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補足説明 共同親権

支援措置の運用改善の朗報?!

信望するってほどじゃないけど、やっぱり、この難しすぎる問題に着実に取り組んでいることが伝わってくる以上信頼するしかない

法制審のもちゃんと読まないとね


今夜はウェビナーだから

補足説明をチェック

第2 親権及び監護等に関する規律

1 親権行使に関する規律の整備
⑴ 父母双方が親権者となるときは、親権は父母が共同して行うものとす る。ただし、次に掲げるときは、その一方が行うものとする。
ア 他の一方が親権を行うことができないとき。
イ 子の利益のため急迫の事情があるとき。
⑵ 親権を行う父母は、上記⑴本文の規定にかかわらず、監護及び教育に関 する日常の行為を単独で行うことができるものとする。
⑶ 特定の事項に係る親権の行使について、父母の協議が調わない場合(上 記⑴ただし書又は上記⑵の規定により単独で行うことができる場合を除 く。)であって、子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所 は、父又は母の請求により、当該事項に係る親権を父母の一方が単独で行 うことができる旨を定めることができるものとする。

(補足説明)
1 部会資料30-1からの変更点はない。
2 ゴシック体の記載1⑴イについて、第30回会議及び第31回会議では、一部の委員から、主として子の転居の場面を念頭に、「急迫の事情」の有無ではなく、「必要性」及び「相当性」の有無により判断すべきであるとの意見が示された。 このような意見については、まず、「急迫の事情」がない(例えば、父母の協議や家庭裁判所の手続を経ることが可能である状況である)にもかかわらず、父母の一方が他の一方に無断で子を転居させる「必要性」がある場合として、どのようなケースを想定するかなどを踏まえ、議論する必要があると考えられる。また、そのような議論の際には、現行法の解釈と比較しながら議論することが有益であると考えられる(注1)。 なお、第30回会議では、上記意見のうちの「相当性」について、子の転居の場面を念頭において、例えば、転居の際の手段が、無理矢理に子を連れて行くものであるかどうかや、暴力の有無、転居後に音信不通になったかなどを考慮してはどうかとの意見があった。もっとも、親権を相当な方法で行わなければならないことは、親権が「子の利益のため」に行わなければならないものであること(民法第820条)や親権者が子の人格を尊重しなければならないこと等(同法第821条)から当然に要求されるものであり、その相当性が要求されるのは、親権を単独行使する場面に限られるものでもない。そのため、上記意見の指摘する「相当性」については、それが親権の単独行使が許容される範囲を画する要素と位置付けるべきものであるかどうかを含め、議論する必要がある(注2)。

(注1)民法第822条は、「子は、親権を行う者が指定した場所に、その居所を定めなければならない」として、子の居所の指定が親権の内容に含まれることを定めている。そ して、子の居所の指定は、父母の婚姻中は同法第818条第3項により、父母が共同し て行うことが原則となる。そのため、一般的には、子の居所の指定をするためには、父母の意見の一致を要するとの説明がされている。 この資料のゴシック体の記載1⑴イの「急迫の事情」に相当するものについて、部会資料26の1⑵②では「緊急の行為」と表現していたが、この点について、第26回会議では、児童福祉法第33条の2第4項や同法第47条第5項との比較において、緊急 の行為についてのルールを設けることが整合的であるとの指摘があった。
(注2)部会のこれまでの会議では、本来であれば親権を共同行使すべき場面であったにも かかわらず、父母の一方が単独で親権を行った場合の取扱いについても検討すべきであるとの指摘があった。この問題について、当該親権行使が法律行為(子を代理しての契約の締結等)を伴うものである場合の当該法律行為の効力(有効性)については民法第825条の規律によって判断されることとなると思われる。 他方で、親権行使として行われる行為の中には、(例えば純粋な事実行為のように) その行為の法的な効力の有効無効という切り口によって解決することに適しないようなものもあり、そのような行為については、父母の一方が単独で行った行為の適否が問 題となった際に、その行為の結果として生じた状態を新たな親権行使によって是正することの要否という形で解決されることとなると思われる。そして、この場合の新たな 親権行使についても、本来であれば共同行使が原則となり、父母の話合いにより解決するか、または、この点について父母の意見対立が生ずる場合には、ゴシック体の記載1 ⑶の裁判手続による調整が図られることとなると考えられる。そして、この裁判手続の際には、裁判所は、この点について父母のいずれに親権行使を委ねるべきかを子の利益 の観点から判断することになるが、その判断に当たっては、各父母のこれまでの親権行使の在り方を考慮することもあり得ると考えられ、第30回会議で指摘のあった「相当性」もそうした考慮要素の一環として位置付けられるものと考えられる。

