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「Dappi」名誉毀損裁判当事者尋問 1

当事者尋問の出頭者等

裁判長裁判官 新谷祐子
裁判官 森川さつき
裁判官 志村敬一
書記官 酒井理恵
原告訴訟代理人 3人
被告訴訟代理人 2人
被告ワンズクエスト代表取締役兼被告 甲
被告ワンズクエスト財務担当取締役兼被告 乙

乙当事者尋問(主尋問)

新谷祐子裁判長(以下「裁判長」)「それでは開廷します。原告から準備書面3が提出されていますので、これを陳述します。
原告から甲第25号証から甲第32号証が提出されていますので取り調べます。これらは写しということですね。」
原告訴訟代理人(以下「原告代理人」)「はい。」
裁判長「被告から乙第2号証と乙第3号証が提出されていますので取り調べます。こちらも写しということですね。」
被告訴訟代理人(以下「被告代理人」)「はい。」
裁判長「それでは本日は当事者尋問を行います。被告乙と被告甲は証人席に来てください。まず、被告らに注意しておきます。嘘を言ったりすると過料の制裁がありますので注意してください。それでは宣誓をしてください。お二人同時で結構です。」

(甲、乙、宣誓)

(裁判長からマイクの注意。質問は横から聞こえるが前を向いて答える、質問と回答が重なると記録ができないので質問が終わってから回答する等)

被告代理人「被告訴訟代理人のキムラからお聞きします。乙第3号証を示します。

(この陳述書が乙の言うとおりに被告訴訟代理人が記載したこと、誤り、書き加えるような部分がないことについての質問と回答)

被告代理人「乙は専務取締役ですか。」
乙「はい。」
被告代理人「役員となった経緯について説明してください。」
乙「私は事務所に勤務してから複数の企業に勤めました。そのときに友人である甲から一緒に企業を立ち上げないかと誘いを受け、財務関係であればできるのでそれだけ担当すればいいかと聞いたらそれで構わないとのことであったので役員になることにしました。」
被告代理人「そのときは設立時だったのですか。」
乙「はい。」
被告代理人「甲からどのような説明があったのですか。」
乙「2年間役員をお願いしたいということで、自分でしかできない役割を与えられるということで引き受けました。」
被告代理人「それは合資会社設立に2人以上の社員が必要であることから誘われた件ですね。」
乙「はい。」
被告代理人「甲から会社の業務がホームページ制作やメールマガジンの発行などの業務を企業から引き受けるものであることについて説明を受けましたか。」
乙「はい。」
被告代理人「業務内容に興味をそそられたから引き受けたのですか。」
乙「いいえ。」
被告代理人「それではなぜ引き受けたのですか。」
乙「財務のみ専門で構わないということなので引き受けました。」
被告代理人「財務や経理以外の業務については担当していますか。」
乙「いいえ。」
被告代理人「勤務形態はどのようなものですか。」
乙「リモートワーク中心です。」
被告代理人「それはなぜですか。」
乙「業務のほとんどがリモートワークと電話で事足りるからです。」
被告代理人「それで支障はないのですか。」
乙「ありません。」
被告代理人「リモートワーク中心で他の従業員の状況についてはご存じでしたか。」
乙「知りませんでした。」
被告代理人「投稿者については、発覚後に懲戒にしていますね。経緯を教えてください。」
乙「令和3年4月にNTTコミュニケーションズから書類が来た、投稿が会社からなされたようだと甲から連絡がありました。」
被告代理人「誰か特定することができましたか。」
乙「いいえ。」
被告代理人「それはなぜですか。」
乙「私は財務だけをやっていましたので。」
被告代理人「社内調査の結果の連絡はありましたか。」
乙「甲から調査が終わって自分で注意したと聞きました。」
被告代理人「投稿者については令和3年11月分から3か月、10%の減給処分となっていますね。」
乙「はい。」
被告代理人「懲戒処分についていつ頃聞きましたか。」
乙「11月頃に厳重注意では足りないのでそれ以上の処分とすると甲から聞きました。」
被告代理人「どのような対応をしましたか。」
乙「減給処理を行いました。」
被告代理人「被告は財務と経理を行っていて投稿に関与したことはないということですか。」
乙「はい。」
被告代理人「終わります。

