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法制審議会家族法制部会第34回会議議事録読む1~北村幹事・小粥委員・石綿幹事

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11月後半に開催された34回目の会議

法制審議会
家族法制部会
第34回会議 議事録 
第1 日 時  令和5年11月28日(火)  自 午後1時30分
                       至 午後5時27分
第2 場 所  法務省大会議室
第3 議 題  補足的な検討
第4 議 事  (次のとおり)
 
議        事
○大村部会長 それでは、皆さんおそろいだと伺いましたので、時間になったということで始めさせていただきたいと思います。
 法制審議会家族法制部会の第34回会議を開会いたします。
 本日は御多忙の中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日も前回までと同様、ウェブ会議の方法を併用した開催となりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、本日の会議資料の確認をさせていただきます。事務当局から御説明をお願いいたします。

月2回ペースで詰めていた頃

○北村幹事 

事務当局でございます。本日は事務当局から部会資料34-1及び部会資料34-2をお配りしておりますので、これらに基づき御議論いただきたいと存じます。部会資料34-1は、第32回、第33回の会議で御議論いただきました家族法制の見直しに関する要綱案の取りまとめに向けたたたき台(2)のうち、特に多くの御意見を頂いた幾つかの論点について集中的に御議論いただくために作成したものです。部会資料34-2は、家族法制の見直しに関する要綱案の取りまとめに向けたたたき台(2)の第1で【P】とさせていただいていた、親子関係に関する基本的な規律についてお示しするものです。
 また、事務当局から参考資料34、オーストラリア司法省ウェブサイトの仮訳をお配りしてございます。オーストラリアの法制度については、既にこの部会でもヒアリングを実施したところですけれども、今般改正法が成立したとの情報がございますので、その内容を御紹介する趣旨で配布させていただくものです。オーストラリアの改正法につきましては、前回会議において委員からもコメントがございましたけれども、前回会議後に他の委員から、その内容に必ずしも正確ではない部分があったのではないかという指摘がありましたので、改めて事務当局において内容を精査し、仮訳を作成させていただきました。この資料につきましては、これ自体は本日の会議の調査審議の対象にしていただきたいという趣旨ではなく、参考としてお配りするものでございます。
 また、赤石委員、武田委員からそれぞれ資料の御提出がございます。こちらにつきましては適宜、御発言の中で内容について御紹介いただければと存じます。
 なお、今回もウェブ会議を併用していることから、御発言に当たりましては冒頭でお名乗りいただきますようお願いいたします。
○大村部会長 ありがとうございました。
 それでは、本日の議題でありますところの補足的な検討に入らせていただきたいと思います。先ほど御説明がありましたが、本日の会議では部会資料34-1、それから部会資料34-2、この二つの資料につきまして順に御議論を頂きたいと思います。おおむね半分ぐらいの時間がたったところで一度休憩を入れさせていただきたいと思っております。
 ということで、まず部会資料の34-1につきまして、事務当局の方から説明をお願いいたします。

オーストラリア情報が資料として!