連れ去り抑止しようっていうのよね

2 父母の離婚後等の親権者の定め
⑴ 父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その双方又は一方を親権者と定めるものとする。また、父母は、下記⑷の審判又は調停の申立て をしていれば、親権者の定めをしなくても、協議上の離婚をすることがで きるものとする(注1)。
⑵ 裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の双方又は一方を親権者と定 めるものとする。
⑶ 子の出生前に父母が離婚した場合又は(母と法律上の婚姻関係のない) 父が子を認知した場合には、親権は、母が行うものとする。ただし、父母 の協議で、父母の双方又は父を親権者と定めることができるものとする。
⑷ 上記⑴若しくは⑶の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、父又は母の請求によって、協議に代わる審判 をするものとする。
⑸ 子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子又はその 親族の請求によって、親権者を変更することができるものとする。
⑹ 親権者の指定又は変更の手続において、裁判所が親権者を父母双方とするかその一方とするかを判断するに当たっては、子の利益のため、父母と子との関係や父と母との関係その他一切の事情を考慮するものとする。 また、父母の双方を親権者と定めることにより子の利益を害すると認め られるときは、裁判所は、父母の一方を親権者と定めなければならないも のとする(注2)。
⑺ 上記⑸の親権者の変更の手続において、家庭裁判所は、父母の協議によ り定められた親権者を変更することが子の利益のため必要であるか否かを判断するに当たっては、当該協議の経過、その後の事情の変更を考慮するものとする(注3)。
(注1)親権者の指定の審判又は調停の申立てについては、家庭裁判所の許可を得なけれ ば、取り下げることができないものとすることなどの手続法の整備をするものとする。
(注2)規律の内容をより具体的に定める観点からは、「父母の双方を親権者と定めること により子の利益を害する」場合を例示することが考えられる。例えば、父又は母が子の 心身に害悪を及ぼすおそれがあると認められるときや、父母の一方が他の一方から身 体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれの有無、親権 者の定めについて父母の協議が調わない理由その他一切の事情を考慮して、父母が共 同して親権を行うことが困難であると認められるときを列記するとの考え方がある。
(注3)規律の内容をより具体的に定める観点からは、「協議の経過」として特に考慮すべ 5 き事情を例示することが考えられる。例えば、父母の一方から他の一方への身体に対す る暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動の有無、家事事件手続法による調停の 有無、裁判外紛争解決手続の利用の有無、協議結果についての公正証書の作成の有無を 列記するとの考え方がある。


