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法制審家族法制部会第9回議事録6~佐野幹事・赤石委員

単独親権制の憲法適合性という問題提起が止まらない

もう100日離婚で100日交流を達成させちゃって欲しい

そういう時代

連日調停が成立しつつ、やっぱり、新しい離婚訴訟モデルを推す

音楽の力でも周知活動

NHKでも共同養育

議事録では、どんな話でしょう

○佐野幹事

 第2の7ページのところから意見を申し上げさせていただきます。②のところですけれども,先ほど武田委員からおっしゃったように,私も子の意向というのがこの要素の中に入ってくるべきかと思っております。それから,③の家裁の許可というところですけれども,私も全件,連れ子の場合も孫養子の場合も許可があるべきとの意見です。研究会のときには,連れ子養子の場合は数が多いということもあり,これは除くべきではないかという議論,また,連れ子養子の場合に不許可とできる場合があるのかという議論があり,そのときはそれもそうだなと思ったのですけれども,いま改めて考えると,それでもやはり子どもの意向が家裁で聴取される機会にはなるというところもあると思っています。そういう意味では,やはり連れ子養子の場合も,子の意見を聴いて判断する場所として,家裁の許可というのはあり得ると思っております。 
 また,孫養子ですけれども,孫養子も家裁の許可があるべきというのは分かるのですが,他方で第三者に対する監護者指定が今,最高裁の判断で,できなくなってしまっており,孫養子がその受皿となっているというケースもございます。そういう事案については,第三者に対する監護者指定ができないという今の法制度を前提とすると,ますます救済の道を狭めることにつながるのであれば,ちゅうちょを覚えるところです。ステップファミリーのケースもそうですけれども,やはり複数の養育者が関与する中で,それを調整するシステムというのが必要なのではないかと思っております。
 あと,④番の非養育型ですけれども,これは私も慎重にすべきという意見です。普通養子縁組は双方向的な関係,権利義務両方,つまり義務の面も生じますので,それを代諾で代諾権者が判断してしまう,あるいは未成年の間に判断させるというのがどうなのかと思っております。特に,家とか墓の承継というものを,子どものうち,あるいは代諾でほかの人が判断してしまう,親権者が判断してしまうというのがどうなのかという点を根本的に疑問に思います。
 それから,11ページの方ですけれども,簡単に申し上げます。15歳という年齢を引き下げるべきというのは,そこは賛成です。それから,②については少し私も迷っております。というのは,実親の意見を聴かなければいけないとすると,そこで調整が入る契機にはなるのかと思っています。つまり,それを契機に子どもの意向が聴取されるということもありますし,養育費が養子縁組の段階で実親が全く知らなくて払われている場合,後々で返還請求の話などが出てくるわけですが,それを調整するとか,あるいは,後の扶養の話にも関わってくるのですけれども,実親が扶養の義務を,ある程度負担すべきというような場合,そこで実親養親間の養育費額を調整する機会にもなるのかなという意味です。場合によっては実親の方に,必ずしも同意ということでなくても,意向聴取でも,話が伝わるというシステムはあり得るのかなと思っているところです。

○大村部会長 ありがとうございます。前の池田委員と共通のところもございましたけれども,連れ子養子について,孫養子の現在の利用状況を考えると,それを阻害しないような対応も必要なのではないかということと,それから,11ページの②のところで,全ての父母の養子縁組への関与という点について,迷っているという御発言がありましたけれども,こうした場を設けることによって調整がなされるということがあるのではないか,これは,先ほどの連れ子養子,孫養子についてもそのようなことがあるのかもしれませんけれども,そうした点について追加的な御指摘を頂いたと受け止めさせていただきました。

