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法制審議会家族法制部会第25回会議議事録読む2~原田委員・戒能委員・大石委員・赤石委員・北村幹事・窪田委員

アクションの成果が続々

じわじわ

共同親権が止まらない

漫画もすごい

議事録読んでおこう



○原田委員

 委員の原田です。私も佐野幹事と同じことの御質問だったのですけれども、前の法制審のときの議論でそういう議論があったにもかかわらず、現在の実務は清算的要素が中心で、2分の1は取り入れられたとしても、扶養的要素や補償的要素を明文の中に入れなければ解釈の指針になり得ないのではないかという懸念がありまして、そういう意味では、ここで議論したことが解釈の指針になるのだということでよければ、それでよろしいのかなとは思います。ただ、パブコメの中で裁判所から出ている意見で見ると、やはり清算的要素を中心に考えるということで、ほかにいろいろすると判断が難しくなるとか、長引くとかいう御意見もありましたので、そういう意味で非常に懸念を持っているということをお伝えしたいと思います。
○大村部会長 ありがとうございます。今まで出ている幾つかの意見と共通だと思いますけれども、補償的要素が反映されるというのが解釈で可能なのか、そうでないのかということとの兼ね合いで議論していく必要があるという御指摘を頂いたものと理解をいたしました。

まだ財産分与の話か

○戒能委員

 戒能です。今までおっしゃった皆さんの意見と同じ方向性だと思うのですが、考慮要素における補償的要素の評価というところです。それで、稼得能力の問題と、もう一つは相手方の、夫なら夫のキャリア形成とか能力開発への非金銭的な寄与という側面もあるということです。キャリアの格差というのは所得の格差につながっていき、それが養育しているこどもの貧困につながる可能性もあるということですので、子の福祉という観点からも、これはきちんと、2分の1ルールでは不十分な場合があると思いますので、明記してほしいというのが第一なのですが、それが難しいというようなことであれば、解釈の指針として掲げていただきたいということです。
○大村部会長 ありがとうございます。戒能委員からも、第一次的には要素を書き込みたいが、そうでなければ解釈の指針についてここである程度の考えを出しておく必要があるという御意見を頂戴いたしました。

子育てする人こそキャリアになるときもあるような

○大石委員

 大石です。すみません、先ほど少しマイクが不調でございました。
 ほとんどの委員の先生方がおっしゃったことと同じではあるのですが、扶養的要素の扱いについては、基本的には婚姻期間中のそういった役割分担というのは所与の条件の下で合理的な判断として行っていたと経済学的には考えることができます。ただ、それはその所与の条件の中に、労働市場における男女間格差ですとか雇用格差などの面が含まれているわけで、そうしたものがなくならない現状においては、ある程度、扶養的要素ないし補償的要素といったものをどこかで考慮する必要がまだあるのかなと私自身は考えているということを申し添えさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○大村部会長 ありがとうございます。大石委員からも、現状においては扶養的ないし補償的な要素をなお考慮する必要があるのではないかという御意見を頂戴いたしました。
 これで一応、前回御発言の希望があった方からは御意見を頂戴したかと思いますけれども、その他にもし追加的な御発言を特に御希望の方があれば承りますが、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。実は久保野幹事からも御発言の希望があったのですが、今日は遅れていらっしゃるということですので、後の方で御意見を頂戴する機会を別途設けさせていただきたいと思います。その点を留保した上で、取りあえず今までのところの御意見をまとめさせていただいて、先に進みたいと思います。
 前回及び今回、部会資料24の第5に関しまして、1につきましては、財産分与の目的あるいは考慮要素を法定するということ自体、あるいはいわゆる2分の1ルールを定めるという大きな方向性については、特に強い御異論はなかったと認識をしております。ただ、前回及び今回も御議論いただきましたけれども、どのような考慮要素を掲げるのがよいのかという点については、なお御意見があるということで、更に検討の必要があると思いますので、事務当局においては今後、その部分についての頂いた御意見を御考慮いただいて、更に要綱案のたたき台を準備していただきたいと考えております。
 それから、第5の2の期間制限の点につきまして、武田委員から現状維持が早期解決との関係でよいのではないかという御意見を頂きましたけれども、他の委員、幹事からは特にこれについての反対の意見というのは出ていないと理解をいたしました。武田委員の御指摘も踏まえまして、この点につきましても更に事務当局の方で検討を頂くということにさせていただきたいと思います。
 第5の3の財産に関する情報開示義務の点につきましては、第4で取り上げた情報開示義務と同様に、手続法上の開示義務の規定を新たに設けるという方向で検討をするということでおおむね賛成を頂いたけれども、その際の検討の在り方について御注意を頂いたと理解をしております。