乙当事者尋問(反対尋問)

原告代理人「原告訴訟代理人のフクダからお聞きします。被告準備書面3、7頁を示します。代理人が作成した組織説明ですが、ご覧になりましたか。」
乙「はい。」
原告代理人「組織説明では専務は代表取締役を補佐するとあります。具体的には何をするのですか。」
乙「財務を担当します。」
原告代理人「具体的には。」
乙「数字をまとめ、決算書作成を統括し、資金調達を行います。」
原告代理人「どこかの部署を統括したりはしていないのですか。」
乙「やっていません。」
原告代理人「業務管理部には部長がいるわけですが、どのように業務を分担しているのですか。」
乙「伝票処理等の責任者が業務統括部の部長で、最終的に決算書等の財務書類に落とすのが私です。」
原告代理人「入力作業は。」
乙「実務担当者です。」
原告代理人「それは部長ですか。」
乙「いいえ。もっと下の職位の者です。」
原告代理人「業務委託発注書の請求書を処理するのは誰ですか。」
乙「一部は私が行います。」
原告代理人「目を通すとかですか。」
乙「はい。」
原告代理人「契約書に目を通すようなことはありますか。」
乙「あります。」
原告代理人「誰から業務の受注があったかご存じですか。」
乙「はい。」
原告代理人「その業務がどのようなものか把握していますか。」
乙「具体的には知りません。」
原告代理人「契約書ぐらいの内容についてはどうですか。」
乙「それなら目を通していますから把握しています。」
原告代理人「給与計算の処理はあなたですか。」
乙「いいえ。」
原告代理人「10%減給の処理の経緯についてお聞きします。給与の計算は誰が行いましたか。」
乙「他の者です。」
原告代理人「それは部長ですか。」
乙「いいえ。」
原告代理人「業務管理部には他に二人いらっしゃると聞いていますが、どちらが担当ですか。」
乙「わかりません。」
原告代理人「発注書に自由民主党東京都支部連合が含まれていたことはご存じですか。」
乙「経理処理などで知っていた程度です。」
原告代理人「事件のことについてお聞きします。2021年4月中下旬開示請求に関する意見照会がありました。具体的にどのように甲から聞きましたか。」
乙「それほど詳しく聞いたわけではありません。」
原告代理人「投稿が問題であるとは聞きましたか。」
乙「はい。」
原告代理人「甲第22号証を示します。ここに原因となった投稿が掲載されていますが、2021年4月にこれらの投稿について説明を受けましたか。」
乙「いいえ。」
原告代理人「甲の調査をあなたは受けましたか。」
乙「受けていません。」
原告代理人「調査の結果誰であったか聞きましたか。」
乙「はい。」
原告代理人「誰ですか。」
乙「申し上げることはできません。」
原告代理人「特定ができないということですか。」
乙「甲から漏らさないように言われているので申し上げることはできません。」
原告代理人「乙第1号証を示します。この給与明細ですが、あなたの会社では紙で作成していますか、それとのデータで作成していますか。」
乙「紙と電子の両方です。」
原告代理人「この給与明細には社印がありますが、これは紙に押しているのですか。」
乙「わかりません。」
原告代理人「投稿者の給与ですが110万円とあります。100万円以上の給与を受け取っている従業員はどれぐらいいらっしゃいますか。」
乙「お答えできません。」
原告代理人「給与明細に左上に氏名欄があって黒塗りになっていますね。2021年11月分給与から3か月分のものですが、これは同じ人物の給与明細ということでよろしいですか。」
乙「はい。」
原告代理人「誰ですか。」
乙「お答えできません。」
原告代理人「従業員の平均給与はどれぐらいですか。」
乙「統計をとっていないのでお答えできません。」
原告代理人「例えば50万円ぐらいですか。」
乙「仮定の質問にはお答えできません。
原告代理人「終わります。」