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小説「天蓋のジャスティスケール」完結編

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『天蓋』 は、選ばれた『選人』とそれに関わる人間しか入れない特別な場所。 選人は天蓋の奥深くに封印され、わざわいをよぶものを封じる蓋の役割を担う。 選人に選ばれてしまった不運… もっと読む
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#サロス編

Third memory 08(Yachiyo)

「あーあ、いいなぁ」 「何がだい? ヤチヨ」 「どーせ、また母ちゃんとあの兄ちゃんのことだ…

Second memory(Sarosu)Last

 そして、ピスティはその好きなやつについて話し出した。最初は、頭ん中でそいつを思い浮かべ…

Second memory(Sarosu)23

「……やっぱ別人、、、なんだな」 「……残念だった? あたしがヤチヨじゃなくて……」 「……

Second memory(Sarosu)22

 今、俺の目の前には――ヤチヨがいる――。  どういうことかはわかんねぇけど……思わず、…

Second memory(Sarosu)21

 その後はいつも通りだった。  食材を調達し、後はそれを調理する。そう……いつも通りだ。 …

Second memory(Sarosu)20

 まさに地獄……そう言っても差し支えない程に壮絶な日常だった。  朝から晩まで……食事と…

Second memory(Sarosu)19

 それから、俺の修行の日々が始まった。  どれほどの間それが続いたのか、もう覚えていないくらい日々が過ぎた頃……。それは、突然訪れた。 「はぁっ!!!」 「うぉぉぉぉ!!」    俺の拳が、ピスティの顔面を掠める。その瞬間、ピスティが小さく笑ったように見えた。 「……んー。よし、ひとまず合格、かな?」 「…………」 「嬉しくないの? ようやく、あたしに一撃入れられたのに」 「わっかんねぇ……」 「サロス?」    あれからひたすらに俺は前を見続けていた……。  日に日に

Second memory(Sarosu)18

「さーてと……じゃあ、手始めにあたしを一発殴ってみなさい」 「えっ!?」 「ほらほら~。あ…

Second memory(Sarosu)17

「……ある日、ヤチヨが家に帰ってきたの。ひどく、死んだような……光を失った瞳をして……。…

Second memory(Sarosu)16

「……もし、あたしがヤチヨだよって言ったらどうする?」  ピスティがぽつりと小さく呟いた…

Second memory(Sarosu)15

「ねぇ……サロス。一つ、質問してもいい?」 「んっ? なんだ?」 「サロスは、ヤチヨが幸せ…

Second memory(Sarosu)14

「あー!! 何してるのよ! それ、一本ずつしかなかったのに!」 「おっ、、お前が!!!」 …

Second memory(Sarosu)13

「とうちゃーく! あー! 楽しかったー!! また、海に行こうね。サロス」 「当分は無しだ…

Second memory(Sarosu)12

「なーに、そんなとこでぼーっとしてるの?」 「ピスティか……もう気は済んだのか?」    突然ピスティが行きたいと駄々をこねたので、俺は付き添いで近くの海に訪れていた。  無理矢理に連れ出された俺は、特にやることもないので静かに寄せては返す波打ち際を眺めていた。  そう言えば、昔もこうやって海を見た日があった気がするな、、と、ガラにもなく昔のことを思い出していた。 「なぁに一人で黄昏てるのよ。こ~んな美女が水着姿で目の前にいるのよ? 今にもその肢体にむしゃぶりつきたくな