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法制審議会家族法制部会第17回会議議事録8~窪田委員・棚村委員・武田委員・水野委員

1年前の図が秀逸だった自分

今日は国賠傍聴した

昨日はよく勉強した

学びに感謝!

議事録を読んでいこう

○窪田委員

 すみません、本文のところについて2点、こういうふうに変えたらどうかなということなのですが、1点は、第7の2の部分なのですが、未成年養子縁組の成立要件につき、父母の関与の在り方に関する規律も含めて引き続き検討するということですが、それについてちょっと気になるのは、ここで(注3)というのが挙がっているのですが、今、池田委員からも御指摘があった部分ですが、(注3)の中であるのは、家庭裁判所の許可とか、あるいは代諾の場合の養子となる者の年齢の引下げとかという点が挙げられており、それはいいのですが、むしろすごく大事な論点であったのは、離婚後の親権の在り方との関わりなのではないかという気がします。今、それを全部いろいろな形で組み合わせてマトリックスを示すことができないというのは、それはそれで仕方ないと思うのですが、少なくとも、例えば、未成年養子縁組の成立要件につき、離婚後の親権の扱いを踏まえてとか、何かそういう言葉を入れて、その問題とリンクするんだよということは、きちんと書いておかなければいけないのだろうなと思います。
 補足説明についても、今の点は、多分15ページの(注2)という形で、補足説明でも(注)の中で扱われているのですが、せめて補足説明の本文の中で、少なくともどういう論点があるのか、双方に親権を認めるといった場合に代諾の問題はどうなるのか、あるいは、その場合の養子縁組した場合の関係とか、少し詰めなければいけないことがあると思いますので、少なくとも論点整理的なことを補足説明で丁寧に書いていただく方がいいのかなと思いました。これが第1点です。
 第2の点は、実質的な問題ではないのですが、第8の1の(注)に挙がっている部分で、夫婦間の契約の取消権に関する754条についてです。前回青竹幹事から御指摘があった部分かと思いますし、私自身も、この規定について削除を含めて検討というのは適切だと思うのですが、ただ、この(注)は、第8の財産分与制度に関する規律の見直しの中に入っていて、なるほど1は、以前の改正要綱を踏まえたものということで、それとの関連でここに置かれたのかもしれませんが、しかし、夫婦間の契約の取消権の話は財産分与に関する話ではないので、やはりこの場所はおかしいのではないかと思います。前回消極的な意見もありましたので、それだったら外すのか、あるいはその他として置くのか、何か工夫しておかないと、何か財産分与との関係で夫婦の契約の取消権を見直すのだという、多分誤ったメッセージを与えることになると思いますので、ちょっと御検討いただきたいと思います。
○大村部会長 ありがとうございます。窪田委員から2点御指摘がありましたが、一つ目は、第7の2の(注3)との関係でお話になりましたけれども、ここでの問題は、離婚後の親権の在り方によって影響を受ける問題であるということで、それを、(注)を含めて本文中か、あるいは少なくとも補足説明で書く必要があるという御趣旨だったかと思います。これは今、具体的な箇所の関係でおっしゃってくださいましたが、実は養子制度の見直しは、全体として離婚後の親権の在り方ということと関わっておりますので、そのことが分かるような説明がどこかにあった方がよいかと思って伺っておりました。具体的な対応の仕方については、事務当局の方で御検討いただくということにしたいと思います。
 そしてもう1点は、第8の1の(注)の場所についてということですね。どうするかはともかくとして、この場所は余りよくないのではないかという御指摘を頂いたと受け止めました。
 ほかにはいかがでございましょうか。

