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法制審議会家族法制部会第18回会議議事録8~佐野幹事・棚村委員・菅原委員・柿本委員・赤石委員・杉山幹事・菅原委員・水野委員

昨日は弁護士会館にいてよく学び

谷間世代X共同親権が鍵になる?

は、ともかく、ドイツについての学びからの交流

谷間世代X共同親権が鍵になる?

は、ともかく、ドイツについての学びからの交流

先日、合宿にもお立ち寄りいただいた松野先生ともよく語らい
文献探しのときに巡り合っていた先生方との出会いなんていう夢の時間

パワーをいただいたところで、議事録を読んでいく


○佐野幹事

 

私も、重ねての御指摘で申し訳ございません。3ページの3(2)アの、監護に関する事項の括弧の中、イにおいて、それを除いたものが親権者の権限となるので、明確にしていただきたいと思います。そうしないと、意見が言えないというところがあるかと思います。特に、身分行為中の法定代理権がどこまで含むことを前提として御提案しているのかということについては、明確にしていただきたいと思います。また同意権の部分も非常に分かりにくいと思います。法律家は財産管理権の民法5条のところかと思いますが、必ずしもそうは思わないという方もいらっしゃるのではないかと思いますので、そこは少し明確にした上で提案するという形がよろしいのかなと思います。
 あと、9ページの上の部分なのですが、これは本当に個人的な意見ですが、それぞれのお立場からの考え方があるとは思うのですが、例えば、試案本体には、父母が他方に無断で子を連れて別居した場合においては、当該別居から現在までの状況を考慮すべきでないという考え方がある一方で、この別居期間の状況を考慮要素から除外すべきでもないという考え方もある等と記載した上で、補足意見の方で、その具体的な御意見の内容を御紹介するという形にはならないのかと思いました。
○大村部会長 ありがとうございます。2点頂きましたけれども、3ページの(2)イの括弧書きの御指摘がありましたが、これは先ほど別の形で御指摘があった意見と共通かと思います。それから、9ページの(注1)については、様々な御意見があるのですが、様々な御意見があるので、むしろ補足説明の方に回したらよいのではないかということも含めて検討をさせていただきたいと思います。

議論が不足しているのでは?


○棚村委員

 

早稲田大学の棚村です。私は、4ページの(4)のところで、居所指定権というのがくくり出されていて、親権者の関与について定められています。これについては私の理解としては、日本の場合には、この居所指定とはいうのですけれども、先ほど言ったように、一時的にどこかに旅行に行くことから、海外への渡航もそうですし、住居の引っ越しでも使いところから遠くまでいろいろなものが実は絡まっていて、ほかの国だと、この居所指定権というところで、子どもの連れ去りに対する引渡し請求とか、それから、転居ということでリロケーション(Relocation)について話合いができない場合には、どういう基準で裁判所がどう判断して解決するかとか、いろいろな細かい規定があるところです。多分、事務当局としても、同じ親権とはいっても教育ですとか通常の監護に関する決定とは違うような、住む場所を変えるとか、居所の問題についてはいろいろな特殊な事情や形態争いの内容がある中で、多分、どちらが決めることにした方がいいのか、それとも、決まらない場合にはどういう効果とするか、α、β、γとかといういくつかのバリエーションに分けたものを提案をして、是非この点についての特別に規律みたいなもので御意見を聴きたいという趣旨で出されたのだと思います。
 赤石委員がおっしゃったように、確かにアンケートや実情ではこの辺りのところが非常に争いになりやすいところですから、ある意味ではもう少し細かく聴くということもあると思うのですけれども、いずれにしても、この居所指定というのが一番、親権者の権限として、しかも争いになりやすいところなので、もっと実は細かい規定なり、細かいルールがほかの国では定められていると実情にあります。しかし、日本ではそういう事情の中で、今回くくり出して別に意見を聴いたということにはかなり意味があるのかなと考えました。
 更に言うと、この居所指定をめぐって起こり得る問題の解決については、大分工夫する必要が出てくる可能性があるので、これについて先ほど赤石委員も含めた当事者の方たちの反応というのは、今後のパブコメを取った後の新たな制度として、転居とかリロケーションみたいなものを決めるという制度が必要だという声がもしあれば、私も是非賛成したいと思います。しかし、このような形になって争われてくる前哨戦としての居所指定についてのルールの聴き方としては、こういう聴き方でいいのかなという感じを持っています。
 それから、6ページのところで、第3の1の離婚時の情報提供に関する規律なのですけれども、これについては長らく研究とかいろいろなことをやってきてました。その観点から、池田委員がおっしゃるように、努力義務とかそういう形で義務と要件を分けてはどうかという御意見については、なるほどそういう考え方もあるなと思いつつ、実は義務化したときに一体これは誰の義務なのだろうか、誰に対する義務かということを考えると、養育計画みたいな形で当事者の間で話し合う、協議をする父母の義務というときは割合と当事者がはっきりするのですけれども、この講座の受講を要件にする場合には、協議離婚のハードルになって、原田委員もよくおっしゃっているのですけれども、当事者の負担にもなってくるという懸念もあります。そういうようなことを考えると、今回、誰の誰に対する義務というよりは、むしろ協議離婚をするときに必要なこととするのか、そうではなくて、むしろできるだけ望ましいということで促進策にするのか、これは実施主体とか内容とか、いろいろなことにも関わってくるものですから、今回、義務という形よりは、協議離婚のときに必要な要件として求めるか、求めないかという聴き方で、取りあえずざっくりと聴くという方法のほうが良いと考えています。ある意味では私は重要性という意味では、こういう当事者に対する情報提供というのは重要で、相談支援体制みたいなことも関わると思うのですけれども、一応、義務というよりは要件という形で、協議離婚を認める上で制度的に必要なものとしていくかどうかという聴き方でよろしいのかなという感じを持っています。
○大村部会長 ありがとうございます。棚村委員からは、4ページの、議論になっております居所指定権について、もう少し細かくという考え方もあるかもしれないけれども、現時点での聴き方としてはこれでよいのではないかという御意見。それから、第3の1の講座の義務化という点については、努力義務とすることには難点もあるので、要件化するか否かという現在の聴き方でよろしいのではないかという御意見を頂きました。ありがとうございます。それも勘案して検討をしていただきたいと思います。

