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法制審議会家族法制部会第33回会議議事録読む4~大石委員・杉山幹事・北村幹事・戒能委員

 2月になったね

注目

無戸籍も取り組んでいるけど

やっぱり共同親権

釣りもある

さて、議事録の続きも読んでいこう

○大石委員 

委員の大石です。ありがとうございます。私も法定養育費のただし書以降の部分について申し上げたいと思います。法定養育費が発生していてもずっと支払がなされなかったときがあった場合に、申立てがなされて、請求があったときから減額などが行われるのか、それとも離婚時に遡ってなのかというような御議論が今ありました。この点についてですが、受け取る側の生活の安定ということを考えますと、減額されるにしても早めに決定されることが望ましいですし、離婚時に遡って減額が可能というようなことになりますと、支払う側が請求があるまで引き延ばすというように、時期の調整をするいうことも考えられます。支払えない事態になっているのでしたら、早めにそのように申立てをしてもらった方が受け取る側のためにもなるのではないかというのが私の考えですので、減額をするのであれば、離婚時に遡ってではなくて、申立てを行ったときからでよいのではないかというのが私の考えです。
○大村部会長 ありがとうございます。大石委員からも、ただし書、それから(注2)に関わる問題かと思いますけれども、どの時点からかということについて今、幾つかの意見が出ておりますけれども、申立て時からというのがよいのではないかという御意見を頂戴いたしました。

まだまだ養育費の話

○杉山幹事 

 幹事の杉山です。これまで出された意見と重なっているところもあると思いますが、まず第3の1のところですが、(注1)に書かれている債務者の手続保障の問題、つまり、養育費等の請求権に先取特権を付与するに当たっては、執行手続における債務者の手続保障の観点から所要の整備をする必要があるとの考え方がある、という部分を本文に上げることも含めて、積極的に検討をしていく必要があると思っております。
 これも前にも申し上げたかと思いますが、事前に債務者審尋を導入するとか、あるいは事後的には執行抗告で足りるのかという問題もございます。そして、この問題は法定養育費の方でも尚更生じてくるはずでして、特に過去の不払部分をまとめて請求していくときに、既存の制度で手続保障が足りるのかという点も含めて検討する必要性もあり、また先ほどから指摘されています、額を変更する手続との関係といいますか、その手続にどうつないでいくのかも検討する必要性があると思っております。
 これは何回か前に御指摘があったと思いますが、先取特権にするとして、その順位については実体法的に雇用関係の先取特権の次にすることで問題がないのであればよいのですが、ただ、これも既に御指摘があったように、倒産手続における取扱いが問題となり、民事再生ならともかく、実際に問題なることはないかもしれませんが、破産手続の場合には優先的破産債権になり、手続内では当然には随時弁済までは認められませんが、それで足りるのかという点も検討する必要があると思います。
 三つ目の裁判手続における情報開示義務についてですが、調停事件も対象にする必要性自体は理解できる一方で、裁判所が開示を命ずることが手続的になじむのかやや気にはなりますが、審判と並んで、このような情報開示義務を入れることもよいとは思います。ただ、これも既に御指摘があったと思いますが、開示しなかった場合の制裁として、過料にするのか、あるいは過料では制裁として十分に機能しないので不利益な認定をすることを認めるのか議論されてきましたが、調停の場合に不利益認定という制裁がなじむのか、過料という制裁が本当に機能しないかは改めて考える必要があると思っています。
 最後の包括執行の対象の財産、これを給与債権に限定するかという問題については、実務上一番問題となり得る自営業者の取扱いをどうしたらいいのかという課題があるため、対象となる財産の範囲は広い方が望ましいと思う一方で、他方で実務上あまりにも複雑な制度を作って、機能しなくなるのも適当ではないと思いますので、対象財産を給与債権から始めて様子を見て徐々に改正で拡大していくという方向もあるとは考えられると思います。
 その場合には、定期的に対象を見直して拡大を検討していくとか、当分の間は債権者自身が自分で財産開示等の申立てができるように助言をするような運用をしていく必要があると思います。
○大村部会長 ありがとうございます。杉山幹事は1から4までそれぞれ御指摘いただいたのだろうと思いますけれども、3について、調停事件を入れることもあり得るけれども、制裁が問題になるということ、4について、給与債権に限るということから始めるということで、後で変えていけるのではないかということ、これは分かったのですけれども、1点目と2点目が音が少し途切れてしまって、どういうことだったのか必ずしも把握できていません。すみませんが、要点をもう一度お願いできますか。
○杉山幹事 申し訳ありません。1点目ですが、第3の1の(注1)にあるような債務者の手続保障を、養育費について通常の合意がある場合と法定養育費の場合の双方で検討する必要性があることと、あとは順位の点について、このままでも構わないけれども、倒産手続の取扱いがこのままで大丈夫なのか検討する必要性があるというところです。
○大村部会長 ありがとうございます。1について、手続保障について、法定の場合とそうでない場合と、双方について検討する必要があるということと、2について、順位は一応これでよいのかもしれないけれども、倒産手続を含めて更に検討する必要があるのではないかという御指摘ということで承りました。
 これですべて伺いましたでしょうか。この第3について、ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、第3について様々な御意見を頂戴いたしましたが、幾つか御意見、御指摘があったところがあったかと思います。一つは、養育費の終期の問題について、これは規定をどうするかということとは別に、その点をはっきりさせる必要があるのではないかという御指摘、それから、先ほどから御意見がある、法定養育費のただし書と(注2)について整理が必要なのではないかということ、そして第3の開示について、この範囲をどうするのかということを検討する必要があるのではないかということ、また、第4については、ゴシックの部分には直接出てこないのかもしれませんけれども、これも範囲の問題ですね、給与債権に限るのかどうかというところを更に考える必要があるのではないか、こうした点について主に御指摘を頂いたかと思います。基本的な考え方も含めて、その他の部分につきましては皆さん、おおむね賛成をしていただいたと受け止めさせていただきたいと思います。
 今ここで休んでしまうと少し早いので、第4の方に入らせていただきまして、それで、適当なところで休みを入れさせていただきたいと思います。
 第4につきましては、まず事務当局の方から御説明を頂くということになろうかと思いますので、よろしくお願いを致します。

