石丸伸二元安芸高田市長の責任を追及する方法
責任追及の方法は住民監査請求の一択
石丸伸二元安芸高田市長が山根温子安芸高田市議会議員から恫喝されていたとSNSに投稿したことについて、広島高等裁判所が恫喝がなかったとして安芸高田市に対して33万円の支払いを命じていた広島地方裁判所の判決を維持して控訴を棄却し、安芸高田市が上告を断念していたことが明らかになりました。
なお、画像は安芸高田市で検索した結果、表示されたものをお借りしました。
石丸伸二元安芸高田市長が山根温子安芸高田市議会議員に対して恫喝をなしたなどとSNSで述べたことによって名誉を毀損した責任について、安芸高田市は山根温子安芸高田市議会議員に対して国家賠償法に基づいて賠償をなすことは上告断念によって確定することになりますが、安芸高田市が石丸伸二元安芸高田市長に対して求償するかどうかは確定していません。
この安芸高田市の対応を決定付けるのが住民監査請求による監査委員の監査結果です。石丸伸二元安芸高田市長の事案は、地方公共団体の長が公務以外に公用車を用いていた場合の運転手の職員の人件費を地方公共団体に返還させることを求める事例と似ており、住民監査請求監査において地方公共団体に対する返還が認められやすいものです。ただ、山根温子安芸高田市議会議員に対する賠償額のみを石丸伸二元安芸高田市長に返還させることでよいのでしょうか。私はそうは思いません。
石丸伸二元安芸高田市長の行為によって安芸高田市が負担しなければならなくなった財政負担はそればかりではないはずです。国家賠償訴訟における安芸高田市の訴訟代理人となった顧問弁護士に支払う弁護士費用、準備書面の作成に伴う打ち合わせに参加した安芸高田市の職員の人件費は、石丸伸二元安芸高田市長の行為がなければ発生しなかったものです。
住民監査請求の方法
地方自治法をご存じの方なら住民監査請求は地方公共団体の住民でなければなすことができないことは承知のことと思います。そこで住民監査請求を行う際に留意すべき事項を付け加えておきます。
住民監査請求に際して最初になすことは請求額の確定です。住民監査請求をなす際に監査担当の部署の職員からそのやり方を教えてもらうこととなりますが、あらかじめやり方を周知しておけばよりスムーズに手続きが進むこととなります。
請求額の確定のためには安芸高田市情報公開条例に基づく情報公開請求を行います。その際に請求する情報は、国家賠償法に基づいた訴訟に際して安芸高田市の顧問弁護士に支払った報酬に関する支出負担行為の決裁文書、訴訟に関する打ち合わせの時間を明らかにする打合せ記録及び出席者の時間単価を明らかにする文書、裁判所への出張旅費に関する支出負担行為の決裁文書などがあります。
国家賠償訴訟に関する求償を安芸高田市が行わないということはないのではないかと推測していますが、求償を求める額については敗訴した額に留めることとなる可能性は少なくないと思いますので、報酬、人件費、出張旅費も含めた額の求償を求める方向へと安芸高田市を導く方向で住民監査請求をなすことが重要であると思います。なお、住民監査請求をなす際には様々な法的な論点について主張を尽くすために弁護士を代理人として就けておく方がよいと思います。