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小説「双校の剣、戦禍の盾、神託の命。」

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声プラが贈る、小説と音声ドラマによって紡がれていくファンタジー作品 ~あらすじ~ その国の名はシュバルトメイオンと呼ばれていた。  国内には東西に分かれた学園があり、互いに競い…
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#新野創

165 テラフォール流の閃

 東西の生徒がパーティを行っている大広間の建物の外ではシュレイドがパラパラと本をめくる音…

164 遠征初交流パーティ

 交流模擬戦が終わった後、生徒達は宿舎に戻り普段はほとんど使われることがないという大広間…

160 実力以上の差

「それではまず、交流模擬戦の第一戦目を行います。両者広場中央へ」  遠征宿舎の広場を囲む…

156 ビビフの残り香

「さて、と。お待たせ。さぁ、召し上がれ!」  食堂のテーブルの上にドンっと勢いよく置かれ…

155 ささやかなる興味

 ウェルジアは食堂へと今日も足を運ぶ。  心なしかその足取りが軽い。  彼にとって食堂と…

153 才能というもの

「ティルス会長」  ドアを開く音と共に小柄な人影が室内へと入ってくる。 「リヴォニア、お…

152 突拍子もない話とこれから

 話を進める中、ドラゴがこれまでのことを全く話を理解していないかのように首を傾げる。 「で、その話と今日呼び出された事と何が関係あんだ?」    話の流れが作られてはいたものの確かに良く考えてみればヒボンの話には不明な点が多い。  こうした話をして一体ヒボンが何をするつもりなのかが誰にも分からなかった。 「そうだね。端的に言うとこうして起きている一連の異常な事態は国の重要なポストにいる誰かが意図的に起こしたことなんじゃないかと僕は睨んでいてね。それが誰かを突き止めたいんだ

151 会議室のヒボン先輩

「みんな、ありがとう! 僕の呼びかけにこうして集まってくれて」  ヒボンが一同に会したメ…

149 完成した試作品

 西部学園都市内にある商業区画の路地裏で細々と営まれている武具店「ラグナレグニ」その店内…

148 穏やかな放課後

 とある日の授業終わりの校舎裏。  いつものこの場所でウェルジアが神妙な顔をしたままで文…

144 高まる疑惑

「お前達!! 一体何をしておるか!!」  ドスドスと地面を踏み鳴らして駆けてきたのは西部…

143 抜き打ち実力テスト

「ふんっ!」  目の前の男が背中に手をやり身体を丸めるように前傾姿勢を取りながら飛び出し…

142 後夜祭の襲撃者

 静かに歌い終えたリリアは一度、大きく深呼吸をした。周りで拍手などが起きるというわけでも…

140 アナタヘトドカナイコトバ

「これからも、一緒にいようね」  そう言ったのはいつの夜のことだったか。  時の流れは早くて、あっという間に一年は過ぎていく。    シュレイドが初めて人の命を奪ってしまったあの単騎模擬戦闘訓練の日。  私もあの後に倒れたその日の夜、部屋で寝付けず屋上にいって、静かに夜空を眺めていた時を思い出す。  シュレイドも偶然そこに来た。  そう、これはただの偶然。    でも、その時、やっぱり運命であると、思いたかった。    だから言わなきゃいけないと、その時は言ってしまっ