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ぐるっとパスを本気で使い倒してみる

ぐるっとパスをご存じだろうか。
正式名称を「東京・ミュージアム ぐるっとパス2024」といい、東京を中心とする103の美術館・博物館等の入場券や割引券がセットになったお得なチケットである。
値段は2500円。これで103の美術館が入場無料になったり割引されたりするというのだから、お得なことこの上ない。

……本当にそうだろうか?
というのも、このチケットの使用期限は「最初に使用した日から2か月間」である。2か月でそんなに美術館に行けるだろうか。
ぐるっとパスに登録されている美術館のほとんどは、入場料100~500円ぐらいの、もともと入場料が格安のところである。

これ、本当に2か月以内に元取れるんだろうか。
わたしはもともとそこまで熱心に美術館に行く方ではない。2か月に1度くらい、企画展に足を運ぶくらいだ。
当然だが1回の来訪で元が取れる設定にはなっていない。何度もいろいろな美術館を来訪して、それでやっと元が取れるのだ。そうでないとプロジェクトとしておかしい。資本主義が狂ってしまう。

しかしわたしは、好奇心に負けて買ってしまった。
こうなったら、どこまで得できるか試してみようではないか。
本気で美術館に行き漁り、得しまくってみせようではないか。

かくして、わたしの2か月間の美術館巡りは始まった。


※この記事は2か月間、リアルタイムで行った美術館や博物館を記録していきます。せっかくなので感想とかも書いていきます。これからぐるっとパスを使う人、もしくは興味のある人に読んでもらえると嬉しいです。


6/11

旧岩崎邸庭園

※入場料400円のところがぐるっとパス使用で無料。

この日四国から友人が来ていた。上野に行きたいと言うので美術館や名建築などをいくつか回ることにした。
前々から行きたいと思っていた旧岩崎邸庭園、ここは重要文化財にも指定されており、三菱財閥創始者である岩崎彌太郎の邸宅である。

そしてここがわたしの最初のぐるっとパス使用施設になる。
今日から2ヶ月か…果たしてどれほど回れるものだろうか。

それにしても旧岩崎邸庭園は、非常に見応えのある施設だった。

こんな家に住みたいよね……。
写真は一部だが、本当に家が広すぎる。その上どこもかしこも美しい。

和風折衷なので和風のところもある。

レトロ建築好きにはたまらないであろう施設。結構しっかり長居した気がする。

国立西洋美術館 常設展

※入場料500円のところがぐるっとパス使用で100円引きになる。

言わずと知れた上野の大型美術館。
ここの常設展は500円で入れる割にかなり充実しており、なんなら企画展入ったあとなら無料で入れる。ただし今回は常設展のみ利用した。

ここのすごいところは、美術に明るくない人でも知っているような有名画家の絵画が大量に置いてある上に、写真がほぼ撮り放題なところだ。


わたしがこの世で一番好きな絵、ポール・シニャックの「サン=トロペの港」も飾られている。
何回観てもいいねえ……

ちなみに、この4日後に普通に企画展の方も行くことになったが、企画展には割引が効かなかった。

ちなみにいまやってる企画展はこれ。非常に繊細で、当時の描き方まで教えてくれて面白かった。

こんな情けない顔のキリスト初めて見たかも


6/16

文京区立森鴎外記念館

※入場料600円の特別展がぐるっとパス使用で無料。

この日は昼過ぎに秋葉原に行かねばならなかったので、早めに行って上野方面を潰しにかかろうかなと思って行った。
なにせ上野という土地がかなり苦手なので(混んでるし道が変だから)、早めにクリアしておきたかったのだ。

なかなかシンプルでモダンな外観の建物である。ちょうど企画展がやっていて、それを見ることができた。

森鴎外って授業でやった舞姫しか読んだことないし、なんならその舞姫も文体がむずすぎて挫折した記憶があるんだけど、展示を見てるとだんだん読みたくなってきた。
そもそも大学の先生だったんだ。それも知らなかった。
藝大と慶應って、めちゃくちゃ一流大学ばっかり教えてるじゃん…。

建物がすっごい坂の上にある以外はオススメです。

朝倉彫塑館

※入場料500円のところがぐるっとパス使用で無料。

森鴎外記念館から徒歩で20分ぐらいのところにある。
彫刻家の朝倉文夫の作品が展示されている、朝倉の元アトリエ兼住居である。

わたしは彫刻には明るくないので、朝倉文夫のことは全然知らなかったのだが、めちゃくちやでかい人間の像とかあって面白いです。
ただ基本的には撮影禁止なので写真はない。この猫のエリアだけ撮影可能だった。

元々住居なので、そういう意味でも楽しいです。近代建築のいいとこ取りみたいな美しい家。信じられないほど本が置いてあったけどあれ本棚の上の方どうやって取るんだろう。

旧東京音楽学校奏楽堂

※入場料300円のところぐるっとパス使用で無料。

さきほどの朝倉彫塑館からさらに20分くらい歩くと着く。
旧東京音楽学校とは、現在の東京藝術大学のこと。美術学部と合体する前の名称である。

着いたあと知ったんだけど、この日コンサートやってて2階にあるホールを見学できなかった。メインは多分そこなのに。
1階の展示室では旧東京音楽学校の歴史とかを学べる。

いやしかし、事前にちゃんと調べてから来ればよかったな…。


6/21

印刷博物館

※入場料400円のところがぐるっとパス使用で無料。

この日、急に午後休推奨になったので喜び勇んで会社を飛び出し行ってきた。
絶対行きたいと思っていた印刷博物館…通称いんぱくである。
凸版印刷が運営しており、印刷の歴史を体系的に学ぶことができる。

印刷博物館といえばこの丸い謎オブジェ

企画展は何回も来たことあるんだけど、常設展は見たことがなかった。
全部見たあと、それを猛烈に後悔した。

見どころが多過ぎる!!!!

印刷に関わる人間なら絶対見ておいた方がいい。楽しすぎて一生いちゃうかも。全然。
わたしは普段美術館に長居しなくて、大体20分〜1時間ぐらいで出るんだけど、ここには2時間いた。

印刷の歴史を知るのって楽し過ぎる。
日本の歴史も世界の歴史も学ぶことができてお得だし。
惜しむらくは撮影可能エリアが全然わかんなくて写真が全くないことなんだけど、まあまた行けばいいか。それは。

漱石山房記念館

※入場料300円のところがぐるっとパス使用で無料。

さっきの印刷博物館から30分ぐらい歩いた場所にある。言い忘れていたがわたしは歩くことに全く抵抗のない人間なので、40分くらいまでなら全然歩く。

入り口に「いた」。

森鴎外記念館の時に森鴎外のことを何も知らないと言ったが、夏目漱石のことも全然知らない。教科書でやった「こころ」しか読んだことないかも。いや、「夢十夜」は読んだわそういえば。

漱石の部屋を再現した展示がすごく良かった。
本棚に入りきらなくて床に積むあたりとか終わっていてかなり良いな。わたしの部屋みたいだ。

ステッカーすごい可愛くて買ってしまった。3枚で200円だった。安いな。

展示内容としては割とスタンダードなんだけど、地下の図書館が良かった。漱石に関する本だけで埋められた空間。あと初版本を再現したやつとかもあって、この図書館だけ観に来ても楽しめるのでは。そっちは無料だし。


現在の利用施設 7施設
現在の利用金額 2600円

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