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横浜地方裁判所管内暴行被疑事件及び大阪市北区堂山町傷害被疑事件第2回公判 6

尋問 証人茅ヶ崎市文化スポーツ振興財団事務局長 弁護人上瀧浩子及び神原元弁護士尋問

神原元弁護士「弁護人の神原からお聞きします。事件当日、10月25日付けの聴き取りで、白いシャツを着た男性が足を踏み外したと言いましたか。」
事務局長「そういう様子が見えたと言いました。」
上瀧浩子弁護士「指定管理者として、警備にあたった茅ヶ崎市との打ち合わせに出ましたか。」
事務局長「そういう打ち合わせがあったことは知りません。」
上瀧浩子弁護士「茅ヶ崎市と電話交換はしましたか。」
事務局長「いいえ。」
上瀧浩子弁護士「街宣車が来るということで警備を頼みましたか。」
事務局長「警察にはその旨連絡していました。」
上瀧浩子弁護士「市民文化会館に無理やり入ることは想定していましたか。」
事務局長「いいえ。」
検察官A「『無理やり』というのは証人に意見を求めています。正確に尋問するよう求めます。」
裁判長「無理やりとはどういうことをいうのかわかるようにして尋問するようにしてください。」
上瀧浩子弁護士「不審な人物が入ってきたとは思いませんでしたか。」
事務局長「ある人物が入った後で何をするかで不審な人物であると判断することができるわけで、入る前に不審な人物かどうかを判断することはできないと思います。」
上瀧浩子弁護士「もみ合いになっている場面で、証人は確認しようとは思わなかったのですか。」
事務局長「とにかく、もみ合いから転落まで時間がなく、確認しようにも突然のことで無理でした。そして、私の見聞きした事実については警察にはお伝えしました。」
上瀧浩子弁護士「白いシャツの人物は、2段の階段の上から落ちたのですか。」
事務局長「4段の階段があってその上から落ちました。」
上瀧浩子弁護士「条例の21条に入館者に迷惑をかける人物には入館を拒むことができるとあります。これは敷地も管理範囲内ということでよろしいですね。」
事務局長「はい。」
上瀧浩子弁護士「それに基づいて、もみ合いやトラブルなども確認する必要があるわけですね。」
事務局長「何度も申し上げていますが、時間がなくて判断することはできませんでした。」
上瀧浩子弁護士「警備についてですが、市と協力して警備することになっていたのでしょうか。それとも、指定管理者が独立して対応するということになっていたのでしょうか。」
事務局長「茅ヶ崎警察署には警備についてですが指定管理者として対応をお願いしまた。そして、どのような状況であったかについては茅ヶ崎市に報告しています。」
上瀧浩子弁護士「茅ヶ崎市と警察の間で打ち合わせはあったのでしょうか。」
事務局長「わかりません。」
上瀧浩子弁護士「茅ヶ崎市は会館内のトラブルを想定して実行委員会に対応を求めていましたが、ご存知ありませんか。」
事務局長「聞いておりません。」
上瀧浩子弁護士「茅ヶ崎市が実行委員会に対応を要請したのを知らないということですか。」
事務局長「聞いておりません。」
神原元弁護士「弁護人の神原からお聞きします。警察のOBとはどのような方ですか。」
事務局長「茅ヶ崎市の中に警察のOBが数年前から在籍していまして、窓口のトラブルや市民対応などについての相談を受け付けていました。今回の対応についてもその方に相談しました。」
神原元弁護士「そのOBの方のお話はどういうものでしたか。」
事務局長「ペーパーを用意せよというものでした。」
神原元弁護士「ペーパーは何枚用意しましたか。」
事務局長「私が保有していた1枚です。」
神原元弁護士「警備について他に相談していた所はありますか。」
事務局長「茅ヶ崎市の総務課に相談していました。」
神原元弁護士「市民文化会館前の道路に関して11時30分頃、証人はどのような動きをしていましたか。」
事務局長「市民文化会館の中に入ったり外に出たりして状況を確認していました。」
神原元弁護士「茅ヶ崎市の総務課はどのような対応をしていましたか。」
事務局長「11時の時点で現状を報告していました。」
裁判長「弁護人はちゃんとマスクをして尋問されてはいかがですか。」
神原元弁護士「証人はその対応で十分だと考えていましたか。」
事務局長「判断しづらいですが、財団は男性職員が少なく、対応は難しいのが現実です。」