細かい 専門すぎる
養子縁組は親権論と切離せないよ

○棚村委員

 前回もちょっとお話ししましたけれども、8の財産分与の考慮事項についてお話しします。つまり、1996年の要綱の中のものが積み残しになっているということで、私自身は、考慮事項というのがあって、最終的には総合的に裁量で適切に判断をされるというのですけれども、それにしても裁量が広いので、具体的な考慮事項を明示することに賛成です。前もお話ししましたように、海外の立法ですと、監護親・同居親及び子の居住の確保とかという考慮要素が入っているものがあります。例えば、ニューヨーク州の家族関係法の236条ですけれども、衡平な財産分与(Equitable Property Distribution)エクイタブル・プロパティー・ディストリビューション、ニューヨーク州は、別産制を基本的には採っている州なのですけれども、そういうところで、やはり公平な財産の分与というときに、いろいろな考慮事項が入ってきて、そういう子ども及び監護親の居住の確保みたいなところが規定に盛り込まれ出てまいります。
 それから、イギリスで婚姻事件法(Matrimonial Causes Act)の改正もされていますけれども、1973年の規定のところで、離婚の際の財産給付(Financial Provision)、ファイナンシャルプロビジョンという、要するに離婚の際の財産分与、日本でいうと離婚給付に近いものですけれども、そこのところも25条の1項のところで、やはり裁判所が裁量権を行使するときに、お子さんの福祉(Welfare of the Child)という規定になっています。監護親及び子の居住の確保を考慮するということは、赤石委員からも前も出ていたと思うのですけれども、内閣府の世論調査とか、それから協議離婚についての実態調査、特に財産分与の目的というところでも、子どもの養育とか居住の確保というようなことも含めて御意見が多く出されていました。もし、表現をどういうふうに入れるかということは少し御検討いただいて、海外の例でも考慮事項の中にはそういう要素も入っているということを御検討いただければ助かります。もっとも検討の結果難しいということであれば、そのほか一切の事情ということで、いろいろなものがブランケットで入ってくるというようなことでいいかと思います。
○大村部会長 ありがとうございます。棚村委員からは、第8の1の考慮要素の中に、監護親の居住の確保とか子の福祉というようなものを付け加えてほしい、これは、本文に付け加えてほしいという御要望ですね。
○棚村委員 はい。
○大村部会長 無理ならば仕方がないという留保の下で、そのような御要望を頂いたと受け止めました。

こうやって話を広げるから迷走するし

○窪田委員 

もう事務当局の方で検討されるということでしたので、適切に検討されるんだろうと思いますが、第6の2のところでもあった財産分与を含む養育費、婚姻費用の分担及び財産分与と、最後の第8の財産分与との関係なのですが、恐らく子どもがいるいないにかかわらず、財産分与の問題は一般的にあって、なおかつそのときの情報開示の問題はあると思いますので、重複になるとしても、第6の2に示されているようなルールというのは、子どもの監護に関わることに限らずに、財産分与の前提としてあり得るのかなと思いました。
 他方で、第6の2の方は何なのかというと、これやはり、基本的には養育費なのではないかと思います。ただ、婚姻費用の分担と言ったときに、それが子どもの養育を含むものとしての婚姻費用を考えれば、養育費を含むものになるし、財産分与に関しても、扶養だとか補償だとかという部分を含むのであれば、そうした側面が出てくるということなのだろうと思いますので、ちょっと言葉は工夫しなければいけないと思いますが、いずれにしても、両方ともに妥当するものなのかなと思いました。
 その上で、両方ともに妥当するのかもしれないけれども、ひょっとしたら中身が違うのかもしれないという気がしますが。どこまでが開示の内容なのかということについて、補足説明、ちょっと場所は今見付からないのですが、補足説明の中に、全ての情報を開示するのか、婚姻後、夫婦で共同で得た財産に限るのかというのがありますが、これは、例えば、婚姻後、夫婦で共同で得た財産に限るというのは、財産分与における清算の部分の発想なのではないかなと思いますし、そちらの方でうまく妥当するんだろうと思います。他方で、子の養育ということに関して言うと、必ずしも夫婦で共同で得た財産でという話ではないので、より広い形での開示というのもあり得るのかもしれません。その点も含めて、うまく整理していただいて、書いていただくといいのかなと思いました。感想というレベルにとどまっています。
○大村部会長 ありがとうございます。窪田委員の今の御意見は、財産に関する情報の開示について、第6と第8とに書き分けた方がいいのではないかという方向を含んでいる御意見と理解をいたしました。書き分けるということになると、開示の範囲などについても違いというのが出てくるのではないかという御意見として承りました。
 ほかにはいかがでしょうか。

もっとシンプルに議論すればいいのに盛り込みすぎてる

○武田委員 

第7に関してだけ、既に窪田先生が触れたことと同じなので、簡潔に述べさせていただきます。
 この養子制度、親権、監護権含めた離婚後の親子関係どうあるかというところの整理されていない現状でなかなか、非常にまとめ方難しいんだろうなというのが、まずは感想でございます。したがいまして、本文のゴシックの中で、養子制度全体に掛ける形で、親子関係の整理によって、今後再考の可能性があるって書いてはいかがかと、ちょっと表現は、適切な表現が今思い浮かびませんけれども、変更の可能性がある、そういうことを前面に出した方がよいのではなかろうかと、そんなふうに思いました。
○大村部会長 ありがとうございます。御提案が必ずしも十分につかめなかったのですが、御趣旨は窪田委員と同じで、後で変わることあるべしということを、あらかじめ示しておくべきだという方向だと承ってよろしいですね。ありがとうございます。