執行のこともあれこれ言い尽くし、やっと養育費の話が終わる

○北村幹事

 事務当局でございます。部会資料32-1の5ページの第4では、親子交流に関する規律を取り上げています。
 このうちの「1 子と別居する親と当該子との交流」については、部会資料30-1のたたき台(1)から実質的な変更はありません。
 「2 裁判手続における親子交流の試行的実施」については、第31回会議における御議論を踏まえ、裁判所が親子交流の試行的実施を促すことができる手続の種類を拡張する修正をしております。
 また、前回会議や本日の会議の前半でも、養育費等の審判における情報開示義務に関して、夫婦関係調整調停事件においても裁判所が開示命令を発することができるようにすべきとの御意見がありましたけれども、情報開示義務についてそのような修正をするのであれば、親子交流の試行的実施についても同様に夫婦関係調整調停事件において活用することができるようにすべきであるかが問題になるように思われますので、その点についても御意見いただければと思います。
 第4の3は、部会資料30-1では【P】としていた論点について、親以外の第三者と子との交流に関する規律を提示しております。令和3年の最高裁決定では、父母以外の第三者が子との交流について定める旨の審判の申立てをすることができないと判断されました。この判断に対しては、祖父母等との交流の継続が子の利益に資するといえる事案があるとして、第三者からの申立てを許容すべきであるとの意見があります。他方で、父母以外の第三者に子との交流に関する申立権を付与することに対しては、子を多数の紛争に巻き込むことになりかねないという批判や、手続の相手方となる父母の応訴負担や濫訴防止の観点にも配慮する必要があるとの指摘もあります。そのため、父母以外の第三者が子との交流についての審判の申立てをすることができるようにするとしても、その申立権者の範囲や、こちらはゴシックの(注1)になりますけれども、その申立ての要件、ゴシックの(注2)になります、これをどのように設定するかが問題となってこようと思いますので、御意見を頂ければと思います。
○大村部会長 ありがとうございます。前の資料から変更があった点と、それから、特に御意見を頂戴したい点というところに重点を置いて御説明を頂いたかと思います。
 この第4について、どこからでも結構ですので、御発言を頂ければと思います。発言の際には、どこの部分についての御意見であるとおっしゃっていただけますと幸いです。どなたからでも結構ですので、挙手をしていただいて御発言を頂きたいと思っております。少し皆さんの御意見を伺ったところで一旦休憩して、また引き続き御意見を頂戴するということにさせていただきたいと思います。では、御発言の方をお願いいたします。

