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@M16A_hayabusa さんのこと

M16A_hayabusa さんのインタビューを記載したブログ記事

 最近のツイッターで注目を集めているアカウントである M16A_hayabusa さんという方がいらっしゃいます。そして、この方のプロフィール欄には次のように記載されています。

政治、天文学、乗物全般あらゆる物に興味を持っており、広く浅くをモットーに日々精進をしております。
私自身以前は、在特会と主権回復を目指す会の熱心な支持者であり、チャンネル桜の「二千人委員会」に参加するほどの バリバリの「ネトウヨ」でした・・
今は贖罪を兼ねて日々生きています・・

 その M16A_hayabusa さんにインタビューしたブログ記事があると聞き、「ネトウヨ」から転向した経緯について拝見しました。

M16A_hayabusa さんの「ゴーマニズム宣言」読書歴

 記事によると、 M16A_hayabusa さんが漫画家の小林よしのりさんに初めて触れたのは1995年だそうです。この時期は、SPA!の主力作家である小林よしのりさんを殺そうとしたオウム真理教の信者を宅八郎さんが自身のSPA!の連載の中でゲストとして招くという展開の中で、小林よしのりさんが連載を小学館「SAPIO」に移し、「新・ゴーマニズム宣言」として改めて連載を再開した時期にあたります。
 M16A_hayabusa さんは、読み始めたときにリアルタイムで進んでいた騒動をよそ目に、薬害エイズ問題などに着目していたそうですが、「戦争論」がネトウヨを作ったと主張する者が必ずなかったことにするか触れない話題である表現規制問題で部落解放同盟と会談して「ゴーマニズム宣言 差別論スペシャル」で繰り広げられた差別問題に関する提言とそれにまつわる騒動、皇太子御成婚に伴うマスコミのこわばりを批判した「カバ焼きの日」をめぐるSPA!の掲載拒否と「ガロ」への原稿持ち込みによる掲載にまつわる騒動には不思議と関心がなかったようです。特に、読み始めた年である1995年に発売された「ゴーマニズム宣言差別論スペシャル」に対する言及がないのは非常に不自然に感じます。

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 読むきっかけとなった時期についても、特に左翼やリベラル方面から好感を持たれていたSPA!での連載終了を経て、彼らが離れていくことになったSAPIOでの「新・ゴーマニズム宣言」の連載が始まった時期であることも不思議に感じます。

M16A_hayabusa さんの在特会、主権回復を目指す会の支持者歴

 M16A_hayabusa さんが在日特権を許さない市民の会、主権回復を目指す会の熱心な支持者で、在日特権を許さない市民の会、チーム関西、主権回復を目指す会などが学校の前で街頭宣伝活動を行い、併せて京都朝鮮第一初級学校が借用していた公園に置いていた学校機材を損壊した京都での騒動(以下「京都事件」といいます。)が発生し、それをYouTubeで観て「コレはダメだ」と感じて活動から離れたと述べていらっしゃいますが、まずは小さな疑問が生まれます。
 それは京都事件が発生した時にどうやってYouTubeで街頭宣伝活動を視聴したのかという疑問です。徳島県教職員組合事務所内に参入して街頭宣伝活動を室内で行い、書記の女性に暴行(大音量の騒音を間近で行うのも暴行にあたります。)した徳島県教職員組合威力業務妨害事件(以下「徳島事件」といいます。)や京都事件などの関西近辺の街頭宣伝活動は、在日特権を許さない市民の会や主権回復を目指す会なども加わっていますが、実際はそれらの団体にも所属しているチーム関西のメンバーが主となって行っていました。そして、その街頭宣伝活動を生中継するとともに動画としてアップしていたのがチーム関西専属カメラマンとよばれていたブレノこと松本修一さんでした。そして、ブレノさんは主として生中継はニコニコ生放送で、動画はニコニコ動画で行っていました。
 そして、京都事件の発生した2009年頃のYouTubeは現在ほど広く用いられておらず、在特会、主権回復を目指す会、チーム関西でYouTubeの中継や動画を用いて街頭宣伝活動を報じることは少なく、YouTubeで報じられていたとしてもそれはニコニコ生中継やニコニコ動画の添え物的な存在でした。なぜならば、ニコニコ生中継やニコニコ動画では視聴者のコメントが動画上にほぼリアルタイムで流れ、動画配信主や他の視聴者がそれに反応するという双方向のコミュニケーションが成り立ちやすいのがニコニコ生放送やニコニコ動画で、YouTubeで視聴する者は前者と比べて非常に少ないというのが常であったからです。それは、行動する保守を名乗る他の団体である日本を護る市民の会(代表黒田大輔さん)、政経調査会(代表槇泰智さん)、千風の会(代表渡邊裕一さん)などでも同様でした。これらの動画を2009年にYouTubeで視聴して熱心な支持者であった M16A_hayabusa さんはかなりのマイノリティであったといえるでしょう。

京都事件だけでない在日特権を許さない市民の会や主権回復を目指す会のまともでない街頭宣伝活動

 M16A_hayabusa さんは京都事件の動画を観て「これはダメだ」と感じて活動から離れたとおっしゃっています。確かに京都事件で街頭宣伝活動の先頭に立った川東大了さん、西村斉さん、荒巻靖彦さん、中谷辰一郎さんなどその後に刑事事件で立件され有罪が確定した者ばかりでなく、その動画を切り取ってアップして「セカンドヘイト」に及んだブレノさんやその他の参加者についても非常に凶々しい言動が目立つものでしたが、京都事件から彼らの街頭宣伝活動がいきなり凶々しくなったわけではありません。