神原元弁護士「茅ヶ崎市と実行委員会が打ち合わせをしたことを知らないのですか。」
事務局長「知りません。」
神原元弁護士「抗議について参加者に危険が及ぶ可能性があることが財団には伝わっていなかったのですか。」
事務局長「危機感を持っていはいましたが、できることは限られています。茅ヶ崎市と相談して対応していました。」
神原元弁護士「実行委員会が警備のために配置していたことは知っていましたか。」
事務局長「いいえ。」
神原元弁護士「茅ヶ崎市からも情報が伝えられていなかったのですか。」
事務局長「伝えられていませんでした。」
神原元弁護士「どのように認識していたのですか。」
事務局長「人がいるのは承知していましたが、細かい確認はしていません。」
神原元弁護士「実行委員会の者が市民文化会館の中に入ったり外に出たりしていて、その者が腕章を付けていたのを見ていなかったのですか。」
事務局長「承知していませんでした。」
神原元弁護士「弁第5号証、3の上の写真を示します。この写真を示されたことがありますね。」
事務局長「はい。」
神原元弁護士「腕章を付けた者が何のために腕章を付けていたのかぐらいわらかないのですか。」
事務局長「気づかなかったのかと言われれば私どもの不注意と言われても仕方ないと思いますが、安全対策のためであろうと思っただろうと考えています。」
裁判長「弁護人は証人に威嚇的な尋問をせずに尋問のやり方を考えて行うようにしてください。」
神原元弁護士「何かあったら対処することで指定管理者がどこまでやって実行委員会がどこまでやるかについてコミュニケーションしていなかったのですか。」
事務局長「茅ヶ崎市と1日打ち合わせを行っていますが、そのような話はありませんでした。」
神原元弁護士「実行委員会とコミュニケーションしようともしなかったのですか。」
事務局長「できる雰囲気ではありませんでしたし、主催者から話もありませんでした。」
神原元弁護士「誰にもトラブルに関するペーパーを渡すつもりでしたか。」
事務局長「はい。」
神原元弁護士「そのことについて実行委員会とはどのような話をしましたか。」
検察官A「異議あり。重複する質問です。」
裁判長「異議を却下します。」
神原元弁護士「ペーパーを作成したにもかかわらず、実行委員会にも伝えず、コミュニケーションも取らなかったのはなぜですか。」
事務局長「実行委員会がどのような状況を想定したかわからない以上、どうしようもありませんでした。」
神原元弁護士「終わります。」
検察官A「検察官のシゲヤからお聞きします。先程の尋問で『場所が違う』とおっしゃったことについて確認します。甲第4号証を示します。『私2』と記載した箇所が違うとおっしゃいましたが、その趣旨はどういうことですか。」
事務局長「(図面に記載しながら)ここが上の階段になりますが、『2.1』と記載されている箇所が誤りで、『0.7』と記載されている箇所が現場となります。」
検察官A「弁護人からの質問で『転がるように左側から』という回答がありましたが、これは証人から見て左ですか。」
事務局長「本人の左です。」
北川斉佳裁判官「裁判官の北川からお聞きします。当日の証人の服装について教えてください。」
事務局長「スーツです。」
北川斉佳裁判官「色は。」
事務局長「グレーです。」
吉田伸也裁判官「裁判官の吉田からお聞きします。証人は転落したのを見たとおっしゃっていましたが、ビデオを観たのはいつですか。」
事務局長「直近では調書作成後だったと思います。」
吉田伸也裁判官「最初に観たのはいつですか。」
事務局長「10月25日のすぐあとです。目視で確認したのか、ビデオで確認して初めてわかったのかは今ではわかりません。」
吉田伸也裁判官「もみ合いの場面は目視したわけですね。」
事務局長「はい。」
吉田伸也裁判官「原因となったやり取りや動作については目視されましたか。」
事務局長「目視したのはもみ合いのみで、原因となった動作については見ていません。」
裁判長「これで証人尋問を終わります。お疲れさまでした。次回の公判については北島直樹被告人と伊藤大介被告人の審理を分離し、次回は伊藤被告人の審理を行います。次回公判は、1月24日10時からとします。
弁第17号証の横浜地方裁判所の仮処分決定について、検察側のご意見はいかがですか。」
検察官A「関連性がないと思います。」
裁判長「証拠としての採用の是非及び採用の際に刑事訴訟法第323条のいずれに該当するかについて裁判所は判断を留保します。」