見出し画像

週刊金曜日の記事に見る神原元弁護士の裁判見通しの杜撰さ

週刊金曜日が一般社団法人Colaboの民事訴訟に関する記者会見を報じる

 一般社団法人Colabo及び代表理事の仁藤夢乃さんが民事訴訟に関する記者会見を行ったことについて、週刊金曜日が報じています。この中で暇空茜さんに対する本人尋問について、神原元弁護士が触れている部分については疑問が残ります。

争点は「真実性」「公益性」

 Colabo弁護団の神原元弁護士は、裁判の大きな争点は「真実性」と「公益性」だとしたうえで「(水原氏の投稿が)公益目的があるか否かは本人に聞かなければわからない」「どういう目的でこういうことをしているのか、思いを法廷で聞いてみたい」と話した。

「『Colabo』が『暇空茜』氏らとの裁判について報告 追加提訴も予定」(週刊金曜日オンライン)

https://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2023/10/30/antena-1351/

 名誉毀損による不法行為を理由としてなされた民事訴訟において、名誉毀損が争われている表現の公益性があるかどうかが最初の争点となることは間違いがありませんが、公益性が認められる基準は非常に低いことに神原元弁護士がまったく触れていないからです。
 SNS上の著名人となっている堀口英利さんに対する表現を例にとると、AbemaTVに出演したキングス・カレッジ・ロンドンという英国の一流大学に通う大学生という著名人ということが認められれば公益性が認められますし、noteでフォロワー700人を超える極めて影響力の高いアカウントを運営していることだけでも公益性が認められるでしょう。名誉毀損における公益性の判断とはその程度のものです。
 唯一、公益性を否定することができる方法と考えられるのは暇空茜さんが「一般社団法人Colaboと仁藤夢乃さんに対する嫌がらせのために表現した」と裁判上の自白をすることだけですが、下級審とはいえ素人相手の本人訴訟に敗訴したり、いわゆる「余命3年時事日記」の「信者」ともいえる者がなした弁護士に対する大量懲戒に対する民事訴訟で私の知る限り唯一の敗訴を経験していたという「実績」を持つ神原元弁護士は、弁護士としてずば抜けて優秀というわけでもありませんから、そのような裁判上の自白を引き出すことは困難でしょうし、そもそも公益性があるか否かを書面で判断することが難しいので人証が必要であるという心証を持つ裁判官がいるとも思えません。

日本を護る市民の会関連裁判との類似性

 暇空茜さんの本人尋問にこだわる一般社団法人Colabo関連の民事訴訟を見て思い出すのは、いわゆる「行動する保守」の一派である日本を護る市民の会関連裁判です。この民事訴訟では、日本を護る市民の会の代表の黒田大輔さんは、常に人証として創価学会のトップである池田大作さんの尋問を請求していました。その黒田大輔さんらに新宿区南元町のマンションを手配し、多額の資金援助をなしていたのが創価学会と対立する日蓮正宗信徒の小川頼宣さんであったわけですから色々と邪推することもできます。
 そして、暇空茜さんの本人尋問にこだわる一般社団法人Colabo弁護団についても様々な邪推をしてしまう私がいるわけです。