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ある弁護士の話

選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんの訴訟代理人であった馬奈木厳太郎弁護士がセクハラ

 選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんの事件を受任している馬奈木厳太郎弁護士がセクハラで依頼人と深刻なトラブルとなっていることが明らかとなりました。

 演劇界などのハラスメント問題に取り組む 馬奈木厳太郎まなぎいずたろう 弁護士(47)から性的関係を強要されるなど、セクハラ被害を受けたとして、舞台俳優の知乃さん(25)が馬奈木氏に1100万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
 提訴は2日付で、訴状によると、知乃さんは2019年9月~22年1月、自身が被告となった民事裁判の打ち合わせなどと称して馬奈木氏から 執拗しつよう に呼び出され、体を触られたり、意思に反して性的関係を強要されたりしたとしている。
 知乃さんは18年、「演劇・映画・芸能界のセクハラ・パワハラをなくす会」を設立。馬奈木氏に同会の顧問として活動を支援してもらっていた。知乃さんは3日に東京都内で行われた記者会見で「ずっと嫌だったが、年の差と演劇界での権威を利用された」と話した。
 馬奈木氏は1日、自らのブログで代理人を務めていた女性に対するハラスメントを認め、「訴えづらいハラスメント被害の相談を受けてきた者として信頼を裏切った」などと謝罪した。馬奈木氏は東京電力福島第一原発事故を巡る避難者訴訟で弁護団事務局長も務めていたが、昨年12月に「体調不良」などを理由に退任を申し出て、その後退いた。

読売新聞「芸能界のセクハラ問題担当弁護士がセクハラ、舞台俳優『性的関係を強要された』と提訴」

 私が依頼している弁護士さんは「東京合同法律事務所」の馬奈木厳太郎先生と山﨑大志先生です。同事務所は日弁連の報酬金額に基づいた金額設定となっており、着手金や報酬は、いわゆる「標準的な金額」であると考えております。非常に実績のある弁護士さんに標準的な金額で受けていただいていること自体、とてもありがたいことだと考えており、いずれも被告の勝訴となっておりますので、結果も出ています。

【選挙ウォッチャーちだい】弁護士費用を捻出したい(第4弾)

感謝している弁護士の話

 私はといえば、選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんの訴訟代理人の事例より相当大きな問題を起こした弁護士に仕事を頼んだことがありました。明らかにできる部分についてのみ触れていこうと思います。

強姦被疑事件で逮捕された友人

 その連絡は友人から電話でもたらされました。

「何々さん、逮捕されたって。」

 その「何々さん」も友人で、かつて保守系の市民団体に所属していました。この方は、女性関係のトラブルからその団体との民事訴訟をいくつか抱えていました。とりあえず、様子をみようと逮捕された警察署の管内から電話をもらった友人に電話してみましたがつながらず、近くの喫茶店で休んでいました。そこで連絡をくれた友人から電話が来ました。

「弁護士見つかったから、事務所に行こう。」

 事務所に行くまでの間、どのようにして弁護士を見つけたのかを聞きましたが、その手法は驚くべきものでした。警察署の管内にある法律事務所を一軒一軒飛び込みで弁護を依頼しようとしたというもので、裁判所が休みであることから営業していない法律事務所がある土曜日にそのような手法で弁護士を見つけた友人の行動力には心底驚いたのを覚えています。

自信にあふれた言動が目立つ受任弁護士

 その弁護士の法律事務所は四ツ谷にありました。応接室に現れた弁護士は、受任を決めた理由について、次のように答えました。

「ドアをノックする彼が必死だったから、よほど困っているんだろうと思った。」

 そして、弁護士は便箋を取り出して私と友人にこう述べました。

「彼は希望を失っているかもしれないから、彼を元気付けるために手紙を書いてあげてください。」

 手紙を書いている間、弁護士は刑事の弁護に関する考えや警察と検察に関する持論を話しました。刑事の弁護は経験が必要であること、検事はともかくとして警察官には刑事事件に関する認識が低くてがっかりすることが多いことなどが語られました。話を聴きながら、依頼者の前で「できる弁護士」を演じている側面がないわけではないが、自身の仕事に自信を持っている方であるという印象が残りました。
 しばらくすると、逮捕された友人の先輩にあたる方が到着し、事件の見通しについて打ち合わせがなされました。弁護士からは、留置中の生活のために下着や着替えを購入しなければならないこと、不起訴となった場合の理由として「嫌疑なし」となれば理想だが「起訴猶予」であったとしても彼のために歓迎すべき結果であることなどが語られ、当面の費用として50万円が弁護士に支払われました。

不起訴釈放後、連絡が取れなくなった弁護士

 その後、逮捕された友人は「嫌疑不十分」で不起訴となり釈放されましたが、その頃から弁護士と連絡を取ることができないという連絡がその友人から来るようになりました。その友人は、すでに弁護士に依頼した仕事は完了していましたが、今後強姦罪の告訴などが虚偽告訴罪にあたるとして告訴することも考えているようであったので気にはしていました。

すでに亡くなっていた弁護士

 連絡が取れなかった期間が長く続いていたので、弁護士の氏名で検索してみると意外な事実が明らかになりました。その弁護士は破産により弁護士資格を喪失していただけでなく、すでに亡くなっていたことがわかったのです。自殺でした。
 ウェブニュースによると、その弁護士は金策に苦しんでおり、私たちが弁護を依頼した時点では、後に詐欺事件で逮捕、起訴された人物に準備された物件に事務所を構え、その事務所の一角ではその人物が中心となった詐欺グループが詐欺行為に勤しんでいるという状況であったようです。つまり、私たちが強姦罪で逮捕された友人を救出するために打ち合わせをしていた事務所の一角では詐欺グループがせっせと「お仕事」をしていたわけです。
 そして、連絡が取れなくなった理由も想像がつきました。金策のことで頭がいっぱいで、新たな事件に携わる余裕がなかったのでしょう。
 ただ、この弁護士に感謝する気持ちはまったく変わりません。どのような事情があって受任してくれたかはわかりませんが、自分を守るために依頼を断ることが認められている弁護士が、リスクが高いかもしれない飛び込みの依頼を受任してくれて、しっかりと結果を出してくれたわけです。弁護士に依頼して司法サービスを受ける権利はすべての者に等しく認められるべきだと思いますが、現実には小さい事件で受けてくれる弁護士を探すのは中々大変だと思います。ある弁護士が原告訴訟代理人として提起した民事訴訟の請求額が550万円であるのもそういった事情によるものだと思いますが、どのような事情や背景があったのかは知りませんが、この弁護士はこのような事件を受任してくれたのです。感謝と共に冥福をお祈りします。