8年間で5回の高3担任の経験から

 初めまして、こがけです。神奈川県のとある高校で働いております。2014年4月から英語科教員として働き始め、今までの8年間で3年生の担任を5回、高校2年生の担任を2回、2021年度は初の高校1年生を担任しています。
 慶應義塾大学経済学部を卒業して謎に英語の教員になるという異色の経歴の持ち主です。そして、おそらくそれ故に「受験は任せた」といろいろな人の意図が働いて、本来ならばあり得ない高3連続担任を経験できたのだと思います。
 当時はガムシャラに働いていました。自分で勉強するのと勉強のやり方を教えるのは全くもって異なります。受験戦争を運良く突破してきた私にとって、教えることのハードルはなかなか高く、また、受験だけではなく学校側から求められる「人間としての教育」との狭間に立たされて成長してきました。
 この数年は大学入試改革の前後であり、このタイミングで高3を何度も経験できたことは私にとっても大きなプラスです。
 今の教育をどうにかしないといけないという政府の意図、大学側の思い、それに翻弄される生徒たち、それらを目の前で見てきて、変わりつつある世の中で何を大切にしないといけないのかを考えるきっかけになったのです。

 多くのことが変わりつつある高校教育を取り巻く世界で、今までのように「生徒たちだけを見ている」だけではうまくいかなくなってきています。
 保護者の方はなかなか政府の教育改革が見えない中、先通しの見えない入試に不安を募らせ、社会と教育の変化を感じ取れない位置に追いやられています。
 生徒たちも個性を豊かに尊重し合い、また外国の人とでもタイムラグなくやり取りをするようになり、およそ10年前とは比べ物にならないほどに社会の価値は変容しております。
 そのスピード感溢れる変化の中で、教員と生徒だけでは教育は成り立たなくなりました。
 保護者や地域の方々、日本の学習に大いに貢献してきた塾の方々、そして子どもを取り巻く環境を作り上げる方々に高校教育の現状や情報をしっかりと伝えること、これが目の前にいる生徒の教育のためになる。そういう思いで2022年を機に新しく発信するという取り組みをしたいと思います。

 学校現場での教育活動は外部の方から見てもよくわからない活動です。利益が求められず、ひたすらタネを植えては待っての繰り返しです。社会のあらゆる職業とは異なる性質の職業です。
 その中にいる私たちも社会のことがなかなか見えずらいものです。呼吸がしずらいようなこの環境で、何も考えずに生徒に対して「将来の夢って何?」と聞いたときにブーメランのようにハッとしました。
 私が夢を持っていなかったのです。夢のための行動をしていませんでした。 

 「社会と教育をつなぐこと」

 これを次の私の夢として、目の前の生徒とぶち当たっていきたいなと思います!

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