婚活7日目

慶太と瑠璃はほろ酔いの状態で夜風に辺りながらお互いの今までの経歴を語りながらどこかへと向かった。
【えっ!?瑠璃のご両親亡くなったばかりなの?】
『いきなり孤独を感じるようになって両親は健在?』
【覚えてなくても無理ないよね。俺は小学校低学年の時に病気で母親を亡くしてつられるようにして父親も後を追うかのようにすぐ亡くしたんだ】
慶太が転校した理由は身寄りがいなくなってしまい、施設に預けられた。

『ごめんね』
【ううん、施設はそれでも大家族みたいで悪く無かったよ?色々な理由で施設に入ってきた人も自分よりもっと早くに両親を亡くした人もいた。上目線になってしまうかもしれないけど】

瑠璃は心の中で慶太の人生と比較していた。しかし、彼は辛い過去があったにも関わらず、平然な様子で目的地を案内した。
【ほら、ついたよ】
『ここ公園じゃない。何があるの?』
【何もないよ。ほら、お前たちお客さんだよ!】
慶太は決まった位置に向かっていき、ネコを1匹づつ呼び寄せた。
『うわ~!カワ(・∀・)イイ!!』

慶太と瑠璃は7匹の猫に囲まれ順番に頭を撫で始めた。
【俺も猫好きなんだよね。なんか癒されるし・落ち着くし。この子たちを見るとひとりじゃないんだなって勇気を貰えるんだよね】

瑠璃は慶太と同じような境遇で生きて来た人を見て少し安心した。少し婚活疲れでボロボロになっていたが、生きてきた経路は違う物の似たようなものを感じていた。

2人は公園にある小さなブランコに腰掛けネコに囲まれながら婚活の話題へと戻った。

【個室形式のパーティーよりもオープン形式も行ってみれば?それなら一回で20人ぐらい来るし】

『行ったことないんだよね。慶太君はもう行かないの?』
【慶太でいいよ!俺はまだ仕事でやり残した事あるし、あいにく今はそれどころじゃなくてね~でも、婚活やるなら良い物あげるよ。連絡先教えてもらっても良いかな?】

瑠璃の連絡先に男性が新たに一件追加された。今後どのように響いていくのだろうか。ドラマはまだまだ続く。

【後これ!まだ開発途中の試作品なんだけど、これからの瑠璃へのお守りに使ってよ】

慶太は瑠璃の宛先にダウンロードアプリのサイトを送った。

『R.K?何これマッチングアプリ?』
【いや、単なる婚活がうまくいくかもしれないおまじないだよ!それを家に帰ってダウンロードして自分の情報を入れれば多分、婚活はうまくいくよ】

慶太はタバコを吸い天へと煙を吐き出した。

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