(補足説明)
1 親権者指定の申立ての取下げについて
部会資料30-1では、これまでの議論を踏まえ、親権者指定の審判又は調停の申立てがされていれば、父母が、親権者の定めをすることなく協議上の離婚をすることができる旨の規律を提示している。第30回会議及び第31回会議では、このような規律を設けるのであれば、その申立ての取下げを制限する仕組みを整備する必要があることなどの指摘があった。また、婚姻中の父母の一方から親権者指定の審判の申立てがされたものの、その後に離婚の届出がされない場面の取扱いについても検討が必要であると考えられる。そこで、 今回の資料では、このような手続法の整備をするものとすることを提示して いる。 なお、婚姻中の父母の一方から親権者指定の審判の申立てがされた場合における当該裁判手続中の親権者については、基本的に婚姻中と同様の状態(すなわち、父母双方が親権者である状態)が継続するものと考えられるものの、 その裁判手続中に行うべき親権の行使について父母の意見対立が生じた場合には、ゴシック体の記載第2の1⑶の規律により調整することが考えられるほか、事案によっては、審判前の保全処分により対応することも考えられる (この保全処分については、新たな規律を設けるのでなく、現行家事事件手続 法第175条に基づいて行うことが考えられる。)。
2 裁判所の判断枠組みについて 親権者の指定又は変更の際の裁判所の判断枠組みや考慮要素については、 第27回会議及び第28回会議において、裁判所が「子の利益」の観点から判断すべきであることを前提に、その具体的な判断枠組みをどのように規律すべきかが議論された。部会資料30-1では、このような議論を踏まえた考え方のたたき台を提示したところであり、第30回会議及び第31回会議においては、裁判所が離婚後の親権者の定めをするに当たっては、「プラスの要素」 (父母双方を親権者と定めることを肯定する方向の事情)を規定すべきであるとの意見と、「マイナスの要素」(父母双方を親権者と定めることを否定する方向の事情)を規定すべきであるとの意見が示された。 ところで、このような「プラスの要素」と「マイナスの要素」としては様々な事情が考えられるが、「マイナスの要素」の中には、特定の事情の存在のみにより直ちに、父母の一方のみを親権者と定めるべきであるとの判断に大きく傾く要素があると思われる。例えば、父又は母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあるという「マイナスの要素」が認められるケースにおいては、(他に 「プラスの要素」がいかに多く認められたとしても)離婚後の父母双方を親権者と定めることは子の利益を害すると考えられる。また、部会のこれまでの議論では、DV等の事情により父母が共同して親権を行うことが困難であるという「マイナスの要素」があるケースについても、父母の一方を親権者とすべきであるとの意見が示された。 今回の資料のゴシック体の記載では、このような議論を踏まえ、父母双方を 親権者と定めることにより子の利益を害すると認められるケースに適切に対応することができるようにする観点から、そのような「マイナスの要素」を例示することとしている。
3 父母の協議の適正性を確保するための仕組み
部会資料30-1では、協議上の離婚の際の親権者について、何らかの理由 により合意形成過程が不適正である場合の対応策として、親権者の変更の手 続を活用することができるようにするため、その考慮要素を明確化するもの とすることを提示していた。そして、今回の資料では、その考慮要素として列記すべき事項を例示することとしている。

原則共同親権だわ


3 監護者の定め及び監護の分掌に関する規律
⑴ 離婚後の父母双方を親権者と定めるに当たって、父母の一方を子の監護をすべき者とする旨の定めをすることを必須とする旨の規律は設けないものとする。
⑵ 父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者又は監護の分掌(分担)については、父母の協議により定めるものとし、この協議が調わないとき又は協議をすることができないときは、家庭裁判所がこれを定めるものとする(注1)。

子の監護をすべき者が定められた場合には、子の監護をすべき者は、民法第820条の監護及び教育、同法第822条の居所指定及び同法第8 23条の職業許可を単独で行うことができるものとする

(注2)。
⑷ 子の監護をすべき者が定められた場合には、親権を行う父母(子の監護をすべき者であるものを除く。)は、上記⑶の規定による子の監護をすべ き者の行為を妨げない限度で、上記1の規律に従って、監護及び教育に関 する日常の行為を行うことができるものとする。
(注1)【P】父母以外の第三者を子の監護をすべき者と定める場合に関する規律を整備するものとする考え方がある。
(注2)本文⑶の規律により監護者が身上監護権を単独で行うことができるものと整理し た場合であっても、監護者による身上監護の内容がその自由な判断に委ねられるわけ ではなく、これを子の利益のために行わなければならないこととの関係で、一定の限界 があると考えられる。例えば、監護者による身上監護権の行使の結果として、(監護者 でない)親権者による親権行使等を事実上困難にさせる事態を招き、それが子の利益に 反する場合があるとの指摘がある。