○赤石委員 

ありがとうございます。しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石でございます。養子縁組について私は余り知見がございませんので,シンプルにお伝えしたいと思います。まず,連れ子養子の家裁の許可というのは,どのような手続になるのか想像が付かないので,もう少し詳細がないと,少し分かりかねるという感じです。
 11ページの①の,子の年齢を引き下げて意見を聴取するというのは賛成です。やはり15歳というのは少し大きすぎるのではないかと思います。虐待とかいろいろな話があるのですけれども,私がひとり親の方たちを支援してきて思うのは,やはり社会の中で一人,もちろん養育費などを頂くことは望ましいわけですけれども,今,4人に1人しかもらっていないわけですけれども,面会交流の率なども低いわけですけれども,ある程度,一人で子どもを責任を持って育てていくに十分な社会的な基盤がないところでやっている。もちろん武田委員のように関わり続けようと意思をお持ちのお父さんもいますけれども,そうでない方もたくさんいらっしゃるということは認識された方がいいと思います。そういうときに,やはりこの社会の中で非常に不安であるということで,いろいろな頼り方があるわけですけれども,私は御自分がもう少し自信を付けて働けるような御支援をしているわけですけれども,やはり男性に頼った方が早いよねと思われる方もこの世の中にはいらっしゃるわけです。だから,社会的な基盤がないところでやはりいろいろなことが起こってしまっているというのが実情だと思っているので,養子縁組の話というのは,もう少し広い社会の中の見方というのがないと解決しないなというような印象を持っています。
 そういう中で,11ページの課題の②ですね,全ての父母が養子縁組に関与すると,その関与の仕方は多様であると思うのですけれども,これを書かれた事務方としては,関与の仕方のパターン,内容はどう思って書いているのか,全く一人で子どもを育てているシングルマザーの方,シングルファーザーの方に聴いて,子どもの父親はどこにいるか,連絡が取れるか,そんなことを知っている方の方が少ないです。少ない実情で,一体,捜し当てられるのか,養育費すら,どこに住んでいるか分からないから履行勧告が届くかも分からないですとか,そもそもそんな気持ちにならないですとか,追えないからもう泣き寝入りしているような方たちが多いときに,現実的に一体どうするのという感じなのですね,ここに書かれているけれども。よく分からなくて,もう少し御説明がないと意見も言えないという感じなので,戸籍と住民票で追っていって追えると仮定しておられるのか,追えない場合はもうしようがないねと諦めるのか,全然分からなくて,何ともいえなくて,とても非現実的な議論に思えてしまいました。そのときに養子縁組できないとかいうことになってしまうのであるのか,それが子の利益になるのかどうかとか,私が見ている社会の有様では少し考えられないなという感じがしています。
 もちろん,非常にお子さんに関心を持っているお父さんが養子縁組について知らされていなくてつらい思いをされているですとか,そこで何か関係が断ち切られてしまうですとか,そういったことはよろしくないとは思うわけですけれども,では法改正すればみんなの利益になるという保証はどこにもないと思います。あと,私どもももちろん,再婚する前には必ずこのチェックリストを見てねというチェックリストを発表しているのですけれども,そこには,本当に信頼が置けるかとか,お子さんのことを自分の都合よりもきちんと優先できるような人でしょうかとか,いろいろ書いていて,お子さんの意向を何しろ聴きましょうと,そういうムーブメントというのをやっております。
 お子さんの意向を聴くということは,きちんと社会的な認識がもっと広まるべきであると私は思っています。やはり一番意見の言いにくい,社会的に弱い立場の者が養子縁組ですとか再婚のときに生活を左右されてしまうということの認識を大人が持つべきであるということをお伝えしているつもりなのです。なので,そういう認識の醸成というのはもちろん必要であると思うのですけれども,ここで書かれていることというのが非常に,法律を優先して変えていけば,何か子どもがハッピーになるというようなことなのかなというのは,よく理解ができないというのが私の今の現状でございます。

○大村部会長 ありがとうございます。7ページについて,連れ子養子については,差し当たり意見を保留されるとおっしゃっていたかと思います。11ページの①,②について,主として御意見を頂きました。①については,年齢引下げ等について,基本的な方向には賛成だけれども,法律を作るだけで子どもの意向を十分に反映できるかということについては考える必要があるだろうという御意見を頂いたと理解を致しました。それから,②の父母の関与については,関与の内容がどういうことであるかによって議論の仕方が違ってくるという御指摘がございましたけれども,これは先ほど来出ているように,どのような関与を考えていくのか,あるいは,例えば同意が必要だというときに,同意ができないというときにはどうするのか,現行法の下でもそうした対応がなされている場合がありますけれども,そんなことを考える必要があるのだろうと思いますが,そうしたことを踏まえるとしても,全体として父母の関与というのは現実性が乏しいのではないかという御感触を示されたと受け止めました。
 赤石委員まで御意見を頂きましたので,この後は,落合委員,戒能委員,柿本委員,沖野委員という順番で伺いたいと思います。ただ,大分時間がたちましたので,落合委員は先ほどからお待ちいただいているので,落合委員の御発言を頂いたところで一旦休憩して,休憩後に戒能委員,柿本委員,沖野委員の御意見を頂くということにさせていただこうと思います。

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