さて、親子交流

○戒能委員

 ありがとうございます。委員の戒能です。第4、親子交流に関する規律の2の裁判手続における親子交流の試行的実施と、それから3の親以外の第三者と子との交流に関する規律について、意見と、それから若干、こういうふうに修正したらどうかということをお話ししたいと思っております。
 それで、試行的実施について(1)、(2)、それに続いて四つ項目があるのですが、(1)と(2)について意見を申し述べたいと思っております。これは、補足説明の17ページの(注1)とか(注2)のところがとても大事だと思っております。それで、ゴシックの方の(1)では、子の心身の状態に照らして相当でないと認める事情がない場合であって、事実の調査のため必要があるときということなのですけれども、このときに、事実の調査をして、本案に参考にするという考え方だと思うのですけれども、1点目は、これは2(2)なのですが、必ずしも家裁の調査官その他第三者の立会いを最初から認める必要はないというような考え方になっていると読み取れます。しかし、それでいいのかどうかと、特に、調査官の立会いの有無自体を当事者に任せるということでいいのかどうかというのが1点、疑問に思っております。
 それで、子の心身の状態に照らして相当でないと認める事情がないという場合なのですけれども、それがどういう場合なのかということです。それと、もう一つは(2)の方では、これは立会いがない場合があり得るわけなのですが、子に有害な影響を及ぼす言動を禁止し、ということがありますけれども、この禁止はどうやって担保されるのだろうかと、善意に任せているのだろうかというふうなことで、何か仕組みを作らないと家裁が判断するまで時間が掛かるだろうと、即決というわけにもいかないと。そうすると、危惧するのは、そういう有害な言動が発せられてしまったときにこどもに影響を与えるだろうということなのです。禁止事項を遵守するという定めをしても、それを破った場合に、例えば直ちに親子交流の試行を中止するとか、二度とそういう試行もできなくするとか、何か担保する仕組みが必要ではないかと考えております。
 それからもう一つは、これは補足的資料の17ページの(注1)のところがとても大事だと、先ほど申し上げたとおりなのですけれども、子の利益という文言を用いていないということでしたが、これはやはり試行であっても子にとっては非常に大きな影響、負担を掛けるわけです。飽くまでも子の利益のためにやるのだということが条文上も明記される必要があるのではないかと考えております。
 もしゴシック体を修正するとするならば、これも例えばということで掲げられておりますが、これはほかの規律でも同様なのですが、DVがある事案において十分配慮しているという御意見もあったと記憶しておりますが、しかし、やはり先ほどオーストラリアの法改正の、非常に参考になるなと思ったのは、飽くまでも被害者の体験を重視して、それに基づいて現状を分析し改正をするというような、詳しくは是非法務省に資料として提供をしていただきたい。転換点に当たっているのに、日本がこういう状況で十分に子の利益が守れるかどうかということを、きちんとじっくりと検討してほしいと思っているのですが、こういうふうに規定するとしても、この(注1)に例えばというふうに置いておくだけではなく、きちんと民法上も、ドメスティック・バイオレンスや児童虐待など子の利益に反すると認められるような事情のような、子の心身の状態に照らして相当ではないというようなふうに限定付ける必要があると考えております。それが私の意見です。
 それからもう1点は、(注2)の子の意思です。子の意思の重要性ということで、子の意思の確認とか子の意思の尊重ということを、これもまた(注)に、しかも補足説明の(注)という位置ではなく、きちんと位置づけるべきだと考えております。
