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法制審議会家族法制部会第35回会議議事録読む5~佐野幹事・窪田委員・青竹幹事・井上委員・大石委員

いろいろ頼もしい

これも後押しのようなもの

のりまき庵も大鹿案も ←これ、気に入っている

個別案件も新境地

議事録読もう

○佐野幹事 

幹事の佐野です。細かい点ですが、全体にわたって御指摘をさせていただきます。
 まずは三つ、運用解釈に関するところかと思いますが、第2の1の(1)で問題となっている急迫の事情ですけれども、この部分に関する懸念としては、父母が同居中に離婚調停をすることにより、家庭内が高葛藤となり、こどもにとって酷な状況になることが多いので、そういう状態を回避するための別居というのも、この急迫の事情に含まれるという理解でよいのか、そうでないのであれば、むしろ、「適時の」を除いて、「父母の協議や家庭裁判所の手続を経ていては、適時の親権行使をすることができずその結果として子の利益を害するおそれがあるような場合」と明記した方がいいのではないかと、改めて思っています。
 ただ、「急迫の事情」という規律になったとしても、現行法下、共同親権で行使すべきところを単独で行使してしまったという事案、例えば他方親権者の承諾なく子連れ別居したとしても、他方親権者に対する不法行為が成立するのは、行為態様とか経緯とか目的等を総合考慮して判断されているという枠組みだと思いますので、その枠組み自体の変更はないものと理解をしております。
 それから、第2の1の(2)、日常行為とそうではないものの振り分けですが、ここに関しては実務の運用上、かなり混乱が生じるところかと思います。ですから、前にも御意見があったかと思うのですが、こういう場合は単独で可能、こういう場合は共同行使が必要といった何らかの具体的な例示というのは恐らく必要になるだろうと思っております。
 また、2の(2)の②は、親権者指定をせずに協議離婚する場合の規律ですけれども、離婚届が出されなかった場合、離婚がまとまらなかったために、協議離婚届が提出できなかったという場合には、却下決定されるよりも、離婚調停にスライドする方が当事者にとっては便利かと思います。今、家庭裁判所の期日指定も時間が掛かり、数か月先になってしまうこともありますので、例えば、申立て時に予備的申立てとして離婚調停を選択させておくなどということが考えられないかと思います。
 次に、第3の2の法定養育費の、(1)【P】の一部、全部のところですけれども、やはり少しでも支払をしてもらえるということは、債権者の方にとっては非常に重要なことですので、これは一部というのを是非入れていただければと思っております。
 今回、法定養育費の終期に、(1)のアで子が成年に達したときというのが出てきておりますけれども、これは今の家裁の裁判実務に準じて二十歳とすべきではないかと考えております。審判・調停による養育費の終期が、法定養育費の終期に引きずられるというのが懸念されますし、高校3年の4月生まれの子などは、高校3年になったとたんに養育費の終期が来て、ぱっと支払を打ち切られてしまうというのはどうなのかと考えます。
 第4、婚姻中の親子交流のところですけれども、こは、ゴシックの部分に関するところにはなりますが、まず質問で、婚姻中の親子交流は申立権者を明記する、すなわち、「父又は母の請求」と1の(2)には申立権者の規律を設けるけれども、現行第766条の修正となる第2の3のところには「父又は母の請求」は入れないという趣旨なのでしょうか。というのは、この申立権者につき、今回、親権変更には子も申立権者として入りましたけれども、子の監護に関わる部分も、パラレルに考え、子が申立権者として入るべきではないかと考えるからです。特に、面会交流の方法などを変更する場合、こどもの方は変更を希望しているけれども、父母が申立てをしてくれないというような場合には、こどもは手続きに参加もできませんので、一番自分にとって利害があるところである監護の部分について、子の申立権が入っても、親権変更との関係ではおかしくはないのではないかと思います。
