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世のシーモアたちに懺悔を_GHOST WORLD

映画のためにきちんと有給休暇を取得するのは初めてだった。
しかも新幹線に乗って映画館へ向かうのも初めてだった。

大好きな映画の一つ、ゴーストワールドが20年ぶりに劇場上映。
もう10年くらい私がミディアムボブなのはゴーストワールドの主人公の1人、イーニドの写真を美容院で見せているから。

が、前日の夜に義理の祖母が亡くなった一報が入り「これは行けないか」と覚悟したが
日取り的に通夜葬儀まで4日空いてしまうことになり夫も仕事へ行ったので私も行くことに。
休みはとっているから、予定通り映画を見て気分転換をしよう。おばあちゃんもそれを望んでいるだろう。と勝手に思いながら。

映画館の最寄駅に着いて場所を確認
劇場で整理券をもらい、上映までまだ1時間以上あったので腹ごしらえしようと近くの店に入る。
ベストオブ米料理がパエリアの私は生米からしっかり作るパエリアにロックオンしてしまい
しっかりパエリア堪能したら時間ギリギリ。
店出てダッシュで映画館へ。

自分の整理券の番号呼ばれたところでスライディングセーフだった。息落ち着く時間なく始まった。

ああ

ゴーストワールドのイーニド
(500)日のサマーのサマー

恐らく世の中の女性にはこの2人の成分が入っている。
と、私は思っている。

だから世の中には
イーニドとシーモア
サマーとトム
が溢れていると思う。

どちらも大好きな映画だが罪深い映画でもある。
そして女性たちの戒めと男性への警告映画なのである。

ちなみに私は2回くらいバスに乗ってるわ

あの時のシーモアごめんなさい

とか思いながら。
ヒーローだったのは間違いないんだよ。
とか思いながら。


40歳目前の私が観るには
戒めというか懺悔というか
「若気の至り」ってフォルダを勝手に職場の人に共有された気分になる。
痛い。そっとしまっておいたフォルダなのに勝手に共有しないでくれ。

とはいえ、帰り道はイヤホンのボリューム大きめでJaan Pehechaan Hoを聴いてご機嫌で帰るんだけど


40歳を機に、イーニドのミディアムボブは卒業しよう。
と思った。イーニドは私の永遠のロールモデルだけど。もうやめにしよう。

おばあちゃんもそれを望んでいると思う。


と勝手に思いながら、久しぶりに着た喪服は出産を経たからなのか予想外の部位がパツパツ
急いで礼服屋に向かうのだった。


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翌月、ミディアムボブを卒業しショートカットにした私はひとまわりも年下の女の子たちに褒められてちょっとシーモア気分になるのだった。

若い女の子には気をつけよう。


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