M16A HAYABUSA  が、とある事件がきっかけで状況が一変します。それが・・
「京都朝鮮学校公園占用抗議事件」です。
――ありましたね。M16A HAYABUSAさんご自身は、どのような感触を当初は得ていたのでしょうか。その「京都朝鮮学校事件」については。
M16A HAYABUSA 例の事件をYouTubeで見たときは正直「コレはダメだ」と思いました。ハッキリ言いますが、子ども達には何ら罪は無いわけであり、そもそも問題の論点とは大きく逸脱した行為・・つまりは主旨とは全く違う暴言・・いや「ヘイトスピーチ」を垂れ流しているだけだったのですから。あれは単なる日頃の不満を彼らにぶちまけているだけに過ぎなかったんです。


 2008年9月1日に西武鉄道東村山駅前で行われた街頭宣伝活動の流れの中で、元東村山市議会議員だった朝木明代さんに万引きされた被害者である洋品店に主権回復を目指す会代表の西村修平さんらが押しかけて店頭でシュプレヒコールをなした事件、2009年4月11日に不法入国したフィリピン夫婦の娘で日本に住み続けることが特例で認められたカルデロンさんの通う中学校を標的としてなされた在日特権を許さない市民の会が中心となってなされたカルデロンデモ、2009年7月11日に模擬試験の問題が反日的であるとして主権回復を目指す会の西村修平さんや日本を護る市民の会代表の黒田大輔さんなどが土曜日で授業が行われている予備校の栄光ゼミナール前でなされた街頭宣伝活動など、M16A_hayabusa さんが「これはダメだ」と感じる機会はいくらでもあったと思うのですが、在日特権を許さない市民の会や主権回復を目指す会などにあまり関心のない者でも知っている京都事件まで引き返すことなく熱心な支持者を続けていたのは少し不思議に感じます。
 更に不思議に感じるのは、京都事件の呼称を「京都朝鮮学校公園占用抗議事件」とWikipediaの呼称そのままでよんでいることです。京都事件をリアルタイムで観てきた者としては、このWikipediaの呼称には不自然に感じます。事件のあった京都朝鮮学園が経営する朝鮮学校の正式名称である京都朝鮮第一初級学校であることも触れていませんし、より朝鮮学校を支援する立場の者がこの事件を表現する際には「嫌がらせ」を加えて街頭宣伝活動が学校への嫌がらせであることを示していました。また、在日特権を許さない市民の会や主権回復を目指す会などにシンパシーを感じていた者は「不法占拠」を加えていましたし、街頭宣伝活動を支持する立場と批判する立場のいずれも「占用」という行政用語を用いることはなかったと記憶しています。在日特権を許さない市民の会や主権回復を目指す会の熱心な支持者であった M16A_hayabusa さんにとっても京都事件の呼称として「京都朝鮮学校公園占用抗議事件」は不自然に感じるはずだと思いますが、この呼称を用いることに抵抗を感じないのでしょうか。

なぜ最も謝罪しなければならない相手ではなく鳩山由紀夫元総理大臣に謝罪したのか

 このブログ記事の中で最も注目を集めそうなのは、鳩山由紀夫元総理大臣に直接謝罪したとする箇所でしょう。

――ああ、そういうことなんですね><
M16A HAYABUSA 恐らく多くのネトウヨを辞めた人は、辞めたらそれで終わりだと思っているみたいですが、それはとんでもない勘違いです。被害者は今でも苦しんでいるのですから。
――さきほども話題になりましたが、責任に関する話ですね
M16A HAYABUSA 私は今に到るまで、名前が分かっている人には直接お会いして謝罪しています。
鳩山さんとか・・
――鳩山由紀夫元総理ですね
M16A HAYABUSA 尤もご本人は私の事など全く知りませんでしたが・・と言うよりも、あの方曰く、私みたいなネトウヨから本当に数千人単位で毎日攻撃に晒されていて、一々相手になんか出来ない、と言われていました。
――はいはい。M16A HAYABUSAさん、筋を通していらっしゃるんですね
M16A HAYABUSA とは言え、ご本人は全く気にしていませんよ。と、言われていました。
――直接、会ってというのは、なかなかやれることではないと思います
M16A HAYABUSA 政治家は嫌われるのが仕事ですからと、仰っていました。

 ただ、なぜ鳩山由紀夫元総理大臣なのかという点は非常に疑問に感じます。なぜならば、M16A_hayabusa さんが熱心に支援した在日特権を許さない市民の会や主権回復を目指す会がなしたデモや街頭宣伝活動の中で相手方に甚大な被害を与えてしまったものとして真っ先に挙げられるべきなのは京都朝鮮第一初級学校やそこに通う児童やその父兄であるからです。鳩山由紀夫元総理大臣に直接謝罪するのと異なり、京都朝鮮第一初級学校などに直接謝罪することにより支援する反差別活動家たちが M16A_hayabusa さんのことを知ることになることが危惧しているのかもしれませんが、このようなことを気にしているようではまだまだ贖罪が足りなさすぎるのではないか、的外れの批判であっても甘んじて受けなければならない総理大臣という立場の人間で、本当に謝罪したのかどうかを確認することができる人間がほとんどいない鳩山由紀夫元総理大臣への謝罪をより優先して行うのはどうなのか、と批判することは M16A_hayabusa さんにとって決して過酷な批判であるとはいえないと思うのですがいかがでしょうか。