泉房穂元明石市長という日本維新の会の劣化コピー
マスコミは泉房穂元明石市長のことを「前明石市長」と表現なさいますが、仮に今、泉房穂さんが明石市長選挙に立候補すれば「前職」ではなく「元職」と表記されますし、「前職」というのは衆議院議員総選挙において現職であった衆議院議員が解散によって失職するためにやむなく用いられるのが「前職」です。泉房穂さんについても正しく「元明石市長」としてはいかがでしょうか。なお、画像は明石城址です。
エレベーターの保証期間を無視してきた泉房穂元明石市長
私は、日本維新の会の地方公共団体の首長をまったく評価していませんが、同様に泉房穂元明石市長もまったく評価してきませんでした。泉房穂元明石市長についてなぜ評価しないのかという理由について、私はわかりやすい言語化ができずにいましたが、この度、泉房穂元明石市長ご自身が言語化のためにひと肌脱いでくださりました。泉房穂元明石市長に感謝申し上げます。
泉房穂元明石市長の発言には開いた口が塞がりません。なぜならば、機器や施設は定期的な保守点検が欠かせず、特にエレベーターにおいてはそれを怠ることによって人が死に至るからです。
この事故は、東京都港区の区営住宅のエレベーターで高校2年生の男子が自転車を引きながら降りようとしたところ、扉が開いたままエレベーターが上昇してエレベーターの床と天井の間に挟まれて死亡したものです。
この事故では、保守点検を当初の随意契約から競争入札とした結果、きめの細かい保守点検がなされなかったことが原因の一つであると指摘されているわけですが、保証期間の過ぎた部品を庁舎のエレベーターで使用し続けることを指示した泉房穂元明石市長は、このような事故が過去にあったことを承知の上でそのような言動に至ったわけです。庁舎を利用する市民の命を何だと考えているのでしょうか。
消防のはしご車について何もわかっていないのに無理難題だけを指示していた泉房穂元明石市長
泉房穂元明石市長の暴挙はそれだけに留まりません。消防のはしご車が2億円かかることについて、明石市の職員に無理難題だけを指示していたのです。
この部分を読んで私は、泉房穂元明石市長が行政を何もわかっていないということを改めて実感しました。明石市の予算案は、各課からの要求に基づいて財政課が査定しますが、重要な予算案については市長が直接判断します。その予算案にははしご車だけでなく、市区町村の消防で最も多く購入すると思われるポンプ車の予算案とその積算根拠となる見積書が添付されているはずで、そのポンプ車の見積書には5000万円程度の額が記載されているはずです。したがって、泉房穂元明石市長がきちんと予算案を把握するようにしていれば、ポンプ車より高額になると誰でも考えるはしご車が2000万円以下であるなど考えていた泉房穂元明石市長は、長年市長を務めて多くのポンプ車の予算案に添付された見積書を閲覧していながら、はしご車が2000万円以下で購入することができるなどと考えていたのです。消防関係の車両でいえば、2000万円で購入することができそうなものは救急車ぐらいでしょう。
消防関係の車両が高額となる理由として、元々の販売価格が高いということの他に、車両の艤装がしばしば特許対象となっていることもあるでしょう。明石市のトップであれば、なぜそのような価格になるのかを職員に尋ね、市議会で自らの責任で予算の根拠を説明すべきであるわけですが、泉房穂元明石市長がなしたのは、この世に存在しない2000万円未満のはしご車を探すという無理難題を職員に課すことであったのです。
日本維新の会の劣化コピーと化していた泉房穂元明石市長
このような泉房穂元明石市長の言動から感じるのは、日本維新の会の劣化コピーという姿です。日本維新の会は無駄な経費節減を主たる主張としながら、その政策は杜撰そのものでした。例えば、大阪府と政令指定都市の大阪市を廃止して大阪都を作るという日本維新の会の看板政策とも言える大阪都構想は、様々な行政課題に関して制定される政令指定都市会などで会長を輩出する政令指定都市の中での大阪市のブランド力と、大阪市の行政区によるきめの細かい基礎自治体の行政の双方を失う代わりに、大阪都となった大阪府だった地方公共団体が大阪市から権限を引き上げるという中央集権政策で、「都」というブランド以外に住民としていいことが何もない政策なのですが、日本維新の会は特別区となる基礎自治体の権限を中核市並みとするという妥協案を提示して、その結果、特別区の予算規模も膨れ上がるという誰にとってもいいことがない政策を未だに進めようとしています。
泉房穂元明石市長が削減したと大威張りの明石市の下水道予算にしても、下水道整備には国の補助金が交付されますから明石市の負担がそれほど大きいわけではありません。そして、老朽化の進む明石市立病院を適切な修繕を施すことによって長寿命化を図って将来の経費を削減することを行わずに放置していたことから考えても、泉房穂元明石市長がなした明石市の行政運営もまた、将来の展望がまったくない愚策であったと言えるでしょう。