マイナー裁判シリーズ第3回「行動する保守同士の民事訴訟」

かつての同志が原告、被告に

 マイナー裁判シリーズの第3回は、行動する保守同士の民事訴訟です。この民事訴訟は、東京地方裁判所に提起されたもので当事者は次のとおりです。

原告 黒田大輔
被告 川東大了、望月紀季

この民事訴訟は、関西の都市の公明党議員の自宅前で川東大了さんと望月紀季さんが日本を護る市民の会を名乗って街頭宣伝活動を行ったことが日本を護る市民の会代表の黒田大輔さんの名誉を毀損したとして100万円の金員を請求するというものでした。
 この民事訴訟で請求原因とされたのは、川東大了さん、望月紀季さん、神鷲皇国会代表の清水勇祐さんなど7名が公明党の山口勝京都府議会議員の自宅と事務所付近及び創価学会伏見平和会館付近で街頭宣伝活動を行い、同時にニコニコ生放送で配信したことでした。その街頭宣伝活動で彼らは黒田大輔さんがいるかのようにふるまったり、日本を護る市民の会の指揮下で街頭宣伝活動を行ったことで黒田大輔さんと日本を護る市民の会の名誉を毀損したというものでした。
 元々日本を護る市民の会は、在日特権を許さない市民の会と非常に近い存在で、特に当時の会長であった桜井誠こと高田誠さん、京都支部長であった西村斉さんをはじめとした関西の支部とは活動をともにすることが多い団体でした。在日特権を許さない市民の会大阪支部長を経て副会長となっていた川東大了さんとは良好な関係が続いていたことも事実でした。

黒田大輔さんと創価学会との関わり

 黒田大輔さんは日本を守る市民の会の代表として創価学会を批判する立場で活動を続けていました。そのきっかけとなったものは、ビルから飛び降りて自殺した東村山市議会議員の女性が創価学会によって謀殺されたとする活動をしていたところでのトラブルでした。
 東村山駅前で行われた街頭宣伝活動に参加していた黒田大輔さんは、街頭宣伝活動を指揮していた主権回復を目指す会代表の西村修平さんについていき、その女性が万引きをしたブティック前での街頭宣伝活動に参加していました。その時、西村修平さんらがブティックに向かうであろうと予測して待機していた元東真山警察署副署長の千葉英司さんが、店頭で街頭宣伝活動をやっていた者に注意をしました。それに対し、黒田大輔さんは、創価学会の者が出てきたと誤信して千葉英司さんと取材をしていた宇留島瑞郎さんの写真を撮影し、その写真に落書きをして宇留島瑞郎さんと千葉英司さんにそれぞれ損害賠償と画像の削除を求めた民事訴訟を提起されました。
 その後、黒田大輔さんは反創価学会の活動を続けていた東村山市議会会派「草の根市民クラブ」の矢野穂積東村山市議会議員(当時)にシンパシーを感じるようになり、矢野穂積さんの議員控室に入り浸っているのが目撃されるようになりました。そして、黒田大輔さんは創価学会との対立姿勢を明確にするようになり、槇泰智さんとともに創価学会から提訴された民事訴訟で110万円、日本を護る市民の会事務局長の高山あずささんとともに創価学会青年部の男性から提訴された民事訴訟で110万円の支払いを命ぜられることになりました。その黒田大輔さんに触手を伸ばしたのが日蓮正宗の信徒である小川頼宣さんでした。
 小川頼宣さんは創価学会攻撃の手駒として当初瀬戸弘幸さんを考えており、実際に瀬戸弘幸さんに接触してオファーしていましたが、「靖国神社に参拝できなくなるのは困る」とそのオファーを拒絶していました。その小川頼宣さんが次に手駒としてオファーしたのが黒田大輔さんで、黒田大輔さんは創価学会のお膝元である信濃町駅そばのマンションを借りて、副代表だった男性、事務局長の高山あずささんと三人で共同生活をすることになったのです。その後に副代表だった男性への査問事件が発生することになるのですが、詳細については別の記事にまとめていますのでご覧ください。

日本を護る市民の会査問事件による日本を護る市民の会と在日特権を許さない市民の会の決別

 良好な関係にあった日本を護る市民の会と在日特権を許さない市民の会との決別のきっかけとなったのは、日本を護る市民の会査問事件でした。当初は副代表の男性が強姦したという説明を信じていた者が少なくありませんでしたが、事実が明らかになるにつれ在日特権を許さない市民の会内で黒田大輔さんらに対する批判が大きくなっていきました。その批判の急先鋒となっていたのが黒田大輔さんとともに街頭宣伝を行うことが多かった千葉支部と会長であった桜井誠こと高田誠さんでした。在日特権を許さない市民の会では福岡支部、山口支部など日本を護る市民の会にシンパシーを感じていた支部があったことも事実でしたが、会長が批判の急先鋒となったことでほぼ在日特権を許さない市民の会全体が批判的となり、結果として黒田大輔さんは除名された唯一の在日特権を許さない市民の会メール会員となりました。

川東大了さんが提出した清水勇祐さんの陳述書

 この民事訴訟では、解散した神鷲皇国会の代表であった清水勇祐さんの陳述書が川東大了さんの書証として提出されていました。この陳述書には川東大了さんらの街頭宣伝活動を擁護する内容が記載されていたのは当然でしたが、陳述書の末尾には黒田大輔さんを罵倒する文章が付け加えられていました。活動歴や年齢からも川東大了さんが先輩であることから考えても、この陳述書は川東大了さんの主導で作成されたものであると考えられるものでしたが、かつて良好な関係にあった日本を護る市民の会と在日特権を許さない市民の会との決別を改めて思い起こさせるものでした。反差別運動内で発生した大学院生リンチ事件では、ほとんどの反差別活動家たちと弁護士などが加害者のエルネスト金こと金良平さんやぼんこと李普鉉さんらを擁護して被害者である大学院生へ圧力をかけていたことと比較しても、「行動する保守」の中でもアレな言動が目立つ川東大了さんや清水勇祐さんに至るまで日本を護る市民の会査問事件に批判的であったという点でその差異が際立つものとなっていました。

川東大了さんと望月紀季さんの敗訴

 黒田大輔さんは損害賠償を求める理由として、創価学会に対して日本を護る市民の会がこのような街頭宣伝活動をしたのではないことを説明することとなり、そのために黒田大輔さんの業務が妨害されたことを主張していました。それを証するために創価学会へ送付した事情を説明する文書などを書証として提出していました。そして、判決は川東大了さんと望月紀季さんに連帯して10万円の支払いを命ずるものとなりました。