○北村幹事

 事務当局でございます。部会資料34-1では、親権に関する論点のうち第32回会議で一部の委員、幹事から具体的な修正意見を頂いた部分について、これまでの会議で示された御意見を踏まえた論点整理をさせていただいております。
 まず、資料1ページ目のゴシックの1、親権行使に関する規律の整備についての論点整理では、たたき台(2)第2の1(1)イの規律について示された修正意見を取り上げております。たたき台(2)では、父母双方が親権者である場合には、親権は父母が共同して行うものとするルールを提示した上で、父母双方が親権者である場面において、その一方が単独で親権を行うことができる場合を整理させていただきました。急迫の事情という要件については、今回の資料4ページで、父母の協議や家庭裁判所の手続を経ていては適時の親権行使をすることができず、その結果として子の利益を害するおそれがあるようなケースと整理させていただき、具体的には入学手続のような場面や、DV、虐待からの避難が必要である場面を資料に記載しておりますが、これらの場面に限定されるものではない、例えば、医療機関との間で緊急に診療契約を締結しなければならないような場面なども想定されると考えております。
 第32回会議の御議論の際には、このようなたたき台の規律に対して、その要件をより緩やかなものに修正する観点から、必要性や相当性を基準とすべきであるなどの御意見を頂きました。他方でこうした修正意見に対しては、親権の単独行使が可能となる範囲が過度に広がってしまうのではないかとの反論もありました。また、こうした修正については、父母の協議や家庭裁判所の手続を経ることが可能であるにもかかわらず、そのようなプロセスを経ることなく重要な事項についての親権の単独行使が可能となることについて、その許容性や正当化根拠をどのように説明するかが問題となろうかと思いますので、こうした観点からの御議論をお願いしたいと思います。
 次に、資料6ページのゴシック体の記載2、父母の離婚後等の親権者の定めについての論点整理では、裁判所が離婚後の親権者の定めについて判断する際の考慮要素について取り上げております。たたき台(2)では、裁判所が父母と子との関係や父と母との関係その他一切の事情を考慮するものとするとした上で、父母の双方を親権者と定めることにより子の利益を害すると認められるときは、裁判所は父母の一方を親権者と定めなければならないものとすることを提示し、さらに、子の利益を害すると認められる場合を例示することを注記しておりました。
 この点について、この部会のこれまでの会議の中では、子の意思や子の意見の取扱いをめぐっての御議論がありました。この点を改めて整理すると、資料の9ページから10ページまでに書いておりますように、現時点における議論の焦点は、裁判所が子の意思を尊重すべきかどうかというレベルの議論ではなく、子の意思を実体法である民法に明記することで、裁判手続やこれを前提とした父母の紛争にどのような影響が生ずるのかという議論であろうかと思っております。本日の会議でもこのような観点からの御議論をお願いしたいと思います。
 また、第32回会議では、裁判所が父母双方を親権者と定めるための要件として、父母双方の合意があることを必要とすることを求める御意見や、子の養育に関して父母が平穏にコミュニケーションを取れることを要件とすることを求める御意見などを頂きました。他方でこうした意見に対しては、このような修正をすると結果的に一種の拒否権を父母の一方に付与することとなるのではないかといった観点から、修正に消極的な御意見もありました。また、子の養育に関して父母が平穏にコミュニケーションを取ることができない事情の有無及び程度や、その事情に合理性が認められ得るかどうかといった観点からの考慮は、現在御提示させていただいているたたき台(2)の文言を前提としても、親権者の定めについて父母の協議が調わない理由その他一切の事情として考慮され得るとの整理もあり得ようかと思います。こうした観点から、たたき台(2)の修正の是非について御議論いただきたいと思います。
 最後に、資料13ページのゴシックの3、監護者の定め及び監護の分掌に関する規律についての論点整理では、監護者の定めを必須とするかどうかという論点と、父母以外の第三者に監護者指定の申立権を認めるかどうかという論点を取り上げております。監護者の定めの要否をめぐっては、部会のこれまでの御議論の中で、監護者の定めをしないことにより不都合が生ずるケースがあるとの御指摘がありました。ただ、そうしたケースにおいて監護者の定めをするべきであるというのは、この部会における大きな争点となっているわけではなく、現段階における議論の焦点は、監護者の定めをしないことにより不都合が生ずるケースがあるかどうかというレベルでの議論ではなく、全ての事案において例外なく監護者の定めを必須としなければならないかどうかであろうと思います。本日もこうした観点から御議論いただきたいと思います。
 また、第三者に監護者指定の申立権を認めることに対しては、第32回会議において積極的な御意見もあった一方で、父母の監護能力に問題があるケースへの対応策としては、親権制限や未成年後見等の制度を活用する方向での検討をすべきであるとして、慎重な御意見もございました。また、父母以外の第三者が子の監護に関わる必要がある場合は父母の別居や離婚の場面に限られず、父母の婚姻関係が円満である場合も含まれ得ることを念頭に置いた議論も必要なのであろうと思いますので、本日の会議でも引き続き御議論をお願いいたします。
○大村部会長 ありがとうございます。部会資料34-1、「親権に関する規律についての補足的な検討」という表題が付いておりますけれども、ただいま事務当局の方から御説明がありましたように、大きく分けて3項目について、具体的な修正の意見が出ているものにつき更に補足的な検討をしようということで、御議論をお願いしたいと思っております。3項目あると申し上げましたけれども、どの点について御発言を頂いても結構でございますが、御発言の際にはどの論点のどの部分に関する御発言であるかということを明らかにしていただき、また、ゴシックの記載を修正するという意見なのか、あるいは解釈運用上の留意点を述べるという意見なのかということを言っていただくとよいように思います。それから、本日はこの後、部会資料34-2の方も、できれば議論したいと思っておりますので、御意見は可能な限り簡潔に述べていただきますよう、御協力のほどお願いを申し上げます。
 ということで部会資料34-1につき、3点ありますけれども、どの点につきましてでも、どなたからでも結構ですので、御発言がある方は挙手をお願いしたいと思います。

