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小説「天蓋のジャスティスケール」完結編

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『天蓋』 は、選ばれた『選人』とそれに関わる人間しか入れない特別な場所。 選人は天蓋の奥深くに封印され、わざわいをよぶものを封じる蓋の役割を担う。 選人に選ばれてしまった不運… もっと読む
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#ナールアカネ編

Seventh memory Last

「……私を? 良いのですか? 選人の選定というのは大いなる意思が選ぶこと……私がいなくな…

Seventh memory 16

「それで? あなたが迎えにきてくれたというわけ? あたしとあなたは親友、だったものね」 …

Seventh memory 15

「納得、できません!!!」 「……これは、決まったことですので……」 「くっ……」 「ナー…

Seventh memory 14

「ナール起きて、ねぇ、起きて……」  ナールの身体をゆさゆさとゆっくりとアカネが揺する。…

Seventh memory 13

「二つの地平、真(まこと)の平和を望むなら、支柱の先にて朝と夜を祈りによって捧げよ。さす…

Seventh memory 12

「……何? この音……」  ぽつり思わず口をついて零れ出たその言葉を聞いてイアードは瞳孔…

Seventh memory 10

「……自分で言葉にするのも信じがたい事なのだけど、彼女の体はまるで石のようになっている……原因はわからないけど、診察した結果、私が言える現段階の事実。これだけははっきり言えるわ……」  ヨウコは動揺しつつも極めて冷静にナールにも分かるように話した。  今のイアードは人ではない……いや、正しくは人からは検出されるはずのない成分が検出されたのだとという。  今のイアードの血液に鉱物のような無機物に含まれる成分が混ざり込んでいる。  石に関して専門家でないため憶測にはなるが、今

Seventh memory 09

「よかったじゃんアカネ〜、ナールの奴、美味しいってさ〜いっしっし」  ある程度、2人が落…

Seventh memory 08

「……アカネ……落ち着いた?」  アカネが泣き止むまで側にいたイアードがぽつりと呟く。 …

Seventh memory 07

「でさ、でさ、それで、ナールは、アカネちゃんのどこが好きなの?」  この発言すらもイアー…

Seventh memory 06

「なーんか、ナール最近楽しそうじゃない?」」  とある日の訓練前の日、イアードはナールに…

Seventh memory 05

「あの……後づけ用のソースはとっても美味しかったです!!」  ほっぺの膨らんだ彼女へのそ…

Seventh memory 04

「あの……」 「えっ……」 「あっ……いえ……そのっ……」  ナールに声をかけたまでは良か…

Seventh memory 03

 ある日の夕食後、ナールは父に誰が1番強くなれそうなのかと聞いた。 『現時点で成長幅が一番大きいのはイアード……だろう』  とぽつりと呟く。  彼自身もそうではないかと思っていたことと合致していた。  この訓練を始めた頃はナールやアインの動きを追うのに精一杯で、文句ばかり言ってイアードは座りこんでいた。  それが今となっては「よっし! もっかい!!」と人差し指を天へ向かって一本立て、文句の一つも言わずに笑顔を浮かべる。  そんな彼女の前向きな姿に何度もナールは救わ