もはや当事者代表が処理しきれるテーマを超えている

○水野委員

 水野でございます、ありがとうございます。財産分与の第8のところでございます。かつてこしらえた案を生かしていただいて、感慨深く拝見しております。そして、先ほどの棚村委員の御発言ですが、それは、内容的には非常にもっともなことだとは思います。つまり、家族の生活が営まれている場所の居住権をどうやって確保するかというのは、重要な課題です。フランス法ですと、夫婦財産制の中のどんな財産制を採っても、共通して強制される制度として、居住権の保護が図られています。そのことについても議論はしたのですけれども、日本の場合には、不動産登記に取引安全がかかっていて、不動産の名義人の自由処分を制限することに対するハードルが高かったのです。家族の生活の場になっている不動産を、夫婦仲悪くなったから、妻子が残って住んでいるのに、夫が売り飛ばしてしまうというような場合、何とかできないかという議論もしたのですが、これまた、それはそれで非常に難しい問題で、それに特化した処理が必要なのではないかということで、このときの成案には入りませんでした。そういう議論もしたのですけれども、ここにはやはり含めにくかったということだろうと思います。
 つまり、この財産分与の条文は、相当いろいろなことを議論した上で、たくさん落とした結果、このような形になっているということです。妻が家事労働の負担を負っていて、収入が大きく異なる夫婦が離婚する場合に、その現存財産を均分に清算するという現行のやり方だけでは足りない、つまり、補償ないし扶養的要素を認めるべきだという点では異論はなかったのですけれども、それ以上の点というのは、いろいろ議論したのですけれども、やはりなかなか書き込むのが難しかったという経緯がございます。妻に収入があって、無職の夫が働こうとせずに妻にぶら下がっていたというときには、そもそも清算分さえ認めてよいのかという議論もありました。それから、そういう場合に、男女別の規定はやはりできないよねということで、先ほど(注)から削られたという稼働能力という表現ですが、これも、稼働能力という言葉も、言い始めてしまうと、21ページの(注4)にもありますように非常に煩雑で、むしろ形式的なややこしいものになりかねないという判断がございました。
 元々財産分与は、昭和40年代の判例で整理たんすと水屋だけみたいな、そういう財産分与の例がございましたけれども、そういう貧弱な内容から、原則として現存財産の均分清算だという形に実務が発展させてきたものです。それをさらに、こういう条文で新たに補償ないし扶養的要素を含めて発展させていってもらいたいという期待を込めた表現です。いろいろな御意見があると思うのですけれども、居住不動産のことも含めて相当に議論をした結果の文言でありますので、今、ここで新たなものを付け加える時間的余裕はないのではないかと重います。
○大村部会長 ありがとうございます。水野委員からは、以前にも御発言を頂きましたが、財産分与についての平成8年、1996年の改正の経緯についての御説明を頂きました。それを踏まえて考えると、改良の余地はもちろんあるのだけれども、この案が様々なバランスの上に成り立っていることを考えると、今それに手を付けるのは難しいのではないかという御意見として承りました。先ほど棚村委員から出た居住の確保ということも、平成8年改正の途中まではテーブルに上がっていた問題だったと私も認識しております。居住用不動産の処分制限が、途中まではあったと思いますが、執行法との関係などもあって困難があるということで断念されたということも御披露いただいたと思います。ということで、これでよろしいのではないかという御意見として承りました。
  そのほかいかがでしょうか。

