして13年目です。家庭に限らず、様々な企業にも業務と環境に合わせて、IT導入やシステム開発を行ってきました。

有料マガジンでは、家庭のIT学とでも申しましょうか、自宅にオンライン学習を導入するための準備など、お役に立てそうな情報を盛り込んでいきたいと考えています。

自宅学習を始めるにも、どこから手をつけて良いか悩んでいる人もいらっしゃると思います。

この記事は、ここ1ヶ月の過程を残したものです。どなたでも読める状態で今後も公開しておきます。使える箇所があれば、いいとこ取りしていただいて。ちょっとでもお役に立てれば幸いです。

古川家もこの危機を乗り越えるべくできることをしていきます。ただ、家族から笑顔が消えてしまっては辛いだけなので、制限がある中で楽しみを作りつつ暮らしていきます。

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