共同親権弁護士プレゼンツ~教育費分担計画

また22日の日がやってきた!共同親権Dayプレゼンツ

ちょうど、法制審の議事録公開も更新され(第6回までオープン)、ウェビナーの予定も立ったところ

でも、今日は日頃のまとめを発信したいと思う

来週から議事録読みを14分割で用意して、ウェビナーに向けて用意していくので、よろしく

今年は、女性からの依頼が増えているような気がする

不貞慰謝料請求では、まあ事案に助けられてか、けっこう画期的な判決を得たり、保護命令事件も完遂して、扱う事件の幅が広がってきている実感がある

立場互換性ありきで考える重要性もしみじみ思う

今、強く発信していきたいのは、学校面交流の肯定だ

この議論はどんどん尖らせていくと、議論が活性化するように思う

もしかして、「面会交流」を、無機質な事務所の一室で小一時間だけ見守られながら、会議のように過ごすモノ、って思い込んでいやしないか?

そんな「面会交流」と学校は、たしかに相容れないだろうし、何も、学校面会交流を積極的に望むものではない

授業を妨害するものでもない

でも、休み時間や放課後があって、友だちの中で過ごすわが子とのコミュニケーションというのも十分親子の交流に叶うこともあるし、学校に掲示される制作物なんかを通して、子どもの成長や関心を知る場にもなったりする

学校にとっても親御さんと風通しのいいコミュニケーションが取れれば一番だし、子の成長を見守る目が多ければ安心だ

何十人もの児童の親御さんと関わるのである

少子化もあいまって、かつてほど「親の数」も減ってきている

子どもひとりにつき、2人の親と連絡をする、ということ自体、学校側も不可能ではない

むしろ関心のある親御さんには伝えたいこともあるだろう

学校の中で問題のある親というのは、子に向き合わず、関心を示さないか、お門違いのクレームをいうケースのことではないか

地域の人とさえ連携する場が学校である

別居親との交流を学校は歓迎するだろうし、拒む理由はない

あるとしたら、無意識に潜む、離婚がタブーという差別意識である

これを助長しない社会へと成熟することで、差別の問題を克服しなければいけないのだから、むしろ、学校面会交流によって、非当事者、当事者予備軍の子ども・親も「面会交流」があることを知って、理解も浸透していく、すでに数としては多数ある「離婚」を可視化して、日常に溶け込み受け入れられることが実現していくように思う

その方が、どれだけ優しい社会だろう

さて、本題の教育費分担計画を共同親権弁護士としてプレゼンツ

共同監護計画は、監護の実働面の計画にフォーカスされがちで、しかし、費用の面も本来重要であるはずが、なかなか文脈上登場しない

だが、この教育費分担計画の観点で切り込んでいくと、結果として、共同監護計画の普及にも有用に思う

養育費問題が未払を中心に、子どもの貧困と結び付けられ、問題提起される割には、相変わらず手薄、算定表の導入により、簡易迅速に決定できるような構造は与えられたが、日弁連では、この算定表を高額な方向へ見直そう、とする動きはあっても、それって迂遠にも思う

算定表で、お子さん一人でも毎月10万円を超える養育費になることがあることは、よく見る

きちんと支払われていき、養育費未払状況の方が珍しい、しっかり払っている分、だからしっかり成長に関わっていきたい、というのが、共同親権を求める層の実情に思う

これが偏っていることも理解している

客観的には、養育費未払ということが多発していて、払わないというより、払えない方が実際にある

実際の多くは、払われるか払われないか、いちいち催促したり、一喜一憂するよりも、児童扶養手当によって定期に定額支払われるからそれでよいとする(わざわざ家裁に通いつめることをしない)ことだって多いように思う