一応一区切りか

○赤石委員

 よろしいですか、今のところの追加の発言。
○大村部会長 はい。
○赤石委員 ありがとうございます。しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石です。まず、扶養の要素について。
○大村部会長 ごめんなさい。今、追加をお願いしますと申し上げたのですけれども、後で久保野幹事からも発言いただきますので、そのときに併せて御発言いただいて、二つの発言を更に加えた形でまとめさせていただいて、先に進むということにしていいですか。
○赤石委員 分かりました。
○大村部会長 では、そこはそのようにさせていただきたいと思います。申し訳ありません。
 それでは、今のところは久保野幹事と赤石委員、更に御発言があるということを留保した上で、直前に私が申し上げたようなところで引き取らせていただきたいと思います。
 それでは、続けて部会資料25の方に入らせていただきたいと思います。部会資料25は父母の離婚後の親権者に関する規律の見直しについてということになりますが、この点について御議論を頂きます。
 まず、事務当局の方からこの部会資料25について御説明を頂きたいと思います。

資料25に突入

○北村幹事

 事務当局でございます。部会資料25では、父母の離婚後の親権者に関する規律を取り上げております。この部分につきましては、パブリック・コメントの手続でも本当に多くの方から様々な御意見が寄せられたところでございます。
 そこで、今回の資料ですけれども、従来の部会での検討状況や、これらパブリック・コメントの手続において寄せられた意見も踏まえつつ、少なくとも離婚後はどちらか一方しか親権者となることができない現行民法第819条を見直す必要があるのではないか、そして、離婚する夫婦も多様であることから、まず、今回は父母が協議離婚の際に双方を親権者とすることについて合意ができる場合に、双方を親権者とすることができることを検討すべきではないかという観点で資料を御提示しております。
 この点を議論するには様々な前提の議論があって、御主張もあろうかと思いますが、今申し上げましたように、今回御議論いただきたいのは、協議離婚の際に双方を親権者とすることにお互い合意ができる場合について御検討いただきたいと思います。誰を親権者とすべきかについて互いに争いのある場合や、従前からのこの部会の中で御指摘いただいておりますけれども、夫婦間の力関係によって真の合意ができない場合があることについての検討や、具体的な親権行使の方法の在り方等、具体的なところは次回以降で更に御議論いただきたいと思っておりまして、今後検討すべき点についても御示唆いただきつつ、今回は、先ほど御説明した場面において、大きな観点での御議論を頂ければと思っております。
○大村部会長 ありがとうございます。親権に関する問題としては、様々な問題が絡まっておりまして、それらについて全体を議論する必要がございますけれども、差し当たりの取っ掛かりとして、今お話があったように、離婚後の親権者について当事者間で合意ができる場合の規律というところから考えてはどうかというようなことで資料が作られていると理解をしております。これにつきまして、様々な御意見があろうと思いますので、御自由に御発言を頂ければと思います。どなたからでも結構ですので、お願いを申し上げます。