(補足説明)
1 監護者指定の要否
部会のこれまでの議論においては、離婚後の父母双方を親権者とするに当 たって、その一方を監護者(子の監護をすべき者)と指定することを必須とするかどうかが議論された。部会資料30-1のゴシック体の記載においても、 部会資料26の2⑴と同様に、監護者の定めを一律には要求しないものとしていたが、その趣旨が必ずしも明確に表現されていない部分があったため、今回の資料では、この点を明示的に記載することとしている。 ところで、監護者の定めをするか否かについて父母の協議が調わないときは、家庭裁判所の手続においてその意見対立を調整することが考えられる。現行民法第766条第2項は、「前項の協議が調わないとき、又は協議をするこ とができないときは、家庭裁判所が、同項の事項を定める」と規定しているが、 このことは、父母の一方からの請求があれば家庭裁判所が必ず監護者を定めなければならないものとすることを意味するものではないため、個別具体的な事案において父母の一方が家庭裁判所に対して監護者指定を求める請求をした場合であっても、家庭裁判所が当該申立てを却下することもあり得る。今回のゴシック体の記載⑵でも、「この協議が調わないとき又は協議をすることができないときは、家庭裁判所がこれを定める」ものとすることを提示しているが、これも現行民法第766条と同趣旨である。 なお、第30回会議及び第31回会議においても、一部の委員から、監護者指定を必須とすべきであるとの意見があったが、これに対しては、離婚後の子の養育の在り方がそれぞれの家庭によって多種多様であることを念頭に、監護者指定の要否は個別の事案によって異なるため、監護者の定めを一律に要求する必要はないとの指摘がされた。
2 監護者指定の合意の有無に関する整理
 離婚の際の親権者の定めが戸籍の届出の方式によって定めることとなるの に対し、監護者の定めについては、父母の協議の方式についての特段の制限はない。そのため、監護者の定めは、父母の別居や離婚の際の明示的な合意(例えば、子の養育に関する合意書を作成するなど)によって定められる場合もあれば、黙示的な合意がされるにとどまる場合も想定され、場合によっては、監護者の定めをしたかどうかが判然としないケースも生じ得ると考えられる。 このような監護者指定の合意の有無の判断の問題は、最終的には個別具体的な事案ごとに証拠に基づいて判断されるべき事実認定の問題であると思われるが、現行法の下でも問題となる。例えば、婚姻中の父母の別居の際には、 父母の協議により「父母のどちらが子と同居するか」を定めることがあると考えられるが、このような居所指定権の共同行使が当然には「子の監護をすべき者」の指定に該当するとは限らないと考えられる。別居親であっても、子の身上監護に関する決定に関与することは可能であり、子が専ら父母の一方のみと同居する場合であっても身上監護を父母双方が共同して(又は分担して)行うことも想定されるからである。 そして、民法の定める「子の監護をすべき者」が、単に子と同居してその日常の身の回りの世話をする役割のみではなく、ゴシック体の記載の整理のとおり、身上監護に関する権利義務を伴うものであることを踏まえれば、監護者指定の有無については、父母の一方が身上監護に関する事項を単独で決定することができる旨を合意する趣旨であるかどうかや、身上監護に関する決定権に関して父母の一方に優越的な地位を与える旨を合意する趣旨であるかどうかを踏まえて、判断することとなると考えられる。
3 いわゆる「同居親」の権利義務を規律すべきであるとの考え方について 第31回会議では、(監護者指定を必須とすべきであるとの立場の一部の委 員からの発言として)仮に監護者指定を必須とはしないのであれば、監護者指定がない場合であっても、子と同居している親(同居親)に一定の優先的な権限や特殊な地位を与えるべきではないかとの意見が示された。このような意見は、監護教育に関して父母の意見対立が生ずる場合に備えて、あらかじめその一方に優先的な地位を付与しておくことを求めるものと思われる(注1、 2)。
4 監護者による身上監護権の限界について
