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単独親権制が崩れる音がする

日々、単独親権制を問う発信をしているところ、奇しくも、各メディアの発信がたまたま重なる

フランスで報道された番組の日本語字幕がついたので数か月遅れながら確認できたり

日本のメディアも問題提起

引き続き、いつもの本から勉強を続ける

注目しているAmazonレビューHappy氏も同書にレビューを記していた。

第2章 日本における親権・監護法制の問題点と課題 第2節 実務から見た離婚後の子どもの共同監護 共同親権制度と関連して

鈴木経夫弁護士の解説の続きから

離婚の紛争は、夫と妻との対立である、日本の法制・・・によると、それが二人の間の子の親権者をめぐる争いを含むものとなる。もっぱら誰が親権者となるのかが争点の場合もあるし、・・・その他の紛争とからみあう場合もある。離婚は夫婦の問題であるが、親権者の問題が絡まると、それは夫婦だけの問題ではなく、子どもと親との三者の関係となる。離婚給付や離婚自体をめぐって、激しい対立があるケースでは、親権者の問題はその背後に隠れがちである。子どもの親権者をいずれに指定するかが、まさしく主たる争点でのケースでも、訴訟上激しく対立した結果いずれかに決まるのでは、その後の両親の子どもをめぐる共同関係は構築不能となる。面接交渉を実行する基盤も失われてしまう。夫婦の問題は婚姻を解消することで一応解決するが、子どもとの親としての関わりは、裁判所での争いの最中も含めて、子どもが成人するまでは続くのである(成人してからは別の関係であろう)。現状の離婚訴訟は、離婚原因を立証する場合も同様の状況になることがあるが、特に慰藉料と親権者の指定をめぐっての争いの場面で、徹底的に相手を「悪者」として主張・立証するのが、当然のことと考えられ、現実にもそのように実践されている。離婚訴訟も白黒をつける民事訴訟の一つとして、特に疑問も抱かれなかった。

 白黒つける仕事に長ける弁護士が離婚訴訟も同様に処理することで、あたかも、「鬼退治」が繰り広げられている実情をよくとらえた指摘に思う。脚注もつけて詳細な指摘がある。

 本来の離婚訴訟に、慰藉料請求が付随するのが妥当であろうか。たとえば、婚姻生活からはい出すようなひどい暴力があるような場合は別として、本来は財産分与制度の「慰藉料的要素」のなかで解決されるべきではないか。さらに、子の監護者を決めるのは、紛争性の高い時間であればあるほど、時間をかけて、離婚訴訟での対立を修復しながら行うべきであろう。諸外国での例をみても、離婚は裁判でも、子の監護の問題には調停が導入されたり、離婚後に様々な試行も交えながら、両親の子との関わりを決めていく例が多いようである・・・。

批判の多い調停制度だけども、日本独自で機能している制度の積極的活用がひょっとしたらひょっとするんじゃないかって期待も実はある。単独親権制を維持しながら、共同監護を実現する理想的な運用だって目指していい。ただ、もういろいろとねじ曲がってしまっているので、その機は逃してしまったと受け止めざるをえない。現状の単独親権制の(運用実態としての)問題点について、引用先は次のようにいう。

 しかし、両親と等しく交わりたいと願う子どもにとってこれほど迷惑な話もない。夫婦としてみて悪しき配偶者と指弾しても、子にとっては、良い親であると評価できることもしばしばである。

子どもに迷惑をかけてきた歴史を反省しよう。

法曹改革を経て誕生した弁護士が、率先して改めていくことこそ責務だ。

つづく

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