交通整理しながら、いよいよ共同親権の議論

○窪田委員

 御説明を頂いた部会資料25で提案されている方向性についてですが、賛成の立場から意見を述べさせていただきたいと思います。離婚後の親権、子の養育の在り方については様々に意見があって、この部会においても見解が対立しているということは十分に認識しております。ただ、父母が離婚に際して十分な協議をした上で、双方を子の親権者とするという真摯な合意がなされた場合には、それを認める法制度を作るということ自体は十分に合理的な選択だと考えております。重複するかもしれませんが、幾つか理由があります。
 一つは、家族の在り方が多様化していて、そうした中で、離婚後も元夫婦の双方が親権者として共同して子の養育に当たるという形態があり得ること自体は否定されるべきではないと考えております。また、それが真摯な合意に基づくものである以上、それを尊重するというのが出発点にあります。
 次に、資料とともに、これに関連するパブコメにおける消極的な意見も、今回、丁寧に拝見いたしましたが、そこに示されているものの多くは、合意による共同の親権についてではなく、合意の有無にかかわらず共同親権が認められることに対する懸念ではないかと思います。必ずしも今回提案されているような、離婚に際しての合意が成立した場合にまでのものではないように思われました。もちろんそれに限定せず、そうしたことに対する否定的な意見も含まれているとは認識しておりますが、しかし、離婚に際して元夫婦が真摯に合意した場合にまで、それを無理だ、あるいはうまくいかないといった批判は、私自身は過剰なパターナリズムであるように思います。ここで扱われているのは、仮に自分の立場や選択は違っているとしても、真摯な合意によって離婚後も共同で子の養育をしようとする他の元夫婦の選択を許容するのかどうかということが問われているのではないかと考えております。
 最後に、これは部会資料の中でも触れられている点ですが、現行第819条を前提とする場合、仮に離婚に際して子の養育には共同で当たるといった合意を夫婦間でしたとしても、その場合、親権者とされない者の法的立場、これには権限と義務の両方が考えられると思いますが、その点が明確ではありません。その意味でも、夫婦が離婚に際して双方を子の親権者にして子の養育に当たるという合意がなされた場合には、その合意を尊重して、適切な法的規律を整備するというのが法の役割であるように思われます。
 すみません、少し長くなっておりますが、もう少し発言させてください。今後の課題ということになりますが、こうした合意を含めて、元夫婦の両方が親権者となった場合に、様々な規律を整備する必要があるということは、先ほど御説明もあったとおり、当然だろうと思います。消極的意見の中では、様々な具体例を挙げて問題を指摘するものもありましたが、合意によって元夫婦の双方が親権者となるということを認めた場合には、正しくそうした規律を整備するのがこの部会の役割なのではないかと考えております。
 なお、考えられる問題の中には、現在でも婚姻中の共同親権に関して存在しており、にもかかわらず十分に対応されてこなかったという問題と、離婚後の元夫婦の双方が親権者となる場合に新たに生じる問題の両方が含まれるということだろうと思いますが、この前者の問題も含めて規律を整備する必要があるのではないかというのが私の認識です。
 長くなってしまいましたが、以上が私の意見です。
○大村部会長 ありがとうございます。窪田委員からはたくさんの御指摘を頂きましたが、三つぐらいにまとめさせていただきたいと思います。基本的には部会資料25のゴシックのような方向で考えるということでよいのではないかという御意見だったかと理解をいたしましたが、一つは、そのときの基本的な考え方をおっしゃったように思います。それは、一方で家族が多様化しているということに対応していく必要があるだろうということ、他方で様々な要望についての法的な対応、バックアップしておくということが必要だということを原則というか、基本のレベルでおっしゃっていたかと思います。それから、もう一つ、合意があれば認めるということについて、夫婦間で真摯な合意がある場合にこれを尊重するという点については、そうすべきではないか、そして、反対意見の中には、合意の有無にかかわらずということを前提にしている議論もあるだろうから、合意があるという場合については合意のない場合とは区別して考えるべきではないかという御指摘を頂いていると理解しました。最後に、今後これを前提としたときに検討すべき課題ということで、現在もある問題も含めて考えていく必要があるという御指摘だったかと思います。ありがとうございます。

過剰なパターナリズム っていうワード

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