議論は大詰め

○小粥委員

 委員の小粥でございます。簡単に、部会資料34-1の三つの項目について、今考えていることを意見として申し述べたいと思います。
 まず、部会資料34-1の1、親権行使に関する規律の整備についての論点整理についてでございますけれども、この点については私の意見は、第32回のこの会議において石綿幹事がおっしゃったことと基本的に同じでございまして、付け加えるべきことはないように思います。あえて一つだけ申しますと、このような形で、元々のたたき台(2)の表現振りというのは、現行法の民法第818条の第3項でありますとか、あるいは児童福祉法の規律において、親権を持っている人がほかにいる場合に、例えば児童福祉法上権限を持っている人が、その親権者を言わば押し退けて何かをすることができるための要件として、現在の実体法上認められるところの表現振りということなので、これ以上何かということは、恐らく解釈運用上の問題ではないかと思うところです。それが1点目でございます。
 それから、部会資料34-1の6ページの2、父母の離婚後等の親権者の定めについての論点整理のところでございますけれども、まず、①の子の意思を明示すべきであるという点、私はこの部会の審議を伺っていまして、池田委員のおっしゃることも水野委員のおっしゃることも、どちらも説得力を感じるところでありまして、しかし、実体法にこのことを書くということは意味があると思います。ただ、その場合にも水野委員の御懸念が拭えるような形でおまとめいただけるといいのではないかと、これが①についての意見であります。
 ②についての意見は、先ほど事務当局から御紹介がありましたとおり、父母双方の合意があることを必要とすると、第32回の部会でも意見が出ていましたけれども、結局一方当事者に拒否権を与えるということと実質的に等しいということになりかねないということが恐らく問題ではないかということ、私も意見を共有いたします。それで、裁判所が父母双方を親権者と定めるときに、父母双方の合意があるかどうかを考慮に入れることは非常に重要なことだと思いますけれども、裁判所がその選択肢として父母双方を親権者と定めるという選択肢を持たないで、例えば調停等を行う場合には、結局その拒否権を行使するための制度、行使することができる制度ということになりかねないということで、裁判所が選択肢として少なくとも持っておくということは、当事者間の合意形成のためにも意味があるのではないかということを補足したいと思います。
 その補足的な今申し上げたことは、第3の監護者等に関する論点整理の第1点についても似たようなことでございまして、監護者の指定を必須としないという選択肢を裁判所が持っておくと、つまり、監護者を指定することもできるし、しないこともできるという裁判所が選択肢を持っているという状態で、当事者が協議するということがよいのではないかと思います。
 3(2)ですけれども、第三者の監護者指定の申立権の点につきましては、これも第32回のこの会議の席で久保野幹事がおっしゃった意見に私も賛成であります。
○大村部会長 ありがとうございました。小粥委員からは1、2、3のそれぞれについて御意見を頂きました。1と3(2)については、これまでに出た委員、幹事の発言に賛成するということだったかと思います。2①、こどもの意思の点については、書くことに意味はあると思うけれども、懸念を払拭するような形でという御要望を頂きました。それから、2②と3(1)については必須とすることには反対であるという御意見を頂戴したと理解いたしました。ありがとうございます。
 その他、いかがでございましょうか。