昔を知っている人

○棚村委員

 今、1点ちょっと付け加えさせてください。水野先生の御意見ももっともだと思います。ただ、改正要綱から26年経っていて、正に今回の諮問もそうですけれども、子どもの養育ということで、子どもの利益を守るために、関連するところは少しいじろうという話で出ているわけです。それで、正に養子縁組についても、連れ子養子とかいろいろな形で、お子さんをめぐって、親を中心とした権利の体系でいろいろ議論して作られてきたものが、なかなか不明確であって不十分な規律の状況になっているということです。せっかくの機会に、積み残しを一掃するとともに、私自身は、補足説明の(注)のところには書いてあるのですけれども、それを本文に入れることの検討も希望するという趣旨です。今、水野先生から、消極的な御意見を頂いたのですけれども、財産分与の目的、性質の議論も含めて、せめて、もう26年経っていて、今の時代で何かが新たに入れられないかという、積極的に建設的に考えたときに、ワードは結構だと思うのですけれども、ほかの国でも随分前から規定されているので、日本もそういう水準で議論して、それをどうしても、入るには体系的整合性とか、踏み込んで入れるべきでないということなら致し方ないと思います。ここでも、財産分与の制度趣旨ということを言っているのですけれども、やはり今、補償だとかいろいろなことの不均衡も調整しようとか、家事労働とかそういう目に見えないところも考えよう、それから、家裁の実務で皆さん御苦労されていて、オーバーローンになっているときに、賃貸借だとか使用貸借は、とにかくお子さんの居住を確保するためにあの手この手を使って、ここは、分与の額とか方法まで含めた規定で考慮事項として入れてあげれば、裁判官としても、弁護士さんとしても、ずいぶん、根拠規定ができて助かりはしないか。私は、財産分与の制度の理念や目的としても、赤石先生と同じで、そこのところを考慮できるし、実務もやっているわけですから、やっていることを明文の中に一言入れるのが難しいのかなというのが非常に気になっているところです。
 表現ぶりは、国によっていろいろなのですけれども、ニューヨーク州の条文を挙げますと、居住の継続についての必要性というようなところで書いてありますので、ニーズみたいなことで、お子さんと監護親の、婚姻住宅に住み続けるということの大切さみたいなものを考慮事項の中に一つ入れてあるというのは、かなり運用でもされていますので、できないのかと考えてしまいます。結局財産分与の実務のところで、この考慮や配慮がされていると思いますし、いろいろな形で、どうやって居住を継続して環境を何とか確保しようかということで、多数の皆さんがそんなの無理だということであればいいと思うのですけれども、何か工夫できないかという希望で申し上げた次第です。
○大村部会長 ありがとうございました。棚村委員がおっしゃったような御意見に賛成の方も、この中にはもちろんいらっしゃると思います。財産分与の要素として、他の要素を盛り込むべきだという御意見の方もいらっしゃるかと思います。そのそれぞれについて、反対の方もいらっしゃるというのが、この問題について前回議論したときの状況だったと認識しております。
 それで、取りあえず、最小限ここに書かれていることを掲げるということについて、反対の方は多分いないと認識をしております。先ほど水野委員からお話がありましたけれども、法制度は、一つ条文を置くことによって、それを手掛かりにして継続的に実務が形成されていって、その蓄積が、更にその先の制度化につながるというところがあります。将来を期待してという表現を直接には用いられてはいなかったとは思いますが、そのような趣旨のことをおっしゃっていたかと思います。そう考えたときに、まず、皆さんのコンセンサスが得られるところまではいきたい。その先どこまでいくかというのが、ここでの議論のしどころだろうと思っております。
 今、中間試案を取りまとめるという段階で、これをどうするかということについては、皆さんの意見を短時間の間で集約するのは難しいというのが、前回の議論の状況だったと思います。パブリックコメントに回して、今、棚村委員がおっしゃったような意見が多数出てくるということになれば、部会としても、そのことだけは考慮要素に加えようということが、この先出てくるかもしれません。そんなことも含めて、これでパブコメに付すということかと思って伺っておりました。
 ただ、補足説明の説明の仕方について、もう少し工夫が必要であるのではないかといった御意見も、棚村委員の発言の中には含まれていたと思いますので、そこは少し考えていただく必要があるかと思いますが、そこはまた、何か具体的な御意見や御希望がありましたら次回に述べていただいて、それを最終的に反映させるということにしてはいかがかと思いますが、そんなところでいかがでしょうか。今、棚村委員の意見についてどうですかということで、皆さんの意見を聞きますと、今日もうそれだけで終わるということになるかと思いますが。
○棚村委員 結構です。こういうことも考えられるがという表現を、(注1)のところの、海外ではこういうものを入れている規定もあるとか、もうちょっと、少し説明をしていただいた上で、皆さんの御意見を聞けるような形でお願いしたいと思います。本文に入れなくても結構ですので、(注1)のところに、既に整理していだいて、それで別に構わないのですが、ちょっと無理だみたいな(注)の内容になっていたので、あえて、無理をしているところがほかの国でもあるのに、むしろそっちが常識になっている国があるとすれば、それについてもきちんと紹介していただいてという趣旨で、先ほど条文をわざわざ挙げさせてもらいました。日本がやっている1996年のもっと前から入れていますので、申し訳ありませんが、その辺りのところが分かるような形で表現していただければ、特に無理やり押し込めという話ではありません。
○大村部会長 ありがとうございます。今の御要望は、17-2の21ページの(注1)についての御提案と承りました。

なぜ迷走しているのだろう

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