 それから、3の親以外なのですが、これは補足説明を非常に丁寧に詳しく書き込んでくださっているのですが、大変気になった文言があります。それは、20ページをお開きいただきたいのですが、こういうロジックでいいのかという点なのですが、20ページの3の少し上の段落、もっともというところから始まるところなのですが、いろいろ書いてあって、第三者による申立てを一切の例外なく否定することはうんぬんというところなのです。このロジックは、最初の段階で真摯な合意のときも使われたロジックなのです。こういうロジックでやるならば、限定的に、慎重に考えないといけないと思います。ということは、この場合、第三者の範囲も、補充性の要否とか、それから、特別の必要性があるかどうかという判断をきちんとすべきだということを21ページに書き込まれておりますけれども、その辺りを非常に厳格に考えて限定的に適用しない限りは、例えば父と母が亡くなったとか、重い病気だとか、そういう場合を除いては祖父母と会わせるということを規定するということには慎重にならざるを得ないと思っております。
 そのときに、やはり特別の必要性とか、補充性というところで、特に特別の必要性というところで、例えば、別居親が重い病気で申立てができないとか、そういう申立てを期待できない事情があるというときに、必要性の判断を同時にするわけなのですが、やはりここでDVなどで、相手方が夫とすると、夫との関係というのが直接的には問題になるのですが、実は夫の父と母との関係も問題になり得るわけです。あるいは実際に問題になっているわけです。そうすると、ここでは良好な関係にあるという限定ですよね、敵対的な関係にないということを条件にしなければ、これは子にとって、子の利益にならないような影響を与えるのではないかと。それから、同時にここでも、年齢にもよりますけれども、子の意思の確認とか尊重というのがあって初めて、こういう第三者との交流が認められるべきだと考えております。
 以上でございます。ありがとうございました。
○大村部会長 ありがとうございます。戒能委員からは、第4の2と3について御意見を頂きました。2の方について、ゴシックの修正にわたる部分としてはといった御発言がありましたので、その点について確認をさせていただきたいと思います。子の利益という文言を明示すべきではないか、これはゴシックのレベルで明示すべきだという御発言があったのではないかと思います。それとの関連で、DVについて考慮するということも書き込んでほしいという御要望だったかと思います。併せて、子の意思についても御発言がその後にあったかと思いますが、これはゴシックに何か書くべしという御趣旨の御発言だったのでしょうか。

ポイントがよくわからないが、この方から語り出す

○戒能委員

 可能だったら書き込んだ方がいいとは思うのですけれども、ただ、いろいろな条件がありますので、少しそこは考慮したいと思っております。
○大村部会長 分かりました。それから、その前に、このゴシックとの関係で、立会いを必須とする必要があるのではないかということ、それから禁止の担保が必要ではないかということをおっしゃったかと思うのですけれども、禁止の担保はこの文言の外で考えることもできるのかもしれないですが、立会いの要否というものについては、これは運用の話をおっしゃっているのか、あるいは立会いが必須だと書き込むべきだとおっしゃっているのか、ここはどうなのでしょうか。
○戒能委員 後者、必須と考えております。
○大村部会長 その2か所ということになりますかね、分かりました。あと、3の方については、基本的には慎重論ということで、限定的な制度を組み立てるべきだと、こういう御趣旨だと承りました。

慎重論

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