連れ去り禁止、とは言わないのだけどね

○菅原委員

 

ありがとうございます。全体につきましては、大変分かりやすくなり、私個人としては事務局案を支持したいと思います。その上で、少し細かい点について1点意見がございます。
  12ページの5番の家庭裁判所の手続に関するその他の規律の見直しの(2)の2行目ですが1行目から、父母の一方から他の一方や子への暴力が疑われる場合には、となっているのですけれども、親にしろ子にしろ、その安全を脅かすものとしては、身体的な暴力だけではなくて、その他の様々な種類の虐待も該当します。(前注)の方でも配偶者からの暴力や父母による虐待と、暴力と虐待の両方が併記されておりますので、12ページの(2)についても、暴力や虐待、と併記していただけるとよいのではないかと思います。検討いただければ幸いです。
○大村部会長 ありがとうございます。今の点、ここを直すのか、あるいは説明をするのかという点も含めて、御検討をお願いしたいと思います。

よっぽどわかりにくすぎたのだよね

○柿本委員

 柿本でございます。全体的に理解しやすくなったと思います。2点でございます。
 7ページのところの2(2)のアとイのところ、先ほどから出ておりますけれども、一般先取特権のところでございますが、具体的にどのような事かというのを文章に入れ込んで説明していただけると、市民としては理解しやすくなると思います。
 それから、2点目、9ページのところ、(注2)でございますが、安心・安全な面会交流という表現のところでございますが、赤石委員提出のアンケートを読ませていただいて、面会交流時には、実際には多様な事例が起きているということが分かりました。安心・安全な面会交流とはどのようなものか、具体的事例など、加筆をしていただければとおもいます。以上です。
○大村部会長 ありがとうございます。柿本委員からは2点ありましたけれども、7ページの一般先取特権は、やはり中に説明を加えてほしいという、先ほどの青竹幹事の御意見ですね、これに賛成するということ。それから、もう一つは、9ページの(注2)の④、これは赤石委員がおっしゃっているように、イメージが湧くようにもう少し書いてほしいという御要望だったかと思います。
 まだ皆さんから、4までについて御意見があるかもしれませんけれども、時間が残り少なくなってまいりましたので、5から8までについて御意見を伺い、もしまだ1から4についても言い残しがあるということでしたら、それについて触れていただいても結構だという形で引き続き御意見を伺いたいと思います。5から8まで含めて御意見を頂ければと思います。どうぞ御発言があれば、お願いいたします。

しかし、あの意見書のメンバーになってしまうなんて

○赤石委員

 

