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平凡社員のビジネスパーソンノウハウ①(仕事をするうえで重要な2つのこと その1)

 先日、5年余り務めた会社を退職した。
 さしあたっては記憶の新しいうちに、会社員として業務遂行の役に立った(と筆者が考えている)ノウハウを自らの覚書として言語化し、残しておく。

 たかだか数年で何を言うか、とか、こんなの当たり前だ、と諸先輩方は思われるだろうが、これから会社で働く学生や、若手ビジネスパーソンの参考となれば幸いに思う。ご容赦いただきたい。

※個人的な見解・体験を含んでおり成果を保証するものではなく、実行したからといって責任も取れないことは留意いただきたい。また、活用できる業種が限られる可能性があることについても、ご容赦願いたい。




◇仕事をするうえで重要な2つのこと

  1. その仕事のゴールは何かを常に意識する

  2. 自分の頭で考える

 根幹はたったこの2つである。本稿では『1.その仕事のゴールは何かを常に意識する』について記載する。


1.その仕事のゴールは何かを常に意識する

 仕事は基本的に上司から与えられるものである。自分だけで仕事は完結しないことを、まず大前提として認識する。
 そして仕事のゴールを外さないためには、ゴールを以下の5W1Hに細分化し、確実に把握し、常に頭に入れておく必要がある。

 Why(なぜ):依頼の目的
 What(なにを):依頼内容
 Who(誰が、誰に):同僚、上司、顧客
 When(いつまでに):納期、スケジュール
 Where(どこで):場所
 How(どのように):メール、電話、プレゼン、会議
 
 どれも欠かすことはできず、また相互に関連しているのだが、この中でも重要なのが、Why(なぜ), Who(誰が、誰に), When(納期)である。
 以降にその詳細を記載する。


■Why(なぜ)の重要性

 誰かに依頼された仕事には目的がある。何の目的があってこの仕事をするのかを理解していなければ、的外れのアウトプットをすることになる。

 なぜこれが重要かというと、依頼された仕事の内容が、必ずしも依頼の目的を達成する最適解ではないことはよくあるからである。そのような時、目的を理解していれば、依頼された仕事がそもそも不要であるとか、依頼された仕事の内容が目的に対して不十分であることが分かるだろう。
 言われたことをやるだけでは駄目な理由はここにあり、不要な仕事をすることで結果として、自分を含め誰もが損害を受けることになる。

 目的を正確に抑えることができれば、不要な仕事であれば削減できるし、依頼された仕事が目的に対し不足していれば、その点を指摘することで、依頼先はあなたに感謝する。
 

■Why(なぜ)をクリアする具体方針

 仕事を依頼された際には、目的を確認しておくこと。仕事のロスを減らし、また相手に感謝される仕事にもつながっていく。

 そして、仕事の成果物は目的に沿ったものになっているか、定期的に確認することも大切である。現在の方向性が脇道に逸れていないか、重要な点を見落としていないかを振り返ることで、仕事の完成度が高まっていく。

 特に優秀な人ほど、Whyを押さえるのが上手いというのが筆者の印象である。さらに根本に立ち返り、その目的設定は本当に正しいのか、というところまで自然と考えられようになれば、言うことなしである。


■Who(誰が、誰に)の重要性

 仕事にはアウトプットする相手がいる。そのアウトプットする相手が誰なのか、どのようなステータスなのか、どのようなニーズを持っているかを認識して、自分と相手の前提条件を合わせなければ、アウトプットが自分の望むように理解されない。

 例えどれだけよいアウトプットだったとしても、「これってそもそも何の話だっけ?」と冒頭に疑問符がついてしまえば、理解が進まないし、説明を受ける側はそのもやもやした不快感を抱きながら話を聞くので、全体の印象も悪くなり、不要な怒りを買うことになる。

 また、相手によって重点的に話す内容は変わってくる。それは当然の話ではあるが、相手の興味・関心のある範囲が、相手によって異なるからである。興味のない話ほどつまらないものはないし、相手のニーズが満たされなければ、仕事にはならない。
 

■Who(誰が、誰に)をクリアする具体方針

 仕事をアウトプットする相手を明確にすること、また相手のステータスやニーズをイメージすること。

 アウトプットする相手が上司である場合、直属の上司であればまだしも、課や部を統括する管理職は、上に行けば行くほど複数の案件に携わっており、多忙である。自分の案件の知識や記憶がほとんどない、と思ってアウトプットの姿を考えることが賢明である。
 
 そして、多忙であるがゆえに、可能な限り説明は最小限に留めることが望ましい。ただし、Why(なぜ)にも関連するが仕事の目的の大半は、「相手に動いてもらうこと」ことであるため、相手が認識や判断を誤ることのないように情報の削りすぎには注意しなければならない。


■When(納期)の重要性

 仕事には納期がある。納期までに終わらなければ、いくら内容が良くてもあなたの成果はゼロである。
 

■When(納期)をクリアする具体方針

 したがって、仕事のプロセスを考慮したうえで、納期までにバッファー(余裕)を設けておくことが必要である。

 ここでいう仕事のプロセスとは、Who(誰が、誰に)とも深く関係しており、シンプルに言えば誰が責任を持つのか(レビューするのか)だ。

 あなたの仕事の責任を持つのは、大抵の場合あなたの直属の上司であることが多い。したがって例えば、自分では100%の出来の資料を作ったとしても、上司の考える方向性と違うならば、0から作り直しである。これが最悪のパターンであり、その泥沼にハマれば、まったくもって時間の無駄である。(あなたは、もっと早く言えよ、と上司に悪態をつくことになる)

 だから、誰が責任を持つのか、を認識したうえで、仕事を始める段階でゴールの姿を擦り合わせをしておくのが、賢明である。この時に擦り合わせるゴールの姿はハリボテで十分で、要点さえ押さえられていればよい。
 こうして要点の認識が一致すれば、あとは肉付けをしていき、上司のレビュー期間、レビュー後の修正期間、上司の再レビュー期間を考慮して、仕事を仕上げていく。つまり、この上司のレビュー期間前に一定レベルのものを仕上げるのがあなたの第一目標になる。

 ここで注意しておきたいのは、もし経験が浅く、不明な点がある場合はレビュー期間を待たずに早めに確認をした方がよいということ。その問題点をクリアにするために、予想外に時間を要する可能性もあるからだ。

 When(納期)についての結論をまとめると、
『仕事の関係者を認識したうえで、ゴールの大枠を関係者と早期に擦り合わせ、関係者のレビュー期間を考慮に入れて、納期に余裕をもって仕事に取り組むこと』



 以上に記載の通り、Why(なぜ), Who(誰が、誰に), When(納期)を特に意識し、5W1Hを押さえることが仕事において重要なことの1つである。

 補足ではあるが、誰かに仕事を依頼する際にも、この5W1Hを明確にしたうえで依頼をすることが大切である。不明確な依頼では、不出来な成果しか得られない。自分が望んでいた成果、あるいはそれ以上の成果を得るために、依頼は5W1Hを押さえて明確にされたい。
 当たり前かと思われるかもしれないが、案外、この当たり前ができていない人がいる。そして当たり前と考える人が多いからこそ、情報が不足していれば依頼を受けた側は直感的に不満を抱く
 このように依頼の明確さは、依頼された側のモチベーションにも関わってくるため、相手に気持ちよく依頼をこなしてもらうためにも、明確に提示することが望ましい。

 なお、「How(どのように):メール、電話、プレゼン、会議」については、付録的に別途整理する。


次稿では『2.自分の頭で考える』について記載する。


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