 あとは、第4の3の祖父母等の面会交流、第三者の面会交流なのですが、前回申し上げましたとおり、申立てが多数発生して、こどもの生活の安定が脅かされるのを非常に懸念しております。通常、父母が面会できるのであれば、そのときに祖父母も面会すればいいと。それができないから、祖父母の面会交流、こういう形で出てきているのかもしれませんけれども、例えば非監護親が、まず、非監護親自身の面会交流を申し立て、その後、非監護親が祖父の面会交流を申し立て、その後、非監護親が祖母の面会交流を申し立てるとなると、3回ぐらい申立てができることになる。それにその都度対応するのはかなり負担になりますので、例えば父母が申し立てる場合には、自身の面会交流に付随して祖父母の面会交流の申立てができるとか、何らかの申立て濫用防止の方法が考えられないかと思っています。
 あと、父母以外の親族も、監護要件を必要的としてもよろしいのではないかと思っています。
 それから、第5の養子の【P】のところなのですが、これに関して、元の親権者間の共同親権と代諾許可後の共同親権、要は養親との共同親権と、どちらがこどものその先の生活に資するかということを考える場面と捉えるべきではないかと思っております。そうだとすると、その手続の中で、両方の共同親権というのを比較して、「特に必要」という要件ではなく、養子縁組をした共同親権の方が、その後こどもにとって、より利益になるかという観点から、養子縁組を認めるべきか認めないか、を考えるような枠組みにすべきではないかと思います。
○大村部会長 佐野幹事からは多数御指摘を頂きました。最初の方の幾つかは、解釈運用に関する御意見とおっしゃっていたのではないかと思いますが、違っていたら御指摘を頂きたいと思います。
 第2の1の(1)の急迫の事情についての考え方、それから第2の1の(2)の日常の行為についてで、具体的な例はどうなるのか、あるいは2の(2)の②で、離婚届が出されなかったような場合について、運用の工夫ができるのではないかといった御指摘を第2については頂きました。
 第3については、【P】になっている全部又は一部のところについて、一部を含めるのに賛成であるという御意見と、それから列挙されている終了事由のうちのアを、成年というのを二十歳に置き換えるべきだという御意見を頂いたかと思います。
 それから、第4について幾つかおっしゃった中で、最初の部分がちょっと十分に理解できなかったのですが、申立権者にこどもを付け加えるべきだというのは第4との関連でとおっしゃったと思うのですけれども、第766条とおっしゃったのですか、それとも親権者の変更、どちらをおっしゃったのですか。
○佐野幹事 第766条との関係で、第2の3の方では申立権者について何か変更するような規定ぶりにはなっていないように思うのですが。
○大村部会長 第819条の方の話ですか。
○佐野幹事 いえ、第2の3。
○大村部会長 第2の3。
○佐野幹事 はい。第2の3、これは第766条を変更するという規律だと思うのですけれども、現行の第766条は特に2項において、父又は母の請求により、とはなっていない。そこは特に修正せずに、第4の部分については父又は母の請求により、というのを入れるのだろうかという疑問が一つあります。
○大村部会長 分かりました。
○佐野幹事 その上で、なぜそこが問題になるかというと、いずれにも子の請求を認めた方がいいのではないかと考えるからです。
○大村部会長 分かりました。それから、第4の3については、申立ての濫用を防止するような配慮と、それから要件を絞り込むということが必要ではないかという御意見だったかと思います。
 第5の養子のペンディングになっている【P】のところについては、子の利益のために特に必要があるという要件ではない、別の要件の方がよいのではないかという御意見だったかと思いますけれども、その中身について、特に何か御意見があるというわけではないということですね。
○佐野幹事 「特に必要がある」の「特に」は必要ないのでは、と思っております。
○大村部会長 「特に」は必要ないということですか。
○佐野幹事 はい。
○大村部会長 分かりました、ありがとうございます。
 ほかは、窪田委員から手が挙がっていて、あとは青竹幹事ですか、それから井上委員という順番で、取りあえず伺っていきます。