 この資料のゴシック体の記載は、監護者指定がされた場合には、親権のうち身上監護(具体的には、民法第820条の監護及び教育、同法第822条の居 所指定及び同法第823条の職業許可が含まれる。)について、監護者が単独で行うことができるものとしているが、これは、その身上監護を監護者の自由裁量に委ねる趣旨ではない。監護者は、「子の利益のため」にその権利義務を行うことが求められている(注3)。加えて、民法第821条は、親権を行う者が監護及び教育をするに当たって、子の人格を尊重しなければならないこと等を定めているが、このことは、監護者による監護及び教育についても同様である。
(注1)民法の家族に関する規定においては、身分関係に関する様々な事項を定める方法の大枠として、①当事者間の協議によりこれを定めるものとした上で、②その協議が調わない場合等には、裁判所が判断をするという仕組みが採用されている。この部会のこれまでの会議の中でも、例えば第25回会議における議論の際には、親権行使を父母の一方のみの判断に委ねるよりも、父母双方がその責任を負い、双方の関与の下で意思決定 をするものとした方が、子の利益の観点から望ましいことが多いとの価値判断が指摘 された上で、第26回会議においては、父母双方の意見が対立する場面に対応する仕組みとして、裁判所がその調整を行うという考え方についての議論がされたところであ る。ゴシック体の記載では、こうした現行民法の大枠やこれまでの議論を踏まえ、親権 (身上監護に関する事項を含む。)についても、①当事者間の協議によりこれを定めるものとした上で、②その協議が調わない場合等には、裁判所が判断をするという仕組み が提示された上で、このような大枠によっては対応し得ない不都合を回避するための例外規定(例えば、急迫の事情がある場合の親権の単独行使等)を整備することが提示 されている。また、個別具体的な場面における親権行使の内容について父母の意見が対 立する理由には様々な背景があると思われるが、例えば、離婚後の父母の一方が他の一 方から暴力その他心身に有害な影響を及ぼす言動を受けているために父母が共同して 親権を行うことが困難であり、これにより子の利益を害すると認められる場合には、親権者の変更の審判により、父母の一方のみを親権者とするという解決方法も想定され 得る。 これと異なり、「同居親」に一定の優先的な権限や特殊な地位を与えるものとする意 見を採用すると、上記の①当事者間の協議や②裁判所の判断の有無にかかわらず、父母 の一方が子とともに別居を開始したという事実行為のみによって他方の関与なしに父母の権利義務に変動が生ずることとなり得るが、このことをどのように正当化するかを議論する必要があると考えられる。 (注2)父母双方が親権を有する場合において、その一方が他方による事実行為としての監護教育を差し止めることの可否については、現行民法の解釈論としても問題となり得るところであり、この問題に関しては、次のような指摘がある。 「父母の共同親権は、子を哺育・監護し、教育するという事実上のことに関しては、・・・ 両者の意見が一致しなくとも、一方が他方の意思を無視してやっても、特に法律上の問題とすべきものは少ないであろう。もっとも、父が、事実上、不当に親権を行使するときに、母が共同親権に基いて、その差止めを訴求することも、勿論可能であろうが、実際上そうした例は、多く生じないと思う。」(我妻榮『改正親族・相続法解説』113頁 (昭和24年)) 「父母は婚姻中共同親権者であるから、子の監護教育についても父母は共同でしなければならぬ。しかしそれは何から何まで父母が共同でするということではなく、事実的 な監護教育は父又は母がそれぞれ自己の一存で行って差し支えない。ただ、親権者の一 方の独断専行殊にその不当な監護教育に対しては、他方は異議を述べてこれを差し止 めることができ、一方の監護教育の怠慢に対しては他方にこれに協力を求めることが できる。」(中川善之助『註釋親族法』(下)43頁(昭和27年))
(注3)例えば、於保不二雄編『注釈民法(23)親族(4)』92頁〔明山和夫〕では、 居所指定権の行使については「監護教育上妥当でない場所を居所と指定したり、子のた めよりも親権者自身の利益のために居所を指定する場合は、居所指定権の濫用に当 り・・・親権喪失の原因ともなるであろう」との指摘がされている。

共同親権の内容が見えてきた


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