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PLAN75を視聴して団塊ジュニアの私が思う事

「この制度が本当にあるのなら私は申し込む」が結論です。(以降、ネタバレ有り)

話の途中まで、独居老人のぼんやりとした孤独が自分の親と被って苦しかったのですが、途中から「制度賛成派」を自覚して少し楽になりました。しかし、いかんせん重い。…重すぎる。

これは、現段階の老人の話ではなく明らかに私たち「団塊ジュニア」の方が観ていて苦しくなるのではないでしょうか。少子高齢化・少子高齢化と毎日声高に叫ばれ、その声は脳内に響き渡り刷り込まれていきます。夫とも、そう遠くない未来の老後生活について話す機会も多くなりましたし、その準備もあれこれとスタートしたものも増え始め、ステージが変わったなぁと思い始めた矢先にこの映画は心構えの案内用動画のようでキツイです。

夫とよく話すのは、私たち世代が年金を貰い始める頃、老人ホームに入れるのは富裕層の一握りなんじゃないかという事。ちょっと前まで「団塊ジュニアは人口が多いから、私達が老人となる頃介護ビジネスは拡大して環境も良くなっているだろう」なんて甘っちょろい考えでいましたが、人材不足・供給不足・高額料金等々の問題で入所なんて無理かもしれない、入所できても人間に世話してもらえると思わない方がいいと、COCO'Sの配膳ロボットをみて思うようになりました。
しかし、人口減少に伴い空き家なども増えているので、ホームではなく独居老人用住居は確保されるかもしれない・・・と言う淡い期待も少しあります。

できるだけ最悪の事態を想定しつつ、「意外とそうではなかった」と将来少しでも安堵できたほうがショックも和らぐような気がします。
映画の冒頭にあったように、疎んじられ煙たがられ、挙句の果てには殺される…かもしれないと少なからず覚悟はしています(勿論、そんな世の中であってほしくないと願っておりますが)。

もしも、夫に先立たれたら子供もおらず、身寄りもない状態なので、孤独になっていたら思考停止、そんなうつ状態で不安に苛まされながら生きる希望が絶望になるぐらいだったら、自分で最後を選びたい、でもそんなのその状況になってみないとわからない・・・と日々思っていましたが、映画のように支度金をもらえ、コールセンターの孫ぐらいの女の子に優しくトークされ、眠るように逝けるのならあのPLANを申し込みたい!(かも!)独居で亡くなり腐敗して発見され他人に迷惑をかけるぐらいならそうしたいと強く強く思った訳です。

尊厳死についてただでさえ難しい問題なのに、日本の法制度が簡単に変わる訳がないし、無理だと思いますが、
なんとなく促してなんとなく覚悟させたいのかもしれません。いきなり推奨されては反対意見で避難轟轟でしょうが、「もし本当にこの制度があるのなら申し込みたい」と言う意見が、実際どれぐらいあるのかは、なんとなく(政府が)意識して参考にするかもしれないよね(いや、思いっきり参考にするかも)。

兎にも角にも、リアルに襲ってくるこのぼんやりとした不安で吐きそうになるぐらい、衝撃的な映画でした。
まず本題自体がショックを与えているので、老人に対する差別や疎んじるような描写があまりなくて良かったです。むしろ磯村くんや、コールセンターの女の子が規則を犯してまで何かしてくれたりする優しい部分、違和感も感じてるところに涙しました。
予告編を何かの折に見て「これは絶対観なくては!」と思っていたので、AmazonPrimeで視聴できますよと教えてくれたフォロワーさんに感謝します☆

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