連れ去りが違法になりうることが懸念っぽい

○窪田委員

 委員の窪田でございます。もう全体として具体的な案の取りまとめの段階に入ってきておりますので、その上で、それを前提として検討していただきたいということです。
 私の方からは、1点だけなのですが、法定養育費の終期について、部会資料35-1の5ページ、第3の2の部分なのですが、ア、イ、ウ、エという形で四つ、終期について定まっております。
 先ほど石綿幹事から、エが、請求者が子の監護を主として行わなくなったときという中に養子縁組を含むのかどうなのかという、これは御質問だったのではないかと思うのですが、そうした観点からの御発言がありました。同じ点について私も気になっておりましたので、重ねてということになるかもしれませんが、まず、エそれ自体は、請求者が子の監護を主として行わなくなったときということですから、子の監護を主として行わなくなったので、法定養育費を請求する前提は欠けるということなのだろうと思いますが、そのときの監護を主として行わなくなったかどうかというのは、実体的な判断として、実際に監護を行っているかどうかという事実関係の問題として判断されるというタイプのものなのだろうと思います。
 それに対して、養子縁組をした場合に、なおそういうふうな形で法定養育費の請求主体たり得るかというのは、最終的にはこの問題の背後にある、誰が、扶養義務について優先的な義務を負うのかというような、扶養に関する優先劣後の規範的な関係に関するものなのだろうと思います。そうだとすると、エの中にそうしたものを入れても構わないのかもしれませんが、かなり性格の違う問題が本来二つあって、それがこのエで解決されるということになる。それが適切なのかどうなのかということが、私自身はちょっとよく分かりません。
 本来であれば、エの部分で二つの問題を、うまく平仄が合うような形で解決できるような規律を設けることができれば一番いいのかもしれませんが、それがうまくできないのだということになると、規範的な判断の問題は明確にはされないまま、事実上、監護しなくなったら請求できないのは当たり前だよねという、これは、これ自体は多分、2の法定養育費の(1)本文のところからも説明できるのだろうなというものだろうと思いますので、ちょっとその辺が気になっております。
 どういうふうにするかということで、残り時間少ない状況ですが、今のままのエがちょっと適当であるかどうかについては少し違和感も感じますので、御検討いただければというのが私からの意見です。
○大村部会長 ありがとうございます。先ほど石綿幹事の御発言の中にあった、法定養育費の終了事由としてのエに養子縁組が含まれるのか、連れ子養子の場合が含まれるのかどうかということなのですけれども、それをここで読むのはなかなか難しいので、この形でない形でどうするのかということを考える必要があるのではないかという御意見として承りました。

