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場所づくり思考は原体験にあり(KOGADOの冒険ワークショップ vol.30 危なく見落とされそうになった準新人紹介の巻)

北川:
 野口君のインタビューが終わってなかったって、こないだ気づいたよ。ごめんね。

野口:
 バレちゃいましたか(笑

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今日のゲスト:野口 龍啓(のぐち りゅうけい)
ソフトウェア開発部所属プログラマ りゅうさんちーむリーダー
前に出演した日向君の後輩にあたるプログラマ、期待のルーキー、と思ってたらもう4年目?
入社の春がおりしもコロナ大流行中、出社初日に発熱で休むというメモリアルなエピソードを持つ(でもコロナではなかった)
趣味はディズニーと折り紙など。醤油好き。
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北川:
 え?気づいてたの??

野口:
 僕んところには来ないなって気づいてましたが、なんかこのままいくとトリになっちゃうなって思ってハラハラしてました(笑

北川:
 いや、言ってよw てかごめんね。

お勤めご苦労様でした

北川:
 改めて、トリスティア:レガシーの開発、お疲れ様でした。
 インタビューのタイミングとしては、本当だったらトリスティアが終わった後とかがよかったよね。

野口:
 んーでも、今の方が、ちょうどいいかもしれないですね。

北川:
 そうかな? あ、でもトリスティアはその後翻訳とかパッチとか、終わった後もバタバタがあったか。

野口:
 そうですね。

北川:
 皆さん(りゅうさんちーむ)は元気にしてる?
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注:トリスティア:レガシーは、野口君の学生時代の友人プログラマーさんたちに協力してもらって作成しました。それが現存する唯一のりゅうさんちーむのプロジェクトです。
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野口:
 元気でしたよ。夏ぐらいにみんなに会って、みんな元気でしたね。

北川:
 よかった。またみんなとご飯とか行きたいね。
 振り返ってみて、どうだった?トリスティアの開発は。

野口:
 もう結構前の出来事に感じますね。まだ半年くらいですけど。そのあともなんやかんやいろいろあったので。
 うーん……、成長できたなって感じですね。

北川:
 成長。

野口:
 全部1人でやったわけじゃないっていうのもありますし。新しいことも多かったんで。

北川:
 野口くんはでもあれか、自分で(プログラムを)書いたものが商品になったっていうのはレガシーが最初だっけ?

野口:
 メインの部分に触れたのは今回が最初だと思います。その前は、ユメミのPS4版とか白恋白愛のPS4版とか、移植をやりましたが。

北川:
 いろいろ、大変が故にたくさんの成長があったっていうこと?

野口:
 そうですね、大変でしたね、はははは。

北川:
 野口君の今回の取り組みですごくいいなって感じたところは、対応速度の速さと、聞く耳を捨てないところ、そのバランスがいいなって思ったよ。
リリース版でいろんなところの不具合が見つかったってことが(レガシーでは)今回あったんだけど、それ自体はね、チェック体制が甘いってことでメーカーとしては非難されてしかるべきことだと思うんだけども、

野口:
 ……はい。

北川:
 それは一旦置いといて、出てきた不具合に対する対処がとても速かったって思ってるの。あと、アップデートをどんどん公開できる環境が整っているというのもあるけど。

野口:
 そうですね、そこは最速で行こうと心がけました。

北川:
 これ本当に批判を受けると思うんだけど、出た不具合にどれだけ迅速に、且つ真摯に対応できるかが今後は大事になっていくよなって思ってて。
 もちろんお金を取って売っている商品だから、リリースから完璧に近いものを作って出すのは当たり前なんだけど、でもそこに掛ける労力と時間、あと意識の比重をリリース後の方に少し持っていくべきかな、と思ってるよ。そういうのが許されるみたいなところもあるのかなと。

野口:
 僕もそうだと思います。最近はSteamのアーリーアクセスみたいに、初めにちょっと触ってもらってから、みたいな開発スタイルもありますし。

北川:
 あとね、一つ一つの意見や問題を、ちゃんとその聞こうとするってこと。「仕様です」でどんどん切り捨てないこと。ここは一概に正解があるものではないのでバランスがとても大事なんだけども、それが良かったなって思いました。

野口:
 はい、ありがとうございます。ありがたい評価です。

北川:
 それを1人に背負わせるっていうところが、こちら側が良くなったなと思ってます。

野口:
 なかなか過酷だったなと(笑
 結局みんなが書いたコードを全部読まなきゃいけないみたいなことにはなったんですけど。
 でも、まあ、出来たんで、よかったです。

北川:
 なるべく一つの事柄に最低でも二人で取り組んでもらって、孤立しないようにしたいって思ってはいるんだけど、まあどうしても小規模でやってるので一人で担ぐ瞬間とか、気づいたら一人でやってたってことが起きちゃうんだよね。
 今、日向君がちょっと孤軍奮闘になってしまってるでしょ?

野口:
 そうですね、結構考え込んじゃっている部分とかもかなりありそうですね。自分もサポートできるように、ちょっと声もかけたいなと思います。

北川:
 壁打ちなり、キャッチボールなりね。

野口:
 Ryuエンジンの方も一応一段落なので、ここからいろいろやり取りが増えると思うんで。ゲーム部分を担当してもらって、そことの繋ぎ込みですね。

野口発動機

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野口君にはレガシーの後、今後工画堂で標準的かつ汎用的に利用できるアドベンチャーゲームの基幹エンジンをUnity上で作ってもらっていました。それがRyuエンジンです。
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北川:
 Ryuエンジンは、いい感じ、かな?