それゆえ、なかなか養育費事件自体成熟してこなかったように思われる

そこに時間をかけるよりも、もっと目の前のことが大変ということもあるのだろう

自分が離婚した10年前は、もっと頼りないもののように思えた

自分自身が頼りなかった受験生(無職・浪人生・キャリアなし)というのもあるけども、とても司法が救ってくれるようなものではないような気がしていた

しかし、最近手にとったこちら

年収資料からエイヤと算出するにとどまらない数々の冒険談が詰め込まれているように思えて、頼もしくなっている

その上で、そうした裁判例を踏まえて、規範が明示され計画まで、確立できるのであれば、見通しよく、子の養育環境の質のために貢献できるのではないか、と思う

養育費を単なる数字、金、ととらえると、払う側はより低く、受け取る側はより高く、と要望するのも自然な話であって、数字だけで綱引きしたところで、不毛でしかない

大切なのは、それが、子の育ちを支える費用である、ということ

これを、親に支えてもらう、それ自体が、親からの愛情であり、育つ上での自信にもなるのだと思う

お子さんの年齢のいつ離婚・別れるかによっても、ハードルが変わってくる

受け取る側も払う側にも共有しておきたい視点である

ー1歳

胎児のときに、別れることさえある

婚姻届の提出がなければ、未婚、あれば、出生前の離婚になると、自動的に親権者が母になるというパターンである

まだ見ぬわが子を抱きもせず、監護費用を考えるのはむずかしい 

このケースの養育費未払状況は深刻で、払われているケースは、わずか一桁%だったように聴く

未婚の場合には、親子関係さえない場合もあり、養育費の請求さえできない

まずは、土台が、認知あるいは嫡出推定によって親子関係を作ることである

-1歳の、ポイントは、法的親子関係の創設になる

乳児期~未満児

完全母乳と布おむつならば初期費用だけで、赤ちゃんは育つのか?

そうはなかなかいかず、ミルクやおむつ代のコストがかかる

保育園も入れない(0歳枠は限定される)のもあって、就労機会が制限されるという事情もある

3歳未満は幼稚園もなく、保育園だけなので、両親の経済格差も大きい時期でもある

公平な分担を考えるには、いろいろ思い馳せる必要がある

未就学児期

保育園・幼稚園の延長保育の利用によって、ある程度稼働機会が充実してくる

それでも、両親の経済格差は埋まっていないこともある

保育無償化の制度もあるが、それでも幼稚園の教育費などは相変わらず重い負担になることもある

就学期

義務教育になれば、就学援助制度もあったり、で教育費のコストは避けられる

しかし、単純に、成長している分衣食住にかかるコストは増加するだろうし(中学生男子の食費なんて?!爆)、習い事問題もある

ファイナンシャルプランナーも習い事の習わせすぎには警鐘を鳴らすところだろう

それでも、都心ならば塾のコストがより重く発生していたりする

これは婚姻中であっても父母の考え方が合致しないと大変なことになりかねない

教育方針の協議が自ずと必要になってくる

高校進学

義務教育を過ぎたが、今や、高校進学率が高まっており、ふつー高校生になる

しかし、義務教育では無償で配布されていた教科書も、自前で用意することになる

さらに大学などの進学も考えると、やはり塾にだって通うというのも標準的になっていたりする

費用がかかる

バイトもするかもしれないけど、将来を考えた時にどうあるべきか

親としてどう支えるべきか

とにかく手がかかっていた頃とは違うとはいえ、まだまだ親の支えが必要不可欠であることは明らかである

児童相談所出身で18歳となって「困っている」話が世にあふれているように、体格が大人に近づいて、精神的にも、成熟し始めていたりして、いっちょ前なことを言い始めていたりしていたり、でも、まだまだ親に頼っていかないといけない意味では自立も自律もできていない

ここぞと親として対応したいところ

大学進学その先

来春には、18歳で成人となる

しかし、養育費は、未成熟な子のための費用ということで、原則として終期は20歳とすることで維持されるし、最近では、大学に進学している間は終期が延期される、ということも浸透している

さらに教育費が追加して負担となる場合には、当然分担していくことが求められていく


教育費分担計画で子の養育の質を向上させていく

こうやって、表現すると、算定表では、15歳以上かで区切ってはいるけども、それ以上に、監護に関する費用の協議をする機会は多くありそうということになるし、ここを、特別な費用の分担について協議する条項があったとしても、現実に可能なのか不安が放置されていたり、再度調停を申立することの方がなかなか現実的とはいえなかったり

これをあらかじめ、教育費分担計画に盛り込んでおくこと、が共同監護にも有用だろう

子の成長に伴い当然見直すべき事項だけでなく、離婚後は、双方再婚をして家族のカタチが変容しうる

その場合に、どのような対応が可能なのか、どちらが再婚しても(養子縁組することも多いため)、「養育費は減額される」ことを踏まえ、必要な教育資金の捻出方法を考える(たとえば奨学金の連帯保証人になるとか)といった協議がやはり必要だろう

これは、そのために、過去離婚した夫婦である父母が同席して、っていうことばかりじゃなく、ADRや調停の利用によって、支援を得るということはあってもいい

教育費分担計画も共同監護計画も、子の養育の質向上に貢献する大切なものなのだとしみじみよくわかる






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