説得に使うわけね
裁判所は恐ろしいよ

○石綿幹事

 幹事の石綿です。小粥委員に続きまして、私も全ての論点について簡単に意見を申し述べさせていただきたいと思います。
 まず、1ページの1の急迫の事情か必要性かということですが、今回の資料の整理、特に5ページの2段落目などを拝見しながら、必要性という要件にしたとしても本当に緩和されるのかということも考えた次第でございます。要するに、現行法と枠組みが変わり、父母の意見が一致しない場合には裁判所で判断をする、調整をするというような仕組みができた中で、それでも単独ですることが必要な場合というのは、結局、裁判所の判断を待っていられない場合と解される可能性もあるのではないかと感じております。もっとも、急迫という要件だと現在認められているけれどもできなくなることがあるのではないかという御懸念はあるのかと思いますので、急迫というときにどのようなものが当たるのかということは、現状の補足説明で十分なのか、何か例を加えた方がいいのかということは御検討いただければと思います。それが1についてということになります。
 2についてですが、子の意思につきましては、小粥委員がおっしゃったように、どちらの御意見も説得的と思いつつ、今回の資料で整理を頂いているように、過度にこどもの意思ということが考慮される、それが錦の御旗になってしまうということが、かえってこどもの利益を害することはあるのではないかと思います。仮に入れるのであれば、そこの懸念に対応していただくような方策をとっていただきたいと思いますし、また、入れるときに子の意思だけでいいのか、要は意思が必ずしも明確に表現できないような年齢のこどもも踏まえると、意思、意向といったようなことになるのかといったようなことを、他の法律の文言なども見ながら御検討いただければと思います。
 ②の父母双方の合意を必要とするかということについては、小粥委員と同様で、拒否権を与えるというような枠組みはよろしくないと思いますということで、入れるべきではないと思います。
 最後、3につきましてですが、(1)の監護者指定を必須とすべきという点についても、これは必須とすべきではないと思っております。個々の事情を判断して、不要だという事案もあるかと思います。また、何度も申し上げているところですが、御懸念のあるような事案に対応するためには監護者指定をすることができないわけではないと思います。今回の資料でかなり、どういう場合に監護者指定をするのかということも示されているかと思いますので、どちらかというと補足説明の方でそちらの説明を丁寧にしていくという対応方法かなと思います。
 (2)の第三者の監護者指定の申立権は、これも久保野幹事、小粥委員と同じで、私はどちらかというと慎重の方向で考えております。要は、第三者からの申立てによって父母の親権の中の身上監護の権限が制限されるということ、親権法全体の枠組みで見た中でそのようなことを認めていいのかというのは大きな問題だと思います。実質論としてこのようなことが必要なのだということは理解しておりますが、それは以前の会議で久保野幹事がおっしゃったように、他の制度をもっと柔軟に活用していくという方法で対応するというのが筋なのではないかと思っております。
○大村部会長 ありがとうございます。石綿幹事からも1、2、3の各点について御意見を頂きましたけれども、基本的なトーンは前の小粥委員と一緒だと伺いました。ただ、2①について、仮に入れるならばとおっしゃって、入れるという方向に対して小粥委員よりは消極的であるように感じましたが、基本は同じだろうと受け止めました。あともう一つ、御懸念のある点について補足説明の方で対応してもらうべきことがあるという御趣旨の御発言を頂いたと理解を致しました。

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