野口:
 調子は良さげですね。トリスティア:レガシーのアドベンチャーエンジンは移植だったので、しっかり基礎から作るのは初なんですけど。もう直したいと感じる部分が出てきているんですけど(笑

北川:
 動き、早いよね。

野口:
 早いですか?

北川:
 フットワークが。いや……違うな。多分俺が、野口君の動き方が好みなだけかもしれない。
 相談がしやすいというか、さっきの話じゃないけれど、こういうことできる?とかの、ふわっとした聞き方がしやすいというか、その結果アイデアを潰さないというか

野口:
 はい、その辺は自分としては大事にしてるところではあります。いろんなものに手をつけて、できることは増やしていきたいと思っています。

北川:
 Ryuエンジンはここで一旦終了となって、あとはゲーム追加と機能追加を各々のプロジェクトでしていくとして、次はどうするんだっけ。

野口:
 次の予定ですか。次はマルチプレイの研究と実装ですかね。

北川:
 ああそうか!そこ結構重たそうだね。

野口:
 そうですね。マルチ、僕が「できるんじゃね?」って言っちゃった手前、なんとかしないと(笑

北川:
 マルチプレイは、挑戦だね。うちのゲームにはなかった遊びだし。
そもそも野口くんマルチプレイのゲームを作りたいって、前から言ってたよね。

野口:
 そうですね、入社時からずっと言ってます。ぶっちゃけ早く着工したいなって思いながらRyuエンジン作ってました。

北川:
 あのタイトルはリリースもちょっと変わった出し方になりそうだよね。アーリー(アクセス)とかやるんだよね?

野口:
 提案すると思います。企画段階からでてましたし。もうそもそもアーリーアクセスで出して、もう本当に完成版ができるかはわかんないって、これ言っちゃだめですね(笑
 作りながら要望聞きながらどんどんアップデートしていくみたいな。

北川:
 粗製濫造になったり、出しては捨てになったりするとよくないけど。

野口:
 一つのゲームをアップデートしていくとかDLC展開とか今まで工画堂ではあまりやってないと思うので、新しい楽しさが出てくるんじゃないかなと考えています。

北川:
 様変わりするね。

変わって、野口建設

野口:
 みんなでワイワイ遊べるものを作りたいっていうのは昔から言ってるんですよね。なのでまずは一対一のボードゲームとかパズルゲームとかでもいいですし。何か複数人でプレイできたらやっぱ楽しいし、それに、長く遊びが続くじゃないですか。

北川:
 野口君にとってのゲームっていうのは、そういうものなんだね。

野口:
 そうですね、誰かとやるもの、ゲームを介して遊ぶ。

北川:
 新風だなw
 ゲームって1人で遊びたい人もいるでしょ。比較的工画堂が今までリリースした作品はそういう物が多くて、作り手にも「みんなで遊ぶものを」ということを志向する人は出てこなかったような気がするんだよね、まあ時代とか、おかれていたその時の環境や状況もあるけど。

野口:
 状況は大きいかもですね。

北川:
 自分達が考えた世界や遊びをたくさんの人たちに向けて発信するけれど、基本プレーヤーは一人でそれに対峙してもらう。そしてエンドユーザーさんが横に繋がってくれたら嬉しいなって思っていて。好きな作品でつながる関係みたいなものかな。同人的な発想かもしれない。
 けど野口君はもう少しダイレクトに、遊び時間そのものを共有してしまおうってことだもんね。

野口:
 そうですね。

北川:
 ゲームの原体験は何だろう。

野口:
 これすごいコアなんで、もう行くとこまで行くと身ばれぐらいまであるんですけど(笑 マインクラフトですね。
 マイクラってマルチプレイできるじゃないですか。あれのPvPができるやつで。

北川:
 うんうん。

野口:
 それで今のバトルロイヤル系のゲームのブームの発端って言われてるのがあるんです。それを当時僕は友達とずっと遊んでて。だから原体験はマインクラフトになりますかね。でも別にそれと同じ遊びを作りたいってわけでもなくて。

北川:
 あの時の体験を作りたい?

野口:
 そうですね、PvPそのものじゃなくて、みんなで同じゲームをワイワイと、ゲームの中でも外でも遊ぶっていうのが楽しかったんで、そういうものを作りたいなって思っています。

北川:
 場所とか空間作りか。なんかわくわくできる楽しい広場が作れるといいね。

野口:
 そうですね、まずはマルチプレイの対応ですね。

北川:
 きっと早いんだろうな。ありがとうございました。

野口:
 ありがとうございました。


 いい子だよね。野口君。とてもかわいくて、とても優等生。出来の悪い私からすると、こちらのもたらす迷惑に、いつ彼の笑顔を曇らせてしまうかということに怯えています。「……いや、もういいっすわ、さすがに」って冷たくいわれてしまわないかと。なるべく先伸ばしにしたいなと思っています。
 とても無邪気に、屈託なく、楽しいことをやりたいという彼の目標を、一つでもふたつでも実現できる場所をつくってあげれたらなと、思います。
 なんか締まりのないあとがきですが、なんかね、ピュアさにあてられてしまってw
 彼の活躍に期待してください。りゅうさんちーむです。

 今回もお読みいただき、ありがとうございました。
 それではまた!


※「KOGADOの冒険ワークショップ」では、ソフトウェア開発部の北川がその時思いついた事柄を駄文にしたためております。取り上げて欲しい事柄などありましたらお気軽にリクエストください。
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