ありがとうございます。しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石でございます。11ページ、3です。面会交流に関する裁判手続の見直しの(1)ア、イとなっております。ずっと暫定的面会交流命令について議論があったわけですけれども、新たな規律を設けるべきではないという考え方が(注1)に書かれております。この間も議論があったと思うのですが、こちらをウとして選択肢に挙げていただけるといいなと思います。要するに、現行のままで新たに設けないという、それで、考え方というふうにアとイが収まっているので、であれば、設けない考え方となるのか、少し分からないですけれども、何で考え方で丸まっているのか分からないのですけれども、見直ししないという選択肢があるということが書かれていた方がよいかなと思います。
 論拠としては、私どもが調査したときに、やはり調停や裁判を経過して面会交流を決めるときに、かなり面会交流原則実施論というのが言われてきて、10年たって、それの見直しをしているというような御報告もあったかとは思うのですけれども、しかし、いまだに誘導的に、やはり面会交流をする方向に誘導されている結果、かなり裁判や調停を経過した面会交流の実施に対する満足度、できればやめたいという声が強かった、協議離婚の方よりも全然違うということが私どもの調査で分かりました。ということもあるので、やはりこれをしないという選択肢をお示しいただきたいと思います。もちろん調停や裁判の在り方が変わっていく可能性というのは否定はしないのですけれども、しかし、いろいろな論文が書かれても、まだかなり問題点が挙がっているということを考慮すると、こうしておいた方がいいかなと思います。
○大村部会長 ありがとうございます。赤石委員からは、11ページの一番下の(注1)を3の本文中の選択肢に上げた方がよいのではないかという御意見を頂きました。これは御議論があって、(注1)に今、収まっているわけですけれども、これまでの経緯も踏まえて、本文にすべきかどうか、これは事務当局の方で少し御検討を頂くということでお願いをしたいと思います。

最近は、共同養育に賛成なのよね

○杉山幹事


 幹事の杉山です。細かいことで、かつ前回見落としていたことで、恐縮ですが、12ページの4の民事執行に関する規律のところでありますけれども、まだ十分に検討できていないので、この程度の記載しか今の段階でできないと思いますが、(注1)のところが、もしかしたら誤解を生じさせるのではないかという気がします。(注1)の中では、1回の申立てにより、債務者の預貯金債権・給与債権等に関する情報取得手続、財産開示手続、判明した債務者の全ての財産に対する強制執行等を行うことができるとあります。ただ、部会資料13の段階では、判明した財産に対して順次強制執行をしていく案が示されておりで、超過差押えを認める方向性までは十分に議論されていなかったと思いますし、全ての財産という表現であると、文字通り判明した全ての財産を差し押さえられてしまうのではないかという誤解を生じさせるのではないかと思いますので、少なくとも全てのという文言は削除していただいた方がいいのではないかと思います。よろしくお願いします。
○大村部会長 ありがとうございます。12ページの4の(注1)について疑義が生ずるのではないかということで、対応が必要ではないか、全てのという部分を削除すれば大分よくなるという御指摘だったかと思います。

強制執行も変わる

○菅原委員

 すみません、菅原です。先ほど間違ってしまいまして、第5の方に入って言ってしまったのですけれども、実は2か所ありまして、9ページの(注2)の方にも、④の安全・安心な面会交流を実施することの可否の括弧の中に、やはり暴力だけになっておりまして、ここも暴力や虐待としていただけたら、と思います。また先ほど指摘させていただきました家裁の12ページの(2)のところにも、2か所、暴力だけになっていますので、こちらも併記をお願いできればよいのではないかと思います。よろしくお願いいたします。
○大村部会長 ありがとうございます。先ほどの御発言の補充を頂いたと理解をいたしました。9ページの(注2)についてですね。

暴力虐待 ダメ

○水野委員

 

ありがとうございます。水野でございます。先ほどの赤石委員の御指摘の第5の3の1のところでございます。(注1)に、新たな規律を設けるべきではないという考え方とは書いてはあるのだけれども、これをもっと本文のところに上げてほしいという御意見だったのですけれども、私は反対の立場でございます。赤石委員の御懸念はものすごくよく分かるのですけれども、最初にそもそも(前注)に大きくその問題を書いてありますし、そして、面会交流は本当に最低限で、かつ具体的に実現を考えなければならないことだと思っております。目標は、おそらく赤石委員の御意見とあまり離れないと思いますが、そういう問題のある場合を具体的に確実に救出することだと思います。そして、もちろんDVがあるとか、あるいは虐待があるときに危険な面会交流をしてはいけないのは自明なのですが、それをそういう場合はしないという形で提案するよりも、とんでもないことは自明なので、そういう場合にどのように確実に防いで救出するかという具体的な議論と、それから施策に結び付けていくことが非常に重要だろうと思っております。そういう意味では、原案のような御提示の仕方の方が建設的に今後の社会を動かしていけるように思います。
○大村部会長 ありがとうございます。11ページの(注1)についての御意見を頂きました。先ほどの赤石委員の御意見とは違う御意見ですけれども、目指す方向は多分同じなのだろうと思います。表現の仕方、あるいは、そのために具体的な制度をどうするのかということについて問う際に、今の問い方でよいのではないかという御意見だったかと思いますので、それも参酌して事務当局の方で、ここをどうするかをお考えいただきたいと思います。
  ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

あ、赤石ー水野で分かれる


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