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tsunagalu
香りの記憶【母の思い出2】
*これは誰に読んでもらわなくてもいいのです。私の心の整理のために書いています
先日亡くなった母の思い出です。
母が最後に私にくれたモノは香水でした。
クローゼットの奥から出してきて、「これあげるわ」と言ったんです。
「あ、この香りは‥」
子供の頃の記憶にある母の匂いでした。
「大人になってからは嗅いだことがないな〜」と思ったらずっと使っていなかったのでした。
数十年前そのままの箱に入ったボトルにはわずかに香水が残っていました。
まだ祖母が家の実権をにぎっていて、自分の自由にならなかったとき、せめて好きな香りをつけて楽しもうと思ったのでしょう。
19年前に姑が亡くなり、家のことをわりと自由にできるようになってからは香りもつけなくなっていました。
母にとって良い香りの香水はストレス発散のアイテムだったのかもしれません。
この香水、本来は着物やドレスの時につけるかなり濃厚な香りなのですが、母はそれをほんの少しだけふわっと香る程度につけていたようです。
ふつうは良いもの、好きなものはいっぱい身につけたくなりますが、そこをあえて抑えることができるのはやはり大人の女性だったのなのだと思います。
好きなものをかすかに、わずかにって、私にできるかな・・・
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