川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例に幻想を抱く反差別活動家たち

川崎市の条例に過度の期待を抱かせた弁護士たち

 川崎市のヘイトスピーチに刑事罰を科す川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例について、制定当時私は詳しくは調べていませんでしたが、法律ではなく条例という枠組みの中で刑事罰を科すものである以上、エキセントリックな条例になるはずもないと考えていました。
 なぜならば、地方公共団体が条例で刑事罰を科す場合には、これまでの刑事法の刑罰と比較して均衡を失わないように地方検察庁と協議をしなければならないので、川崎市だけが突出してヘイトスピーチに厳罰を科したり、幅広く表現行為に対して刑事罰の対象としたりするというような条例を制定することができないのがわかっていたからです。
 この条例制定の時点で最も問題のある言動をなしていたのは、反差別団体や反差別活動家側に立って活動している弁護士だと思います。法曹であれば条例の刑事罰がどのような過程を経て制定されるかわかっているにもかかわらず、反差別団体や反差別活動家に過度の期待を抱かせ、街頭宣伝活動をなしている者に対する度を越したカウンター活動や妨害につながったからです。

罰則に該当するヘイトスピーチがなかったと認めた福田紀彦川崎市長

 令和2年7月12日に川崎市でなされた街頭宣伝活動において、川崎市の職員がその発言やシュプレヒコールなどを確認した結果、条例の罰則規定に該当するヘイトスピーチがなかったという見解を示しています。

 条例に反する発言がなかったにもかかわらず、「ヘイト街宣」、「差別活動家」などという表現をなしている神奈川新聞の記事は気持ちいいぐらい偏向していますが、読む気もしない有料部分には文責「石橋学」と記載されているのでしょうか。
 かつて、ヘイトスピーチをなした者やヘイトクライムをなした者であったとしても、街頭宣伝活動などでヘイトスピーチをなさなければよいのであって、街頭宣伝活動に対しカウンターをかけている者が挑発して「ヘイトスピーチの掘り起こし」を行うのは、カウンターをなしている者がヘイトスピーチを招き寄せて在日コリアンなどへの被害を増大させているといってもよいと思います。

反差別団体や反差別活動家たちの認識はどうだったのか

 川崎市の条例制定後の反差別団体や反差別活動家の熱はすごいものでした。そして、彼らは次のように考えていたと思われます。

ヘイトスピーチをなしたことのある者が街頭宣伝活動を行うことはその内容を問わず川崎市の条例に反するから違法である

ヘイトスピーチに刑事罰を科しているのだから、街頭宣伝活動を始める前にそれを防ぐことは適法である

 少なくとも日本国憲法で基本的人権が保障され、その中でも条文上最も高く保障されている表現の自由に対して、このようなことを認めるものが、それも法律ですらなく条例で制定されるはずがないのは少し法律をかじったものならわかる話です。このような法曹のイロハに近いレベルの知識を反差別団体や反差別活動家たちに伝えることがなかったとしか考えられない弁護士たちは、弁護士としての知識や経験がそれほど乏しいのでしょうか。それとも、反差別団体や反差別活動家たちが逮捕されて法廷闘争になれば儲かるとか社会にインパクトを与えることができると彼らを将棋の駒のように考えていたのでしょうか。

反差別活動家らの偏見や差別意識

 このような状況に至る中で反差別活動家たちの偏見や差別意識が徐々に明らかになってきています。

 例えば、このツイートをなしている反差別活動家である在日コリアン三世の男性は、彼がヘイトスピーチやヘイトクライムをなしたと考えている人物と何らかの関わりを持ったり、特定の部分をほめたことを批判していますが、この思考は部落差別を長年日本の社会に生き永らえさせた「ブラクと結婚したらブラク」という思考とほとんど変わらない「レイシストと関わりを持ったらレイシスト」という思考が根底にあることがわかります。

 「ANTIFA」を自称するこの男性のツイートでは、レイシストと仲良く写真を撮っている人物がレイシストでその人物から先輩と慕われて応援していた人物もまたレイシストと言いたげで、「レイシストと関わりを持った者はレイシスト」という思考を隠そうともしていません。
 川崎市差別のないまちづくり条例に対して過度の期待を抱かせようとしているとしか思えない弁護士たちはこのような人物をターゲットとしているのかもしれません。