養育費と養子縁組が絡む問題

○青竹幹事

 第2の2の(1)エについて、赤石委員と石綿幹事が御指摘された父が認知した子の場合についてもそうですけれども、ウの子の出生前に父母が離婚した場合についても、本来は時間を掛けて再検討すべき問題かとは思われます。どちらにしても、原則として母を単独親権者とする規定になっています。ウの出生前に父母が離婚した場合には、子の出生前に父母の協議で親権者を定めることが認められるという解釈もありますので、原則として母を親権者とする規律を維持する必要があるかどうか、議論が分かれる問題かと思います。
 しかし、エの点もそうだったのですけれども、この問題は新たに多くの検討を必要としますので、この部会では態度決定をせず、現行法を維持し、ただ、共同の可能性を開くという点のみを修正するのみとする要綱案が望ましいのではないかと思います。ただ、現行法でも、これらの場合に、母が単独親権者であるとの原則をとっているとの説明を本来は(注)などに明記し、この要綱案を見た人が母を単独親権者とする原則を、部会で新たに設けるよう決定したという誤解がないようにするのが本来は望ましいかとは考えております。もっとも、民法を知っている人には当たり前のことですので、必要がないのかもしれません。
 それから、第3の2ですけれども、(1)「全部又は一部の」では、「一部」はない方がいいという御意見も多く、その理由についてお聞きしていますと理解できるように思いました。現行民法の制度でも、全部又は一部について家庭裁判所、裁判所が判断するというタイプの規定があります。例えば、死亡した人に相続人がいるかどうか明らかではない場合の特別縁故者の財産分与の請求という制度がありますけれども、この場合には家裁が全部又は一部の分与を決定しますし、遺留分についての請求についても、裁判所が全部又は一部の支払につき、期限の延期を判断することができるようになっています。民法のほかの制度との比較からは、全部又は一部とする規定の仕方は、当事者の事情を柔軟に考慮できるという面で妥当な面もあるかと考えましたので、意見を述べさせていただきました。
○大村部会長 ありがとうございます。青竹幹事からは2点、御意見を頂きました。
 第2の2の(1)のエについて、先ほど赤石委員と、それから石綿幹事から御意見を頂戴しましたけれども、ウについても検討すべき問題があるのではないかという御指摘でしたけれども、今回はそれはエの本体部分と同様、ちょっと難しかろうという御意見だったかと思います。
 そして、法定養育費のところの【P】になっている部分については、現行法との関係で一部というのを含めるというのがよいのではないかという御意見を頂戴しました。ありがとうございます。
 井上委員、それから大石委員ということで。

婚外子差別との関連は時間切れ・・・でもブラッシュアップの予定はあるのかな

○井上委員

 ありがとうございます。委員の井上です。
 ゴシックの修正というよりは、全体に関連する要望という観点で発言をさせていただきます。
 今回、子の人格を尊重し、子の利益を確保する観点から、父母間に対立があるときや協議が調わないときなどにおいて、家庭裁判所が関与する仕組みが多く設けられています。こうした点を鑑みれば、家庭裁判所に期待されている役割、また、果たすべき役割は大きなものがあり、財源を始め人材の確保や、子の福祉という観点を踏まえた継続的な研修機会の確保など、裁判所における体制の構築をしっかりと行っていただきたいと考えております。
○大村部会長 ありがとうございます。井上委員からは、全般に関連する要望ということで、今回の改正に伴って家裁の役割というのが大きくなるので、それに対応できるような様々な面での体制整備というのを要望したいという御意見を頂戴いたしました。
 取りあえず、大石委員と沖野委員に発言していただいて、そのあとは、今メモしてもらいましたので、順次発言をしていただきたいと思います。

家裁が変わる
弁護士も変わらないとね

○大石委員

 ありがとうございます。委員の大石です。
 初めに、今、井上委員がおっしゃったことについては全面賛成いたします。
 私の意見は、2の法定養育費の(1)のエ、終期について今、皆様で議論されているところなのですけれども、それについて、私も主としての判断基準のところがやや曖昧であると考えますので、それについてもう少し議論を深める必要があるのではないかということを申し述べたいと思います。
 部会資料35-2の方に、ここで言う監護というものが、監護者指定とはまた別ということが12ページに説明されてはおりますけれども、やはり監護者を決めていない場合とか監護の分掌などがある場合に、どのように判断の基準となるのかといったことについて、もう少し整理していただけるとよいかなと思います。
 さらに、養子縁組との関係なのですけれども、養子縁組がなされた場合を終期とするときに、これは、そうすると、もしかすると養子縁組することが望ましいにもかかわらず、法定養育費という金銭的なインセンティブが得られなくなるということを考えて、養子縁組を避ける方向に人々を動かす要因とならないかということを少し懸念いたします。
○大村部会長 ありがとうございます。大石委員からは2点、先ほどの井上委員の御発言に賛成であるということと、それから法定養育費、これも先ほどから御指摘あるところですけれども、2の(1)のエが曖昧ではないかということと、あわせて、養子縁組についてそれを終期とするということがどのように影響を及ぼすのかということも考える必要があるのではないかという御指摘を頂きました。

すでに、養子縁組しないパターンあるから、法改正論と関係ないだろうに

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